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 新春特別企画 - ZDP座談会2013 2013/01/01 00:00

新春特別企画、ZDPメンバーが1年の活動を振り返る『ZDP座談会』。ご意見・ご感想・苦情は、こちらからお寄せください。

目次



S:この座談会の収録は、毎年年末ぎりぎりに都内某所で行われているのですが、今回池上さんが、例年の収録日に、西日本のソーラーカー忘年会に参加するということで、今回は西日本忘年会会場付近のホテルよりSkypeでの参加になりました。それでは早速2012年を振り返ってみましょう。


【WEMGPタイ】

BackNumber〜2012春1 http://www.zdp.co.jp/2012/2012spring1.html

佐川:ミツバさんが優勝ですね。タイ大会は3連覇ですか。

S:昨年は、日本からアヒルエコパレーシング東郷さんも出走しました。現地のチームとあわせて合計20チームがエントリーと出走台数も倍増以上に増えています。2012年は初めてパタヤビラサーキットの本コースでの開催となりました。バッテリーは古河電池製:FTX7L-BSという、通常のWEM戦で使われるFT4L-BSよりも、ちょっと大型のバッテリーです。

池田:ビラサーキットは高低差のある難しいサーキットです。

S:タイで2014年にF1開催を準備しているという話がありビラサーキットはタイ国内では一番大きなサーキットということになっていますが、さすがにこのコースでF1開催は厳しいですね。韓国のサーキットのように、スゴイ勢いで作ったりするのでしょうか。

池上:タイのF1開催はどうも市街地コースでの開催で準備を進めているらしいよ。

木村:タイ国内でエコノムーブはまだあまり有名になってないようですね。

S:ガソリンエコランの方がメジャーなんですか?

木村:タイでは、お隣の国マレーシアのセパンサーキットで開催されているシェルエコマラソンの方が注目度が高くて、それに向けたガソリンエコランや燃料電池エコランカー開発がメジャーで、バッテリーエコランがタイ国内で開催されているということは、まだまだあまり知られていないようです。もう少し大会開催のPRをタイ国内でもしないといけないですね。

S:タイのレース結果は、1位ミツバ37周、2位アヒルエコパが1周遅れで、3位のタイ国内最上位は、28周の記録。

池田:10位の:ナコーンシータマラート大学チームからは、ZDP SHOPにEne-1用モータの500R(S14502-500R)の注文が来ました。

籾井:Wittさんのところ?このあいだ夜中の0時頃に、Facebookを見ていたら、突然チャットで話しかけられ、なれない英語で対応しましたよ。

木村:そういうことが多いので、最近僕はFacebookのチャット機能は切っていますよ。

佐川:切れるんですか、あれ?

S:私も切ってありますね、みんなダメな日本人だ(苦笑)。

木村:いや、答えるときりがないんですよ。

籾井:時差もあったり、止め時が難しいですよね、『そろそろ寝たいんだけど』とか言ってみたり。

木村:アユタヤ工商大も、けっこう出ていますね。

池田:そこは日系の資本が入っているところで、そこもZDP SHOPからモータが行っていますね。

木村:泰日工科大学も、以前からこの大会出場していますが、名称に日本が入っているだけあって、現地に進出する日本企業で働くようなエンジニアを育成したいということで作られた大学です。後で知ったのですが、東海大学と提携していました。
話はかわりますが、東海大に昔、ソーラーカーサークルが作ったTrysolというソーラーカーがありますが、来年新車を作るにあたり、保管場所のものつくり館が手狭になったので、タイのKMITL(モンクット王工科大学)に、寄贈することになりました。

池上:もらった方も困るんじゃないの?

S:ダメですよ、国際投棄しちゃ。

木村:何を馬鹿なこと言っているんですか。確かに現役で走れる状態ではありませんが、学生でもこんなモノが作れるんだということで、教材として見てもらうという趣旨です。タイの人なら体格も小さいから乗ることはできるはずです。ビラサーキットのエコノムーブの大会でも、ソーラーカーがデモランを行ったと聞いていますので、今後タイでもソーラーカーが盛んになっていくことを期待しています。

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【WEM秋田】

籾井 基之
(株)本田技術研究所 勤務。
Tachyon/モスラを設計。

BackNumber〜2012春2 http://www.zdp.co.jp/2012/2012spring2.html

木村:籾井さん、4連覇おめでとうございます! それにしても、4連覇できるものだね?

S:なんだか上から目線ですね。俺はできるけど、おまえにはできないという感じが・・・。

木村:いや、そうではなく、自分の時もかなり運が無いと達成できなくて、過去の籾井さんの不運ぶりから、そんなことは無理だと思っていたのですけど、意外と続きましたね。

池上:過去の不運続きは、今に向けての運を、ため込んでいたのですよ。

木村:ちなみに、籾井さんは早稲田時代の優勝も含めると通算5勝目で、東海大と並んでいます。そして、過去10年で言うと、2003年以降、ZDP&東海大で、WEM秋田は優勝独占中です。

