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新春特別企画、ZDPメンバーが1年の活動を振り返る『ZDP座談会』を収録。昨シーズンのレース裏模様、来シーズンの最新情報をお伝えします。 目次 【湖東】 BackNumber〜2004春2http://www.zdp.co.jp/2004/2004spring2.html 木村:えーっと、いきなりパス!うちはファラデーマジック2の製作真っ最中でした。 池上:そうか、ここにいるメンバーは誰も行っていないね。 木村:アイシンが1-2で入賞して、ちょっとどきどきしたぐらいかな、WEM秋田も控えていたしね。
BackNumber〜2004春3(WEM)http://www.zdp.co.jp/2004/2004spring2.html 籾井:今読み直すと、去年の座談会で話した事が、恐ろしく当たっていましたね。 木村:優勝できたのも池上さんのおかげで、池上さんが最後に『いけいけ!』と行ってくれたおかげで、公式練習から容赦せず、最後まで走らせる事ができた。 池上:あのとき、キムラさんは、監督向きでは無いなと、思いましたよ。 木村:なんで? 池上:最後の14周目に入り、キックーのファラデーマジックと、籾井君のスーパーモスラが駆け引きをしていたその時、キックーに『後ろにいる籾井君との距離を保って走れ』なんて、前を走るドライバーにはすごく難しい事をいっているんだもの。
木村:それは、抜かれなければ、いいという意味だったんだけど。 池上:その後も、『本部前で止まれ』とか、やっぱり『折り返しで籾井君との距離を見て・・・』とか。
池上:あんな場面で、そんな難しい指示されても、ドライバーは困るよね。 菊田:その時の電話での指示では、もしバックマーカーとの距離が離れているのならば、後の作業を考えて、ピット近くで車を止めた方が得策だという事になったんだけど・・・ 池上:そこで止まっちゃだめだよ。渋谷さんのテストでは、かなり放電してもちゃんと充電すれば復活する事わかっているのに。 菊田:結果的には、行ってよかった!
木村:よかった、よかったね!途中で一位だけはキープしようと思って、自信はなかったけど、できれば80kmは行きたいと思っていた。 菊田:自分の中では、予選の日に80kmという考えは無かった。 木村:折り返し地点まであと1kmのところまで行けば、ちょうど80kmなので、そろそろ届く頃かなとは思ったけど、やはり本戦で勝負と考えていたので、予選はそこそこで良いとは思っていた。 池上:私は、もう、殆どやる気無しモードでしたから・・・・ 木村:そろそろ14インチの話題に行きますか? 籾井:もうちょっと上位に来るかと思っていたのに、ダメでしたね。 木村:それは、池上さん本人が特にそう思っていたでしょう。 池上:投影が2/3に減ったのに、それで全然消費が多いって、いったいどういう事か?!と。 木村:投影が2/3は、ファラデーマジック2を作っている隣で、まざまざと見せつけられていたから S:ミニバンと、スポーツカーぐらいの差はありますね。なかなか衝撃的な差ですね。 池田:それもあるけど、もう剛性的にはめいっぱいの薄さ。あれ以上落としたくは無いでしょう。 木村:これを見て、空力的にはやばいと思った。正直ダメかと思いながら、ファラデーマジック2を作っていたのは事実でしたから。 菊田:そう思うのも、一昨年、紀北がスーパーでんち君型のボディーに14インチでそこそこ走っていましたから。 池上:芦田さん曰く、ようやくあのレベルまでタイヤの性能が戻ってきたという事らしい。 S:え?それは、14インチタイヤの性能は、一回ダメになって、そのあと元にもどって来ているという事? 池上:市販化された去年に入ってから製造されのタイヤは、ほぼ全滅だったらしい。 S:そんな品質なんですか・・・ 池上:一昨年作ったロットだけ、たまたま良かったみたい。推測だけど、同じ品質と思って手配している繊維とか、ゴムとかにばらつきがあったのかも。