籾井:最近、自分自身はトラブルが減ってきて、代わりに、周りのチームがトラブルで脱落していくというパターンが多くなってきたかな。

木村:本戦で走行距離:85kmで優勝できたんだね。


池上 敦哉
ヤマハ発動機(株)勤務。ZDPチーフエンジニア。Tokai Challenger/でんちくんシリーズを設計。

S:とはいえ2位の走行距離:79kmだったので、相対的に車体の実力が勝っていたのは間違いないですね。

木村:バッテリーがあまり良くなかったのと、2012年は、公式練習が中止だった事もあり、ぶつけ本番だったか。

佐川:雨でやる気を失った池上さんが、出走せず。

籾井:決勝の朝に雨が晴れてきてのを見て、池上さんは『やばい、晴れてきた!』とかいいながら。やばいじゃないでしょうと・・・。

S:池上さんは、最初からやる気無しでしたね。前日の公式練習は雨のため任意出走の、ただの練習走行となり、決勝レースのグリッドは当初の受付順でしたね。2位にスーパーエナジー、3位にMONOが秋田で初の表彰台。BIZONは、DC/DCのトラブルで遅れ、Team ENDLESSはパンク、first step AISIN AW は新型のつばさ54号でしたが、スクリーンの傾斜がきつく視界不良で実力が発揮できず。

20120505 - 2012 WEM Day2

木村:ここにきて、車両の開発スピードが、止まってきているのかな?


木村 英樹
東海大学工学部 教授。工学博士。

佐川:それ、自分が言いますか?

木村:いやいや、開発はしているが実力が出ていないという事と、開発すらしていないというのとは、意味が違いますよ。

佐川:東海大は開発をしているのですか?

木村:もはや東海大チームは、佐川君が、がんばらないと、開発が進まないんだから。

S:そりゃ責任転嫁だろう(笑)。

木村:いつもそういう私に責任を押しつけますが、私をいつまで前戦に立たせるつもりですか?

佐川:それは逆の台詞ですよ!

木村:僕も飯塚先生のように、学生がやってくれれば良いのですと、言いたいのですが。

佐川:僕は社会人ですよ。

池上:ファラデーマジック2も、もうすぐデビューしてから10年か。

木村:2004年デビューなので、だいぶシーラカンス級ですね。とは言っても、ファラデーマジック3ができるまでは、あれでがんばらないといけないんですよ。どうしましょう・・・。
燃料電池部門で出ていますが、扱いが難しいですね。もう少しじっくりと取り組まないと、勝てないですね。

佐川:最近の流れとして、東海大はスタートもきちんとできず、走ったら上位に食い込みながらも、水素の使いすぎで減算されたりと、ダメですね。


佐川 耕平
富士重工業(株) 勤務。東海大、東海翔洋高OB。Tokai Challengerドライバー。

木村:なんか伝統になっていますね、辛いなぁ。

佐川:基本的にはヒューマンエラーですよね。

木村:圧着端子で押さえたパワーラインが引っこ抜けたり、レベルが・・・

佐川:昨年も抜けていましたね。それだけじゃなくて、絶縁皮膜を剥かないで圧着して通電していませんでしたという事もありました。

S:大丈夫か?東海大。

木村:ソーラーカー大会の前に、膿だしは必要なんですよ。それにしても東海大が良くないのは、天下のワールドエコノムーブを膿だしの場にしてしまっている事ですね。

籾井:BIZONは、またもトラブルで本当の性能がわからず。

木村:まるでかつての籾井さんのような・・・。


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【WEMGP戦袖ヶ浦他】

池田 信
本職は『流しのレーシングカーデザイナー』。現在は(株)デコに勤務し編集業の傍らZDP事務局を担当。

S:WEMGP戦で2012年は、袖ヶ浦の2戦が加わりました。会場に行くと、池田さんがなぜか大会本部で車検やっていたり。

池田:そうそう。

S:レースでは秋田では実力が発揮できなかったfirst step AISIN AW の新型つばさ54号が春5月も秋9月も優勝。

木村:全長が短いというあたりは、Tachyonにかなり影響されているコンセプトかと。

籾井:秋田大会で公開されているデータによると、2390mmですか、Tachyonは2600mmなので、さらに短いですね。

池上:新型つばさ54号は、菅生は出場していないんだっけ?

池田:去年はモータがなくて出ていませんね。これだけ小さいと入るモータが無いらしい。

木村:そこまでするなら、モーターも全部作っちゃえば良いのに。

池田:いや、自作するにもアモルファスコアを作るのは、ものすごく手間かかるんですよ。特電でも、アモルファスコアカット用の穴を空けるだけでも、超硬のドリルで一日がかりの作業になるそうですから。

S:その後のWEM戦ですが、やはり2012年も、菅生、舞洲、NATSは、ZDP東海大は出走していません。

20120527 - 2012 ALL JAPAN EV-S ECORUN GP SERIES ROUND.1

20120930 - 2012 ALL JAPAN EV-S ECORUN GP SERIES ROUND.4

池田:ちなみに袖ヶ浦は、来年3戦やりたいと言っています。すべてがWEM GP戦に組み込まれるかわかりませんが。5月と8月と、NATSとかぶらないところで秋にさらにもう1回。8月は暑いから、ドライバー交代を義務づける方向で。

池上:GP戦として考えると、同一サーキットで3戦は多くないか?あとはポイントをどうするかで調整するとか。

木村:WEMGP戦は4戦でのポイント合算で争われていることを考えると、千葉はNATSもあるので合計4戦となると、千葉で開催される大会の合算で勝ててしまうことにもなり得る。



ZDP編集長。

S:WEMGP戦に勝ちたいのならば、千葉県に住むことが有利ということになりますね。

池田:3戦全部がGP戦として認められるかは未だわかりませんけどね。
参加台数を増やすという点では、車体の全長を3500mmまで出走可能として、ガソリンからのコンバート勢を取り込むと言うことも検討している。

木村:噂で東京大会というのも聞きましたが。

S:有明の防災公園ですよね。

池田:未だ具体的な段階では無い。エコノムーブでやるのか、エコ電でやるのかも未だ検討段階というくらいですから。使用許可については、なんとかなるかも。

木村:電力事情が逼迫している東京圏で、省エネをアピールするイベントをやる意義はありますね。

池田:袖ヶ浦の大会を主催するJEVRA(日本電気自動車レース協会)には、ジャン・トッドからは、『日本のEVフォーミュラの具合はどうなんだ?』と、連絡があったらしいですよ。

木村:WEM GP戦の結果一覧を見ていますが、『ちーむ悪い人』は、名前がダメですね。
私が以前から提唱していますが、メディアが結果を掲載したり、大会やチームがスポンサーに報告する際に躊躇するような変な車名・チーム名は、周りに迷惑なので、止めてもらいたいのですよ。

S:2012年は24位だから、まだそれほど影響ないからいいんじゃないの?

木村:良くない(悪い)です。上位を目指すのならば、この名前は止めてもらいたい。

S:元はと言えば、池上さんの『でんちくん』あたりが悪いんじゃないの?

池上:え?でんちくんは良いですよ。

木村:でんちくんあたりは、まだNHKのニュースあたりで言っても、まだわかるからいいですが、最近は出ていませんが、うにゃにゃんナントカとかも、ダメですね。須藤君のところの車名『松下太郎』もちょっと微妙かな。気になりませんか、これ。

S:ならば、ヨイショット!ミツバは良いのですか?オヤジのかけ声が入っていますが。

木村:これも微妙です。そろそろ変えてもらった方が良いですね、ミツバ ワークスとか。

籾井:ランキング表では、good shotになっていますが、『良いショット』を直訳?

佐川:nice shotではない?

木村:車名については、USO800(嘘八百)からTeslaに替わっているので、努力の跡は認められますね。
GP戦の結果に戻って、2位の青MONOさんは、GP戦後半のウェットコンディションのレースで2連覇。雨に強く、そしこの1年で最も上昇したチームじゃないでしょうか。GRIFFONはなんだかんだで、GP戦3位ですね。

S:年間5戦に出場していて比較的上位に食い込んでいますし、2012年は、秋田2位が大きかった。

木村:GP戦で言うと、ミツバは6戦、その他の上位チームも5戦は出場している。それに対して、籾井さんや東海大は秋田しかでていないですよ。

籾井:一応、鈴鹿のEne-1は、2012年も出る意思はあったのですが・・・

S:去年も座談会で1年を振り返り、『秋田以外のレースにも出場しよう』という話になっていましたが、2012年もダメでしたね。

木村:前年と比べて、去年はちょっとがんばったんじゃないですか。Ene-1やNATSには行っていますよ。

籾井:誰が?

S:池上さんや木村さんは、会場に行っただけで、ZDPや東海大は出走していないじゃないですか。

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【Ene-1】

BackNumber〜2012鈴鹿 http://www.zdp.co.jp/2012/2012suzuka1.html

木村:優勝はミツバさんでしたね。前回優勝のBIZON(四十雀)は、1回目で出遅れています。『マル秘』と書かれた電流制御を行う箱が搭載されていましたが、あれの不調だったと聞いています。

池上:1回目のアタックで6分台のラップを出したミツバに1分以上遅れて、その差を最後まで逆転できなかった。

木村:ミツバさんは、大会のスポンサーで、サーキットにも広告だしていますね。

池田:特電さんにもどうですか?と、鈴鹿サーキットさんから、営業活動があったようですよ。

S:会社規模がだいぶ違いませんか?

木村:とはいっても、業界的には、レース用モータの売り上げ台数としては、スゴイですよ。

佐川:高校生ががんばっていて、飯田工高が総合でも3位に入っていましたね。

20120805 - 2012 Ene-1 GP SUZUKA

S:籾井さんは出走せず。

籾井:実績のある菅生用20インチアモルファスコアが、突然動かなくなり、前日に参加を断念。未だ原因が判りません。

木村:2012年はもてぎでもEne-1が開催されましたね。オーバルコースで巡航50-60km/hぐらいと、けっこう速い。

S:本戦では、ミツバ、BIZON、アヒルエコパと上位が期待されていたチームが続々とパンク。

木村:鈴鹿と同じ40本だとエネルギー量が多いから、半分の20本にしてKV-20ぐらいでいいんじゃないですかと、言っていたのですが。

籾井:Tachyonは登坂用モータが無くて出られる大会が少ない中、もてぎは平地なので出たかったのですが、2012年は海外出張が重なってしまって、エントリーできなかった。

S:鈴鹿Ene-1の今年の大会レギュレーションが、すでに発表になっていますね。

http://www.suzukacircuit.jp/ene1gp_s/entry/

池上:去年から微妙に変ってる箇所があるよね。私的には多少突っ込みを入れたいなあ。

木村:KV-2クラスは未だ残っているんだ。このクラス分けは意味が無いから、早く無くしてしまえば良いのに。

池上:たとえばレース後にブレーカーをチェックすることがあると書いてあるけど、それは車両規則では無く、運営上の問題ではないか、とか。しかも、そのチェックが何をするのか、具体的に書いていない。

木村:チェックというのは、電流を流して、ブレーカーがきちんと動作することを確認するということなのかな。

池上:ブレーカーについては去年も文章を出したりさんざんしたけど、結局実際のレースでは車検時含めて、ほぼ何のチェックも無し。中途半端な規定に振り回されて、これがトラブルで車が止まったりしたチームが出たり、そちらの方が問題。本質的には、こんな事気にするのが無駄。

S:『充電池ケースとサーキットブレーカは車検エリアにて保管するため、保管時、工具を使わず容易に取り外しを可能とする』というのは、コネクターで外せるようにしておくということ?