菊田:一昨年の性能が出ていたロットと比較して、ミツバさんたちのツギハギタイヤはどうだったんでしょう? 池上:それはわからないなあ・・・・ 菊田:昨年製の転がりがだめだったとしても、その前の年のロットまで性能が回復したタイヤが今年出てくると、グリフォンとかが怖い存在になりますね。 池上:たぶん、ツギハギタイヤよりは良いだろうね。 木村:それにしても、あの14インチタイヤで13周超えてくるのも、ぞっとしますね。 池上:14インチタイヤ、6本も買っちゃったよ。 木村:ミラクルでんち君は、一応テスト用車両としての使命は果たしましたね。一台で14インチと20インチの優劣をはっきりしていただきましたから。業界的には、ありがたい実験でしたね。 池田:まさに人柱。
池上:投影は下がったけどCd値は、かなり悪くなっているかもしれませんが。それにしても、走らなかったなぁ・・・ 木村:ミツバさんのHyper USO800も同様にかわいそう。あれは、そう簡単に、20インチ仕様にもどらないらしいですよ。 池上:モノコックも、えぐっちゃっているしね。 木村:一応戻す方向で、いるらしい。 池上:戻すと、14インチのタイヤの性能がよくなったりして・・・ 池田:それは、あり得る。(笑) 籾井:フロントのスパッツを取り外し可能にするとか言っていましたよ。 木村:もう、型は借りてきているらしい。来シーズンに間に合えばいいんだけど・・・。型があれば間に合いそうにおもえるんだけど、微妙らしい。 池上:ミツバさんも、意外にマンパワー不足なんでしょう。 池田:あと亀吉さんところは、万が一16インチタイヤが出てきたときに、それを履ける設計になっているらしいよ。
【ギリシャ】 BackNumber〜2004春5(ギリシャ) http://www.zdp.co.jp/2004/2004spring5.html
木村:ギリシャは、こういうソーラーカーレースもあったのかというのが、正直な感想です。 池上:120km/hで走るなんて、ドライバーおかしいですよね? 池田:ドライバーは、そこまで考えないでしょう。 籾井:でも池上さん、WSCでは、僕が作ったホイールの心配はしていなかったでしょう? S:そういう事か、みんな自分の作った所を心配して。 木村:ギリシャでは、トップスピードは155km/hぐらいまで、出ていたらしいよ。 池上:普通の4輪並みだな。 S:太陽電池はどうでした?超高級トリプルジャンクションのNunaとか。 木村:丁度あのころ、シャープの薄膜がでるでないという話が出ていたところで、従来のトリプルジャンク
池上:写真で見た感じだと、第1回WSCの作りですね。ボディーもあれ、ガラス繊維じゃないの? 木村:確かに重かった。NunaIIなんて、車載機器としてデスクトップ用のキーボードとマウスが積んであった。メンテナンス用で走る時は外すのかと思ったら、そのまま積んで走っていた。発電量があれば、何でもできるんだという感じで、考えられない使い方だった。 S:ギリシャには、北米のサンレース組も来ていましたよね?プリンシピア大とか。作りはどうでしたか? 木村:海外勢で作りがよかったのはHans GOだったかな。外観や名前はあれだけど、作りは洗練されていました。だけどなんだかんだ言って作りがよかったのは、日本の芦屋やOSUだったかな。 池上:OSU作りが抜きん出ているけど、芦屋は日本では普通じゃないですか? 木村:世界レベルで見ると、どちらもレベルが高い。私が同行したファルコンあたりと見比べちゃうからかもしれないけど、プロの仕事だねと海外チームに言わせるほど、きれいに出来てますよ。あと、台湾が意外にすごかったな。 S:Southern Taiwan University of Technologyだっけ?オーストラリアも走っていましたよね。 木村:変換効率はあまり高くないけど¥5000万のガリウムヒ素系をつんでいた。なんでもメンバーの方が、ミシガン大学に留学しているとき、隣の研究室でソーラーカーを作っていたのをみて、自分たちでも作りたくなって、台湾に帰ってから始めたらしい。 S:WSCのMLでも、その話題出ていましたね。 池田:ミツバさんの所に問い合わせは結構あったんだけど、みんな断っちゃったらしい。ミツバ的には売るメリットが無いし、そもそも売れば売るほど赤字だろうから。 木村:あと、食事についてはWSCとは比較にならないくらい良かったかな。 S:そりゃそうでしょう、WSCは何もないところを走っていて、夕飯のビールさえ、買えない日もあるくらいなんだから。 池上:そりゃ、観光地だしね。 