佐川:それは配線を固定するなということ?

籾井:東海大方式で手で引っ張って抜ければ良いんじゃ無いですか?

木村:あのー、引っ張ると抜けちゃうというのは、東海大方式というわけでは無いですよ(苦笑)。東海大の信用を崩すような言い方は止めてください。

S: Ene-1は、バッテリーだけではなく、ブレーカーも含めて保管するのですね。今回のレギュレーションの改訂では、型番がわかるようにしろと追記になっていますね。

木村:単3型ニッケル水素電池から5A以上を出すことは、電池の性能的には特に問題無いと思うけど、それを制限しなければならないというのが、ルールとして気にしすぎなのかもしれませんね。

池上:レギュレーション等の言葉では5Aを厳密に守らせるといことになっていながら、実際の車検やレースでそれをあまりチェックしていないのが問題です。

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【ソーラーカー北米/トルコ】

BackNumber〜2012夏1 http://www.zdp.co.jp/2012/2012summer1.html

S:2012年は世界的には北米のAmerican Solar Challenge (ASC) がありました。この大会は、公道レースの前に、クローズドサーキットでのレースがあって、ここである程度走れていないと、公道レースへの出走が許されていません。レースでは、またもやミシガン大が優勝。

佐川:ミシガンは常勝ですね、何勝目なんだろう。東海大も、ASCに出ようという動きは一時はありましたね。

木村:3輪は問題ないけど、ロールバーのあたりが面倒でそのまま出られないという話になりました。海外勢ではドイツのボーフム大が2010年大会に出場していたかな。

S:MITはこの大会で、サーキットレースをかろうじて走り、一応公道レースに出走できていますが、上位には及んでいません。MITはWSC2013には出ないと発表していましたね。

木村:MITといえば、タイヤはどうしたんだろうね?また例の赤い奴かな?でも今の時代、日本語だからわからないだろうと油断しちゃいけませんね、池上さん。

池上:そう、このあいだfacebookで、スタンフォードが新車の写真を公開していたので、『このキャノピーは頭が入るのかな?』と日本語で突っ込み入れたら、『大丈夫、ぎりぎり入ります』と、スタンフォード大からコメントを返された。

S:なるほど、『翻訳する』とかいうボタンを、ポチッとしたんだ。

木村:なので、あまりにも危ない発言はできませんね。過去の発言、大丈夫かな。過去に振り返ると、危ない発言をしてそうで、怖い。

S:このASCは、世界3大ソーラーカーレースの一戦とも呼ばれていますが、台数としては14台しか出ていない。

木村:じゃあ、南アのソーラーカーレースと台数的にはかわらないじゃ無いですか(笑)。

S:いや、そこででてくるのがトルコですよ。トルコ国内で開催されているFormula-Gは2005年から毎年開催されていて、昨年の大会は40台出ています。英語版wikipediaの世界のソーラーカーチームリストでも、アメリカ、日本に次いで三番目に多い国が、いまやトルコですから。

木村:日本よりもアメリカの方がチームが多いというのはちょっと納得がいきませんが。

S:一応英語版リストでの台数なので。鈴鹿のエントリー数を考慮すると、実際活動しているソーラーカーチームの数で言えば、世界一は日本で間違いないと思いますよ。

木村:トルコのソーラーカーチームはすべて大学のチームで、日本で言うところの文部科学省・環境省あたりが、大会のスポンサーになっています。野村商会の野村君が、1回は見てみた方が良いと言っていて、昨年ようやく私たちも見に行くことができました。

S:野村さんは昨年で3回目の観戦だったようですね。最初は見るモノが目新しく新鮮で面白かったけど、だんだん疲れてきた、とも言っていましたが。

木村:昨年のレースには、サカリヤ大とイスタンブール大の二校からお誘いがきました。で、先にお誘いのあったサカリヤ大を訪問するということで、行ってきました。

佐川:歓迎っぷりが凄かったですね。野村さんもそうだし、木村先生は『ヒデキ、ヒデキ!』とそこらで呼ばれて。

木村:向こうではだいぶ知名度・人気度が高かったですね。『ぜひ、うちのピットに来てくれ』と呼ばれて、行きましたよ。で、車を見せられて、どうだ!』というので、『いいね!』と言ったり。

S:トルコは食べ物がおいしかったですね。さすが世界三大料理ですよ。何を食べてもおいしかったなあ。

木村:そういえば、Sもトルコに行っていたんだよな。(笑)

20120714 - Formula-G 2012

S:私は家族旅行の途中で、たまたまイズミットのサーキットに寄っただけですから。
大学を案内されている木村さん達のかわりに、カッパドキアも見てきましたし、バルーンからの眺めも最高でしたよ。

木村:優勝はイスタンブール大でした。ここは、オーストラリア用の直線巡航用の車体と、サーキットレース用の低重心タイプの車体を、別々に持っていました。

S:2位のチームアナドル大もオーストラリアへの出場経験があるチームですが、ここもサーキット用の車体を持っていました。

木村:イスタンブール大は前回WSC2011では、オーロラの次の8位ですよ。今回お邪魔したサカリヤ大もWSC2011では、チーム沖縄に次いで14位でした。

S:イスタンブール大は、鈴鹿にも団体で見学しに来てしましたよ。昨年の夏に、鈴鹿で黄色いTシャツのトルコ人を目にした方は多いはず。

池上:面白かったのは、鈴鹿で芦田さんの電気自動車が走っていましたが、あの車の写真を撮るのに、普通は車体全体を撮りますが、彼らは車体の裏に手を突っ込んで、カウルの内側を熱心に撮っていた。

木村:良いですね、勉強熱心で。

佐川:トルコのレースでは、パンク有り、衝突有り、リチウムイオン電池が燃えたりと、盛りだくさんでした。

S:そういえば、決勝当日ちょうど会場に着いたとき、消防車と救急車がいて、消化剤の煙が立ちこめていて、凄いことになっていたっけ。

木村:佐川君がいると燃えるんじゃないの?

S:燃料電池のレースも同時に行われいて、こっちも40台ぐらいエントリーがありましたね。

木村:トルコはすべての大学が160程度なので、割合からすると、参加率は高いですよ。日本で言う文部科学省が出ろと言って動員されているから、逆に出ないと、居づらいらしいよ。ちなみに日本の大学は800近くありますから、多いですね。田中真紀子さんがあんな事言ったのも、一理あると思います。

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【秋田バイシクル/ソーラーカー】

BackNumber〜2012夏2 http://www.zdp.co.jp/2012/2012summer2.html

S:池上さんはなぜソーラーバイシクルを作ることになったのですか?

池上:三浦テルミ姉さんに頼まれたので、断れませんでした。ちょうど一年前の今頃に、メールをもらったかな。最初はリカンベントをお薦めしたのですが、普通の自転車が良いということで、トライアスロン用のアルミフレームバイクが、意外にリーズナブルに買えることがわかり、がぜんやる気が出てきました。
一見カテゴリーAに見えますが、テルミさんが、鉛バッテリーは重くてイヤだということだったので、野村商会のリチウムイオンバッテリーを搭載して、カテゴリーBでの出走となりました。

20120729 - WGC 2012 AKITA

木村:みんなワールド・ソーラー・ラリー/バイシクル・レースとか大会名を呼びそうですが、昨年は大会20周年と言うことで、大会名称も変わりワールド・グリーン・チャレンジとなってます。20周年を記念して、日野レンジャーハイブリッドと共に、Tokai Challengerも持っていって、ソラえもん号とツーショットで展示をしてきましたよ。

池上:ソラえもん号は、今、誰が管理しているんだ?

木村:大阪産業大ですね。秋田の後、霞ヶ関の文科省でも展示していましたね。ソラえもんは、相変わらず人気が高いです。4輪化でやる気をなくしたあかつきには、私もピカチュウか何かでつくれないかと考えていますよ。ピカチュウいいなぁ。優勝とかそういう世界から離れたら、最後はそういうところに行きたいですね。

池上:でも、今度のレギュレーションに適合しないから、ピカチュウ型の車体は作りにくいですね。

木村:そう、視界を確保しようとすると、ピカチュウ型にはできないですね。あとはレギュレーションを満たしそうなキャラクターを探さないと。

木村:秋田の燃料電池/ソーラーカーのレースで、総合優勝は燃料電池と太陽光発電ハイブリッドの玉川大ですが、ソーラーカー部門では、工学院大が優勝ですね。形状はサレジオ高専と同じような感じ。少しいじるとオーストラリアの新レギュレーションに適応するらしいので、今年のWSC出場を考えているんじゃないですか?

池上:なるほど、そこか。今年のWSCは、その工学院、金沢工大、沖縄、神奈川工科大あたりが出場を計画しているようです。沖縄は、今の車体を大改造して4輪にするつもりらしいけど・・・

木村:それは一から作り直さないとダメなんじゃ無いの?芦屋と大阪工業大は難しそう。堺市立も野望はあるらしいけど、どうなるか。

佐川:あと、もう一チーム、忘れてはならないチームがもう一つありますよ。

木村:そうか、篠塚さんのところか。

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【ソーラーカーレース鈴鹿】

BackNumber〜2012鈴鹿 http://www.zdp.co.jp/2012/2012suzuka1.html

20120804 - SUZUKA 2012 Day2

S:昨年の優勝はOSUでしたね。

木村:さすがに3台出すのは、芦屋の戦力からすると多すぎたんじゃ無いの?

S:だいたい Sky Ace V(ファイブ)は、MPPTを動作させていなかったらしいじゃないですか。オリンピアが総合3位というのは、一応画期的ですね。

木村:でもトリプルジャンクション積んでいるんだから、まともにカウントしてはいけないのでは?

池上:ちなみに、そのトリプルジャンクション確保するに、OBに声をかけて、一本ずつ資金を出してもらったらしい。

木村:その一本って、幾ら?

池上:一本って・・・一本じゃないですか?(笑)

木村:学生の一本は千円で、佐川君の一本は一万円ですし・・・

池上:私の一本は十万円なので、さらにその上の木村さんの一本ぐらいじゃないですか?

木村:だって、十万ぐらいじゃ、どうにもならないだろう。

池上:『三瀬は金が無いから出さなくて良い、その分働け』といわれていたらしい。

木村:三瀬君でお金無いんだ?
ドゥカティとかターボ仕様のS2000とか、長いレンズの一眼レフカメラをお持ちの、あの三瀬さんをもってしても、おまえは貧乏だと芦屋大では言われてしまうんだ。

佐川:恐ろしい。三瀬さんはお金ありますよね?