木村:WSCと違って一日で走る距離が決まっているから、レース中に遺跡見学なんかが組み込まれていたり、観光としても、なかなか楽しめましたよ。 S:今回が最初だったけど、今後はオリンピックのプレイベントとして、FIAは毎回やっていこうという方針らしいじゃない。今度は北京だよ? 木村:オリンピックの聖火リレーみたいなもんだね。 S:JAFメイトなどでも取り上げていたり、FIAも関わっていて、JAFも結構注目をしていた大会のようでしたね。 木村:鈴鹿で優勝しなくても、芦屋がなぜかFIAのワールドチャンピオンになっていた。 S:細川さんは残念、チャンピオンになれなかったのか。 池田:ポイントを見ると、細川さんは鈴鹿で優勝したのに、4位ぐらいにしかなっていない。詳しくはわからないけど、ポイントの計算方法にレグ毎の集計があるみたい。鈴鹿だけでみても、総合1位の細川さんよりも、レグを制した芦屋の方がポイントが上らしい。変な話だね。いったいどんなレギュレーションなんだ? 【鈴鹿】 BackNumber〜2004鈴鹿1 http://www.zdp.co.jp/2004/2004suzuka1.html 木村:とにかく、鈴鹿と秋田が同日開催というのは、ヒドイね。 S:一応去年かぎりで、今年は大丈夫なんですよね? 木村:とりあえずは、鈴鹿側がバイクの8耐に押し出されて日程がずれ、それが先に決めていた秋田とかさなっちゃったというのが実態みたい。 池上:だから、秋田が先に決めちゃうのは、間違いなんだよ。だって、鈴鹿は調整しようがないから。 木村:でも、秋田側は、竿灯祭りの影響もあるよね? S:秋田側としては、竿灯に重ねる事はあり得ない。 木村:そうなると、学生の休みの事もあるから、秋田側もあまり選択肢も無い。でも、今年は改善される方向なので、とりあえず、良かったかな。 S:かいつまんで去年の大会の状況をおさらいすると、台風の影響で第1ヒートが2時間の赤旗中断。翌日の第2ヒートは予想以上に天気がくずれ、結果として、軽い車体と、鈴鹿にベストなセッティングを出してきた細川さんが、ギリシャ参加の芦屋大/OSUを引き離して優勝。 池上:OSUと芦屋は、もう、鈴鹿はどうでも良かったのかな? 木村:予算力からして、通常のモータを押さえていてもよかったのに。古いモータはどうしたんだ? 池上:芦屋は前年のモーターは、どこかに貸してしまっていたらしい。 木村:あとは、良くも悪くも、秋田と鈴鹿の同時開催はよくなかったね。モータの使い回しが、2大会が重なっていちゃできないよ。大会が重なると、使えるモータの数が不足してしまう。 籾井:鈴鹿で芦屋は何をつんでいたの? 木村:ギリシャ仕様の超高速仕様のミツバDD。それをコントローラで絞って使っていたものだから、効率は・・・ 池上:OSUの藤田先生なんて、前年の悪天候の秋田で、あれだけガメラにいじめられていた経験があったのに、どうしてきちんと準備をしてこないんだろう? 木村:でも両チームとも、モータは一応2SETあるらしくて、ギリシャ用スペシャル仕様の低速版は載せてきていたらしいよ。 池上:ミツバの内山さんにきいたら、それでも高速すぎとはいっていた。芦屋の場合、ノーマルも持っていたけど、それはどこかに貸してしまっていたらしい。 木村:あと、記事にもなっていなくて、ちょっと気になっていたんだけど、金沢工大の実験車とかって、どうだった? 池上:出ていないですよ、エントリーもしていない。 木村:でも、今年は4輪でデビューでしょう? 池上:あの車、設計がよくわからない。学生には直接いったけど、マルチリンク風の不静定トラスの変なサスペンションをつんでいるが、自動車雑誌の読み過ぎ。仮想中心が云々といったって、あれでは・・・ 池田:平行リンクにもなっていないんでしょう。どんな動きになるかもわからない。 池上:動きもグニャグニャ。どっちに引っ張られるか、よくわからない。 木村:池上さんの割り箸理論を理解していないんだ。 S:完成しなかったといえば、MAX SPEEDの新車も・・・・ 池上:あれも、普通に作っていればよかったのに、普通じゃない物を無理に作ろうとして。 籾井:でも、僕は普通じゃない物に挑戦する事も、応援したい気持ちはあります。 木村:あの車は、800Wでしょ? S:800Wといえば、東海大学のサークルも800Wを作って、秋田でデビューさせましたね。 