木村:佐川君よりは、あるんじゃ無いの?

佐川:確実にありますね。

S:ちょっと脱線してきたので、話を戻して、4位にチャレンジクラスの堺市立。

木村:これで、堺市立はソーラーカー製作講習会講師決定です。柏会の超小型新型MPPTは面白かったですね。これからはモジュール一枚に一個MPPTの時代だと。柏会も講習会講師決定です。

S:柏会は、最後に競っている最中にパンクでピットインし遅れてしまいましたが、エネルギー的には余裕があったと聞いています。優勝した堺市立は、レース中特に後半、中国から電話が、かかりっぱなしだったとか。

木村:某Oドライバー(ピンク)が2012年は中国出張で日本に戻れず、電話でほぼ実況中継でアドバイス。でも、当人がいないと、レースに勝てるというジンクスがあるとかないとか?

池上:でも、江東区は試走会でピンクに乗ってもらって、走行パターンをロガーで取らせてもらって、江東区の各ドライバーにその走行パターンを覚えてもらい、だいぶ消費が良くなりましたよ。

S:STEP江東は、ENJOYクラスで総合6位でしたね。表彰台まであと2LAP。

木村:ENJOYクラスは、平塚工科の白澤先生が転任された影響も出さずに三連覇。
オリンパスは、最後追いつけませんでしたね。3位は神奈川工科。平塚工科は、例によってエネルギー余りまくっているらしいですよ。

池上:江東区は、1周ショートカットしてしまっているんですよ、もったいない。それなければ、もう少し上位は行けたかな。

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【南アフリカ】

BackNumber〜2012秋1 http://www.zdp.co.jp/2012/2012autumn1.html

木村:開催3回目となる今回は、14チームも参加したので、ASCと同じ台数がエントリー。

S:いきなり訊きますけど、完走は、1台?2台?(笑)

木村:リアルには1台、東海大のみと言って良いと思います。ちなみに、夜、真っ暗の中、ソーラーカーが走って良いのかというところは、見解が分かれる所だと思いますので。

S:パリダカじゃないんだから。ソーラーカーレースのマインドからすると、潔くないですね。

木村:競技時間は、オーストラリアもそうですが日中の8時から17時とかで、南アのレギュレーションでも18時まででした。それを超えると、翌日のスタート時間が遅れるペナルティが加算されます。
しかし、ペナルティの記載があるということは、走る権利があるという解釈をしたチームもあって・・・。

池上:オーストラリアのレギュレーションは、競技時間後、30分以上超過しての走行はNGだったはずですが。

木村:南アのレギュレーションには、18時以降の夜は走ってはいけないという記述はありますが、その走行限界時刻に関する記述が無かったんですよ。一文入れておいた方が良いですよ。

S:まあ、そもそもでいったら、ソーラーカーレース(WSC相当)のアドベンチャークラスは、原則:賞典外扱いですよ。例えればWRC(世界ラリー選手権)のグループA時代に出走するグループBカーのようなものですから。
3位のチームは地元南アのチームでChallengeクラスの車体で1900km完走。

木村:これは立派です。悪天候に路面コンディションも悪く、2000mものアップダウンがある、きついあのコースだからこの結果ですが、オーストラリアのように平らなコースならば完走できるような車体でした。
でも悲しい話がありました、南アでは、2013年にオーストラリアにも出場できるからと思って、3輪のChallengeクラスのソーラーカーを作ったチームがけっこういました。しかし、ご存じのようにレギュレーションが替わってしまった為にNG。WSC2013のレギュレーションについては、現地でも『なんという事をしてくれたんだ』という意見はけっこうありました。

S:それはトルコでも聞きましたね。せっかく車体を作ったのに、この車体では次回のWSCに出場できない。お金持ちのチームは問題無いのかもしれないけど、頻繁にレギュレーションを変えるのは止めて欲しいと。

池上:みんなFacebookのWSC 2013 Teams Discussionとかに、文句書けば良いのに。何で書かないのだろう?

木村:ひどいのは飯塚先生ですよ。Facebook上では、『新しいチームにもチャンスができてこんなniceなレギュレーションはいいね』、ぐらいな事書いていましたけど、個人的に会ったときは、レギュレーションに対して文句を言っているんですから。

池上:飯塚先生は、『やばい視界が確保できない』と、昨日になって気がついたみたいですよ。11m先が見えれば良いと思っていたらしい。

木村:新レギュレーションではアイポイントから4m先の70cm上と下、つまりアイポイントが70cmだったら、4m先の地面が見えないといけない。3輪禁止もあんまりです。WGCに出てきた神奈川工科大もそうですが、南アでChallengeクラスの新車を作った不幸なチームたちがかわいそうです。

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【WSC2013に向けて】

S:2013年、東海大学はどうするのですか?

木村:今は、日本企業が大変な状況にありますが、2013年もなんとか新型車を作って出場し、三連覇を目指します。

S:新しいレギュレーションとなるチャレンジャークラスの車体設計は進んでいますか?

木村:やっていますよ。

籾井:誰が?

池上:誰が??