【WSR秋田】 BackNumber〜2004WSR秋田http://www.zdp.co.jp/2004/2004wsr1.html 木村:去年の秋田は、鈴鹿と違って、逆に天気が良かった。 S:でも、秋田の結果はイタイですよね・・・なぜ、ガメラがまたもや2位になったのか? 木村:東海大本体は自滅ですね。タイヤパンク3回。 S:東海大本体は、九州東海大にも負け、800Wのサークルにすら負けている。ヒドイですね。 木村:でも、逆に言えば、あれだけぼろぼろでも7位になれたのは、たいしたもんだよ。(笑) 池上:7位っていったって、その下には、有力な所は、どこもい無いでしょう。 木村:まあ、今回はレースどころじゃなかったんだから。まずは輸送用の4トントラックが故障して、その修理から始まって、さらに素人ドライバーがいきなり運転。初心者ドライバーが乗りこなせる程、うちの車体は扱いやすく無い。まっすぐ走らせられないから、中央分離帯にぶつけてパンク。 S:ホイールを、何本壊したんですか? 木村:2,3本かな?(笑)、90万円ぐらいの損害。個人的には、これならよっぽど棄権した方が良いと
思ったくらい。だって、もったいないでしょう? 池上:どうでもいいけど、折り返し地点の制限速度は15km/hでしたっけ?それよりも0.1でも高いと、『落とせ』と、掲示がでるのは止めて欲しい。 S:池上さんドライバーやったの? 池上:うん。やらないと、若松君が、一人で運転できる時間のレギュレーションに超えてしまいそうだったし。 菊田:今回は僕も、ガメラに乗りました。1日目乗って、会社に戻りました。 木村:日月火だった去年の曜日は、社会人にはかなり都合悪い。でも今年は、土日月になるらしいよ。 木村:でもガメラがこれだけ上位にこれたということは、秋田のコースも、真のソーラーカーでなくても、ガメラのように、パネルの発電量はそこそこでも、軽いリチウムイオン電池を満載していれば、上位にいけるという事だね。 菊田:東海大ソルスピリッツのS8にも、リチウムがあれば・・・ 木村:ソルスピリッツは、電池以前に戦略がまだまだ。もっと攻めても良かったかも。それにしてもZDPは他
チームとの駆け引きに、長けていますね。 【菅生】 BackNumber〜2004夏2 http://www.zdp.co.jp/2004/2004summer2.html 木村:菅生は、モータを作り始めて3年目で初優勝。 池上:初代モスラの、念願の初優勝。 木村:1998年誕生からから、7年目。まさかCG号よりも優勝が遅れるなんて。 籾井:今回も、出発前日まで間に合うかどうか危なかった。 渋谷:オレは、去年はもう3年目だから大丈夫だろうと思って、前の晩からの参加もせず、すっかり安心していたよ。 木村:僕は逆に、なんとなくこのままでは間に合わない予感がして、ここ3年で初めて前の晩に手伝いに来たんですよ。 籾井:出発直前の夜なのに、ガクガクいって、モータがきちんと回っていなかった。 渋谷:3年前はつらかったからね。台車の上でスタートを迎えていたし。(笑) 籾井:台車スタートからすると、全然進歩したなあ。 木村:この領域に入ってからの、追い込み作業が効くんですよ。 渋谷:今回は良かった。 木村:そして菊田さんが、ドライバーとして再び優勝して、勘違いをし始めた一戦でもあった。 菊田:エコラン界のシューマッハなんて言ったこと無いのに、回りがみんなそうやっておもちゃにするから・・・ S:そして、アイシンのつばさ52号が、同一周回。 池上:アモルファス3発。よく考えたら、それは全然安く無いんだよね。 木村:3台セットだと、菅生セットで安くするってどう? 池田:ありかもしれない(笑)でも、アレをやるにはギアを作らないといけない。 池上:初心者にはつらいですよね。初心者用に図面を引こうかとも思ったけど、安くもないし、ギヤが重いですよね。 池田:そこまでできる人は、自分で図面もひける。初心者向けには、ソーラーボート用のモータにチェーンで走ってもらった方が良い。 木村:アイシンさんは、やはりすごいね。 池上:でんちくんが全然ダメだったのが、ショックだったんだけど。前年より全然悪いのがよくわからない。 籾井:ドライバーの操作かな? S:ここでもグリフォンは22周で3位。チームヨイショットミツバが電気系の不調もあって、5位。 池上:菅生って、難しいですよね? S:確かに上位と、その下の差が激しい大会ですね。 木村:周回で倍つくということは、速度差が倍という事だから、少し怖いね。今年は9月の中旬頃、開催らしい。 【豊田】 BackNumber〜2004秋1http://www.zdp.co.jp/2004/2004autumn1.html S:豊田はファラデーマジックが優勝だったけど、みんなパンクで、記録的には全くのびませんでしたね。 籾井:豊田は自信あって、1回のパンクだけだったら、追いつけるはずだったんだけど。 木村:2回パンクしたの? 籾井:いや、3回!1回目だけだったら、まだまだ間に合うと思っていたのに、空気入れていたらまた『パーン』って。 S:今回はなぜそんなにパンクしやすかったの? 渋谷:今回はというよりも、その前までは、たまたま運が良かっただけじゃないかな。 池上:例年我々が、被害を受けていなかっただけで、他は結構パンクしていたから。 籾井:みんな結構、空気圧を高めにしすぎだったんですよ。で、僕は5.5気圧ぐらいしかいれていなかったから、大丈夫だと思っていたら、今年はそうではなかった。 木村:でも、空気圧だけではないね。針みたいな石が多くて、ファラデーマジックにもそれがささっていて、レース終わってタイヤを見たら、そんなのが刺さっていた。抜けなかったらレース中、空気が抜けずに済んだ。スローパンクで、翌日見たらぺちゃんこになっていた。 池上:来年はタイヤ交換の練習をしておこう。なんかタイヤ交換して、久々に本気になって楽しかったよ。 渋谷:でも、池上さんは、比較的豊田では運がいいですよね。その代わりに回りのチームがどんどんパンクしていって・・・ 池上:昨年は、『よし、あともう1台!』とかいって、びびられたっけ(笑)。 菊田:そういえば、豊田では、夜の宴会で、自分の回りに東海大学OBの蓼沼さんを含むミツバさんが3人くらい座って、自分に何かうれしそうにお酒をついでくれると思ったら、良いつぶすという作戦だったらしい。結局最後には、自分で飲み過ぎて酔いつぶれ、『作戦失敗』だとか言っていたけど。 渋谷:とにかく、パンク云々よりも残れる事が、このレースでは重要かな。 木村:そうはいっても、タイヤが持てば記録が出てしまうから、どちらかというとロシアンルーレットの逆のようだね、一発だけパンクしないで済むという感じで。 池田:2005年は豊田あるの?2004年と同じ時期だと、その頃は万博の開催期間中で、何かイベントをやっている可能性が高い。 木村:万博関連イベントなのに。でも、新コースはつらいな。 池田:新コースでなければ、又は日程が全然今と別になってしまうとか。 【白浜】 BackNumber〜2004秋2http://www.zdp.co.jp/2004/2004autumn2.html 池上:レース前日に食べたクエ鍋がおいしかった。あと、会場に来ていた柏原芳恵ちゃん。 S:それだけ? 池上:そう。(笑) 木村:いやいや、それだけじゃなくてファラデーマジックの3勝目、キックーの4勝目! 池上:白浜は、何か小技を使っていたんでしたっけ? 木村:白浜は、キャパシタを回生でためて、ブースト用に使っていた。容量が500Fもあったから、使っても無くならない、無くならない。 渋谷:あの平坦なコースだったら、それだけで1周できるんじゃないの?500FをAhに直すと0.25Ahになる。 S:Ahに直されると、ぐっと実感がわいてきますね。 渋谷:でも、電圧が下がっちゃうから全部は使えないけど。 木村:500Fといったら、2.5Vから1.5Vまで落ちるのに、5A放電でも100秒もかかるんだよね(笑)。 池上:トイレ? 菊田:トイレではなくて、なぜか体が痛くて・・・ 池上:あー、それは、やる気が無くなったんだ。 菊田:今言われてみると、それが原因かも。確かに一番やる気があるときは、たとえば秋田で2時間の練習走行を2本やっても、まだ体は元気だった。 池上:でも勝てると、普通やる気が入るはずですよ。 ということは、キックーは、もう勝つ事に飽きちゃったんだ。 菊田:ちょっと言い訳すると、足くむタイプの車は、ポジションがちょっとでもずれると車体が食い込んできて、かなり痛いんですよね。 池上:余談だけど、シューマッハはえらいよね。