木村:僕ではない人が。それは池上さんとか、伊藤君とか大塚君とか、大勢で。
車体形状は、いろいろ可能性を検討していて、従来のセンターコックピットであったり、オフセットしたコックピットであったり、ケンブリッジ大のような丸い胴体に太陽電池が載った形状があったり。 CFD解析ソフトのSCRYU/Tetraで計算しまくっています。

池上:確実に言えるのは、すべての参加車が、とんでもなくかっこ悪くなるということですね。

木村:そして遅くなる。前回のWSCは7台しか完走できなかったけど、次はもっと減るかも?過去のBoCruiserやSolarWorld GTも、完走するまでのレベルに至っていませんし。

池上:オーロラのコンセプトモデルのようなかっこいい車にはなりません。あれもレギュレーションを満たしていません。キャノピーを巨大にするか、ドライバーの位置をもっと前に持ってこないと、視界が確保できません。

木村:なぜ4m先で70cm下を見せる必要があるんでしょうね?

池上:なぜでしょうね?前回よっぽど視界に問題があるチームがあったのかも。

S:スチュアートハイウェイを走るのならば、そこまでは必要無くていいんじゃない?

池上:スチュアートハイウェイを走るだけならばそれほど問題無いかな。東海大は気を遣っていてそんなにひどくは無いけど、ミシガンは相当見えないはず。Nunaはミシガンよりはまし。

木村:前回、車検でも視界ほとんどチェックしてませんからね。レギュレーションに書くからには、きちんと確認してもらわないと、困りますね。視界が不良な車が、車検をパスしてそちらの方が有利に走ってしまう、という事態になってしまうのですよ。

池上:アイポイントもそうですが、レギュレーションで一番イヤなのはISFの承認を得る事という表記がある。こんなのどうするんだろう。

木村:噂では、オリンピアクラスも全長が4.5mになって、チャレンジャークラスと互換性出す方向にしようとしているらしい。

池上:なぜかロールバーの規定が無くなっていて、5Gに耐えるということは規定されているけど、どうやって守るかが消えています。このレギュレーションのままで、今後もいけると思えないので、2年後、レギュレーションがまた変わりますよ、きっと。

S:それでも、東海大は作らないと行けないんだ。

木村:もしそうなら、また1回限りですよ。

佐川:とはいっても、これまでも実質1回限りだったじゃないですか。

木村:そうなんだけど、そういうことやっているから、疲弊しますね。

池上:(WSC Event Directorの)クリスさんに、かっこ悪い車両の絵を沢山送っておきますか?
クリスさんは以前『車両をかっこ悪くすると参加車も集まらないし、観光客も喜ばないから、オリンピアは倣わない』と、言っていたのですけどね。

木村:これだと、下手するとオリンピア以下になりますよね?

池上:そう。オリンピアとどっちが最悪か、究極の選択になります。前回のボーフム大ですら、新レギュレーションではNGです。

木村:視界の問題は、今年車検が始まったとたんに甘くなって、結局通してしまう、ということになると思うな。

池上:いろいろ見落としがあって作ってしまった車体でも、現地で今更直せないので、しょうがないから車検を通してしまうような事態が予想されますね。ステッカースペースの件も怪しいので、質問しておいた方が良いですね。

木村:そうなんですが、そういう質問に、ちゃんと答えてくれるかなぁ。

池上:ならばFacebookに書いてしまいましょう。あそこはクリスさんも見ているし。
ステッカースペースの件は、前回大会のレギュレーションにもあったけど、前回は後から『義務では無い』ということで、無くなっている。

木村:今回は2回目だからどうかとも思いますが、またやりそうなので、聞くだけ聞いた方がよいですかね。ちなみに、東海大は、今日の時点でまだエントリーをしていませんよ。

S:昨年は家電業界が辛い一年でしたが、太陽電池は、引き続きPanasonicのHITで大丈夫なんですか?

木村:大丈夫なはず、です。Panasonicはマレーシアの新工場も稼働し始めますので、間もなく新型HIT太陽電池が登場する予定です。今はマレーシア工場の立ち上げのために出張している津毛さんも、ソーラーカーレースを経験されましたので、今度はソーラーカーレースに適用しやすいHITをこっそり仕込んでおいてくれるとうれしいなあと、思っています。

池上:スバルのインプレッサが、ラリーで戦う為に開発されるように、PanasonicのHIT太陽電池も、WSCで勝つために設計され・・・。

木村:たぶんですが、たとえば、セルカットしやすい構造にするとかは、こっそり仕様に入れてもらっているんじゃないかと(笑)。

佐川:ちなみに、化合物太陽電池とシリコン太陽電池選択の件は、決着が付いていましたっけ?

木村:新レギュレーションになると、シリコンの優位性は薄れるので、化合物で勝負する可能性もでてきますね。ケンブリッジ大や、スポンサーの絡みでUmicoreあたりは、そちらを選択してくるのではないかな。でも、シリコンの方がまだ優位だと思います。

S:シャープは、研究室レベルではありますが、化合物太陽電池で世界最高の変換効率37.7%の発表をしていましたね。

木村:それは1cm角の一品ものでの話であって、その効率で1台分は無理ですが、今のシャープなら変換効率30%を超えるものを作る技術力は十分ありますね。しかし、家電もそうですが、いいもの作れても、買う人がいないと儲からないのが辛いところですが。

池上:海外生産の流れは仕方ないよね。ベアリングなどは日本のお家芸なんだけど、最近は日本製じゃなくて海外メーカー品の採用も増えてるからね。

木村:逆に言うと、それぐらいのモノを作れるところまでは来ているんだ。問題は、品質管理ですね。かつてコンピュータのアルミ電解コンデンサが中国製に切り替わった結果、数年後コンピュータが壊れまくったということもありましたから。