たとえば不本意で3位とかになって、本人的には、はらわた煮えくりかえっているような時でも、表彰式ではうれしそうな顔するものね。すごいなあ。 木村:次元が違って申し訳ないんだけど、今回の秋田は、『あれ?』っと思っているうちに、不完全燃焼で勝ってしまったから、実感がわかなくて、あまりうれしくなかったんだけど、うれしいように見えるように、努めていましたよ。 【幸田】 BackNumber〜2004秋3http://www.zdp.co.jp/2004/2004autumn3.html 木村:予選のポールポジション対決がよかったね。 池上:アイシンがまず取りに行って、そのあと籾井が2位。残り30分ぐらいで、大誠テクノがそれを上回る。 木村:そのあとに、スーパーエナジーGRRIFONも良いタイムも出してきて、最後にCG号が、コントローラ全開で、ポールポジションを取った。 池上:またここで、キムラさんが、難しい指示を出していたね。『イケイケではないけど、いける範囲で行って』とか。 木村:現実的には、そうだろう? 菊田:プリチャージ量を、下りと上りで変化をつけろと。 池上:予選なんだから、バッテリーの事なんてどうでも良くて、コントローラが上限を制御しているから、ただ全開で行けば良かったのに、難しい事を言うから。やはりキムラさんは監督向きではないなと、改めて確信しました。 木村:雰囲気が伝われば、いいんだって。それに、キャパシタ伝道師としては、ここでキャパシタが『パン』とか壊れてしまうと立場的にもまずいわけで・・・ 渋谷:あれはもう、私が作ってから4年目になるからね。 菊田:実は渋谷さん、あのキャパシタさすが渋谷さんが作った物でしたよ。最近会社でキャパシタの測り方を覚えて、いろいろ測ってみたんだけど、4年たってもまだまだ最初の仕様通り、良い性能のままでした。 渋谷:おお、じゃあまだ生きているんだ。みんな使い方をよく知っているしね。使い終わったら、ちゃんと電圧を落としておくとか。 池上:すみません・・・あれは、2年前の正月の事でした。ヤマハのパスに、キャパシタを並列につけて・・・・ 渋谷:それ、オレもいっしょにいた記憶が・・・そのパスで、両国橋の所を行ったり来たりして実験をしたんだっけ。 池上:そしてそのあと、電荷を抜かずに、飲みに行っちゃって・・・で、1週間後にみたら、キャパシタがぱんぱんにふくれあがっていた(笑)、触るのも怖いくらいに。 木村:ああ、それ見た。 渋谷:ところで、話を元に戻して幸田は、籾井さん的にはどうだった? 籾井:どうというか、よくわからず、すごく中途半端に、普通に負けたという感じ。 渋谷:やはりモータを、あのコース専用に作らないといけないんでしょうか? S:上位にいるのは、全部特電のアモルファスじゃないの?アイシン、亀吉、アイシン、東工大。 籾井:東工大は形状も悪くないし、変な事をしないで、普通にやっていれば上位に来ると思っていた。 池上:豊田では、自作のDDモータとコントローラとかやっていたね。 【言いたい放題の時間】 木村:だけど、普通の事をやっても、普通に勝てない時代がやってきたね。 籾井:そうはいうものの、普通の良いパーツを安直にもってくるというのは、どうかと思う。特に学生は。 木村:それはオレには、『オレに勝たせるチャンスをくれ』と言っているようにしか聞こえないな。 籾井:いやいや、僕だってリスクを負って危険な事をしているわけだから、学生だってそれをやってもらわなくちゃ・・・ 木村:それはそうだけど、学生はまず、覚えて何とか動かすまでに1年かかるのに、それから3年たったらもう卒業しているんですよ。 池上:いいんですよ、それで。結果なんか出さなくても。 渋谷:そうだよ、挑戦しなくちゃ。 籾井:失敗して、悔しい思いをしてもいいんですよ。きれいなところだけ見てもしょうがない。 木村:そうはいうけど、挑戦して無様な負け方をしている学生をみて、『やつらはダメだ』なんて言っている口じゃないか。(笑) 菊田:学生は3年間のうちに、1回でも完走できれば良いかな。 木村:じゃあ、素直にみんな東北大を応援してあげてよ!(笑) 籾井:いや、そうはいってもレベルという物があって・・・ 池上:東北大は・・・ソーラーバイシクルにエコノムーブと、いろいろ頑張り過 ぎかな。 木村:なんで?頑張り過ぎたら悪いの? 池上:無理だって、あんなに沢山の事をやるのは。でも、本当は指導教員が悪いんだよね。時間が無い中で結果を出せと言われ、それなのに、何か物を買いたいというと、シミュレーションの結果を出せとか、学生に言うらしい。 池田:数年前に、菅生で3位になったときに「雪辱できてこんなにうれしいことはない」と、研究室のホームページに書いてたぐらいだから、とにかく結果が欲しかったんじゃないの。 木村:じゃあ、逆に現役学生の中で、ここはがんばっていて、良いところだっていうのはどこですか。 籾井:結構微妙ですね。東海大学は外から見るとよくできていますが、学生のみのパワーではなく、キムラさんやすでに卒業したキックーがやっているところもあるから。そう言う点では、東海大は除外。 菊田:名城は、自分が学生だったとき、『負けた』と思いましたね。 池上:マイスターはがんばっているよね。 木村:池上さんが、そう言うのは意外ですね。池上さんはそう言う学生をカモにして、楽しむところがあるからね。 池上:いや、それとこれとは別で、どこで楽しむかは別ですから(笑)。 籾井:東北大のレベルは大学チームの中では中堅ぐらい? 木村:え!?そうかな、結構いい方だと思うけど。みんな視界に入っていないだけだけど、A工業大学とかどうなのよ?学生の中では、東北大学とかはいい方だよ。なんだかんだ言って、菅生で上位じゃない? 池上:昔の車体はいいですよ。それなのに、今は・・・ 木村:僕的には、フライホイールをおろした時点で成長したなあと思いました。 池上:だから、そのくらいの頃の車体は良かったんですよ。 S:あのー、いいんですか、こんな事も書いてしまって? 池上:え?マズいかなぁ。 籾井:いいよ、ちょっとさっきからみんな毒がないなと思っていたし、これくらい言わないと。 池上:○○大の学生が伸びないのは、○○先生が悪いと、キムラさんが言っていたという事で、書いちゃってください。 木村:えー!?オレ、そんな事一言も言っていないぞ! 木村:市販化した事で、いろいろなところが積んできましたね。 池上:車体がヘボヘボな所まで・・・ 木村:TV放送していたチームも、ピカピカのアウターが目立っていました。 池田:秋田に間に合うように10台くらいは出荷したかな。 池上:結局年間で何台出ました? 池田:年間で30台 池上:すげー! 木村:だれだ?去年、売れても年間5台なんて言っていたのは?(笑) 池田:そのうち3台は、研究用や展示用として買われていったものなので、実際に車に積まれているのは27台かな。 S:その展示用って何ですか? 池田:アモルファスで、こんな事もできますよという見本にしたいらしい。 池上:豊橋でも、ヘボヘボチームが積んでいた。 池田:買うって言われたときに、止めた方がいいと、説得はしてみたんだけど、どうしても欲しいと言うから・・・。他にやる事あるだろうって。 菊田:アモルファス買うときには、一応相手の状況を見たりするんですか? 木村:無い、だっていろいろなところが積んでいるでしょう。 池田:それは、欲しいって業者さんが言ってくるからしょうがない。業者さん
が、どこに売っているか、こっちはわからない。 木村:でも、昨年のシーズンを振り返ると、菅生以外は、特電アモルファスが全て優勝! 池上:すばらしいね。 木村:優勝したらステーキをみんなにおごるルールも、今回は大変。今年は4回も。ステーキ食べすぎました。
S:今年はWSCの年だけど、日本からは誰か行くのかな? 木村:関西のソーラーカーチームなら行くかな。特に芦屋さんかな。 池上:でも、芦屋は海外のレースで3位になるより、鈴鹿で優勝したいって言っていたから、WSCはどうかな。 木村:良い太陽電池は、どちらも両立できますよ。 S:でもNunaは、さっき月探査船に乗せましたというレベルの最新スペックを貼ってくるからね。それに対しての優勝は厳しいでしょ。 籾井:芦屋、空力はいいの?見た目普通っぽいけど。 池上:アッパーカウルは単純に円錐形らしいよ。 木村:でもNunaは重量的には、芦屋にプラス100kgでしょ。 池上:じゃあ、GHとZDP連合チームでどうかな? 木村:組む社員が残っていないかも?! 池上:残り少ない社員をつなぎ止める手段として。 S:組むって言ったってあと10ヶ月しか時間がない・・・ 木村:個人的には、ソラえもん号を完走させたい。 池上:あれもだんだん車高が下がってきているから、さらに平べったい形になるの? 籾井:ドラえもんの頭の部分の球体に円錐をつけて空力向上させる。 菊田:それ、エイリアンになっちゃいますよ(笑)。 木村:高効率セルや、ミシュランラジアル、リチウムイオン等最新の技術を投入すれば、なんとか完走できないかな? S:ドラえもん以外にも、何か空力の良さそうなキャラでも面白そう。 木村:ピカチュウとかどう?やっぱり電気の動物だし、背景的には悪くないかな。 籾井:最近ソーラーカーレース、あまり見に行ってないが、新たなネタって何か無いですか? 池上:新規チームも少ないよね。 木村:そう言いつつ、台数的には減っていないよ。 池上:減ってはいないけど、新規も少ない。 池田:一生懸命やっている人が減った? 木村:神奈川工科大とか、新規チームだけど目に入っていないだけじゃないの? 池上:新規に参入しようとすると、まとまった情報が少ないよね。 木村:だからこそ、製作講習会に来てね、っていわないと。 渋谷:池上さんは、それを残さないといけないんだよ。 木村:池上さんは、本を出していないじゃないか。予約までしていたのに。 S:海外ではここ最近良い本が、結構出ているんだけどね。 籾井:ようは、ソーラーカーがあまりおもしろく無くなってしまったのかなと。もっと、盛り上げていかないと。 S:ソーラーカーレースも1987年がスタートとして、その後約10年間の進歩がおもしろかったけど、WEMも始まってから約10年がたってしまった。 籾井:WEMは、ここ10年間、スーパーエナジー、ミツバ、ホンダEG、アイシンなど。新規に元気のあるチームが参加する都度、盛り上がっている。 木村:東海大学も、新規チームじゃないか! 籾井:いやいや、今の東海大木村研究室は、ZDPと近すぎてなんというか・・・ 木村:あれ?新星の如く現れたチームに思われていないのか。 池上:最近私は東海大学のOBに思われているらしい。(笑) S:10年と言えば、今年でZDPのWebサイトがオープンして、10周年になりますよ。 籾井:もっとやっているような気がしますね。 S:最初のZDPのページは日本語のページが無かった。 木村:私は昔のページとか、結構読み直したりしていますよ。WSC1996の頃の記事とか。 S:ありがとうございます。懐かしいですね。 木村:そういえば、スーパーモスラの型を、房間さんに貸したんだって? 渋谷:今年はモスラ対クローンの対決が見られます! 池上:そんな安易な方法ダメだ!房間さんが、そんな志の低い人だと思わなかった。(笑) 菊田:いったい何時、そんな話が出たんですか? 籾井:豊田の帰りかな?冗談かと思っていたら、忘年会の時、本気だと知った。 木村:紀北からも、学生5人入学させたら、ファラデーマジックの型を貸してもらえますか?って打診が来ていた。(笑) 池田:なんじゃそりゃ?! 池上:みんな情熱があってすごいな。 籾井:房間さんは自分でやって、その結果たどり着いたからいいけど、安直に学生がまねし出すとイヤだな。 S:いいんじゃない、それで競技の全体がレベルアップして面白くなるのならば。 菊田:ソーラーカーの高崎さんになってしまう。 池上:じゃあ、ミラクルでんちくん-ベニヤキットも売りますか? 池田:図面だけでいいじゃん。 池上:図面だけなら、メカでんちくんがいるんだよ。 S:はぁ??? 池上:でんちくんのCADデータをあげたんだよ。そしたら、さすがにあのサイズでは 池田:フリーブローのキャノピーはさすがに継ぎ足している。 S:それZDP SHOPで扱うんですか? 池田:基本的には、一軒で全部部品がそろうようにしたい。 籾井:FRP関連も? 池田:FRP関連は、やっても共倒れになるだけだからやらない。 池上:あれ、安いですからね。アラヤとかでも幅広あるけど、1本7〜8000円するから。 渋谷:でも、その値段じゃ商売にならないでしょう? 池田:ならないね、100本売ってもアルバイト代ぐらいしかならない。しかも、業者さんには割り引いて出しているし・・・ ・・・ このあたりで、録音がとぎれてしまいましたが、話は尽きず、一同夜の街へと繰り出す事になりました。続きはまたどこかの宴会でという事で・・・。
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