池上:そんなことがありましたね。太陽電池の場合、最新工場の最新設備で作れば歩留まりが良くなって、コストも安くなって、性能も上がるのでマレーシア製HITに期待ですね。


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【その他】

■ソーラーカーで公道を走る

20120408 - TEST RUN

木村:まず4月の新東名ですが、日本ではなかなかソーラーカーが公道を走る機会が無いということで、少しでも実績を作っておこうということで、NEXCO中日本さんにお願いをしたところ、快く引き受けて頂きまして、実現することができました。

佐川:もともとは、新東名のオープニングセレモニーを走るという野望があったとか・・・

木村:それは調整の中で、そのような話も出てきたのですが、ソーラーカーは天候が雨になるとデモンストレーションしにくいということで、結局今回の話に落ち着きました。次のチャンスがあれば、是非、開通式での走行をやらせていただきたいですね。今度のソーラーカーは4輪になるので、そうなると今よりは出しやすくなるかもしれませんね。

池上:お昼ご飯が良かった。テストランの拠点となったNEOPASA清水のフードコートが、オープン直前の試験営業中で、食べ放題でしたね。

木村:実際のテストランでは、勾配2%しかないほとんど直線のコースで、時速60、80、100km/hでの定常走行をさせていただきました。

佐川:データはとれました?

木村:良いデータがとれましたよ。皆さんほとんど見ていないと思いますが、Motor Fan Illustrated Vol.68に、グラフ入りで掲載されました。最初は、橋の継ぎ目にソーラーカーの細いタイヤが、ハマルのではないかと心配もしましたが、バイクも走ることができるくらいなので、ソーラーカーも全く問題も無く走行できました。

佐川:継ぎ目は止まって見た感じは、なかなかの迫力でしたね。段差もあるし、ソーラーカーがこの上を走り抜けて大丈夫かなと心配にはなりました。

S:高速道路で止まって、路面や継ぎ目をまじまじと眺めるなんてことは、通常できませんからね。

木村:今回上り車線だけを使わせていただいたのですが、上り車線だけを往復しながらの計測では、帰りは逆走ですからね。高速道路を逆走するという絶対できない事を経験させていただいたのも貴重でした。
これを機に、交通量の少ないところでソーラーカーがレースに限らず、公道を走れるようになれば良いなと思っています。
秋には新潟の商店街の公道でも走ることができました。

S:あれは屋根が付いている普通の商店街だったのですか?速度はどれくらい出せました。

木村:アーケードのある商店街を閉鎖して走りました。最高速は30km/hですね。

S:ノリとしては、戸越銀座や武蔵小山の商店街を突っ切って走るような感じですかね?

木村:そうですね(笑)。ただ、普段のお客さんは少ないのかも。なので走行許可が下りたのかもしれないという感じでした。

S:地方の商店街の衰退については、様々な問題がありますから。

佐川:新潟のデモランについては、12月29日にTeNYテレビ新潟で15分の特番が放映されました。内容は未だ見ていませんが。


■ファラデーマジック3

木村:さて、今年こそ、ファラデーマジック3はできるのか?できないと思うけど(笑)。

S:ファラデーマジック3の話は、ここ数年座談会で、だいぶ続いていますね。

池上:今は、鈴木君と徳田君で製作するという話になっているんだっけ?

佐川:で、最近は加熱炉の話が、加熱していますよ。でも、もはや出る出る詐欺状態ですよ。

木村:籾井君も気をつけた方が良い。生産技術的にはブランクがあると危ないですよ。5年ぶりに作ろうとか思っても、そういえば、エコノムーブどうやってつくったっけ?という話になるから。

籾井:確かにBIZONあたりはNC加工機もあるし、生産技術は絶え間なく向上していそうですね。

池田:キットカーは数だけは出ていますよ。

S:今何台ぐらい作りました。

池田:もうすぐ2桁になるかな。材料だけならもうすでに50台ぐらいになるかな。

木村:そんなに出ているんですか?どこに出ているんですか?

池田:内緒。企業秘密です。

S:でも、キットカーを買うと、それを製作する池田さんまで付いてきますよ。

池田:昨年はキットカー作りに、熊本まで行って、福岡の大会で走らせるところまでやりました。ちゃんと走らせる人がいなかったから、『キットカーって、ちゃんと走るんですね』と、言われましたよ。


■銀幕デビュー

木村:踊る大捜査線Finalに、エキストラとしてTokai Challengerと共に出させていただきまして、これで野望がまた一つ達成できました。

S:見に行ってはいないのですが、どれくらい写っているんですか?

木村:序盤に時間としては、3秒ぐらいじゃないかな。見落としやすいです。日本科学未来館で撮影がありましたが、完全に背景ですから、見損ねる可能性があります。


■FTX4L-BS

木村:古河電池のバッテリーは、FTシリーズの品質改良版であるFTXシリーズが発売になりました。エコノムーブ戦では従来FT4L-BSが使われていましたが、昨年のNATSから、品質改良版のFTX4L-BSが使われることになりました。なので、今年のWEM秋田で籾井さんは、よりいっそうの記録向上が期待されるのではないかと。

籾井:それは、容量等公称は一緒だけど、新型の方が実力は出るということですか?

木村:そういうことですが、メーカーの方はあくまで品質向上と、表現していました。


■謎のソーラーパーツ屋

S:ニューメキシコ州に謎のソーラーパーツ屋がオープンしまして、Sunpowerのセルや、Panasonicのリチウムイオン電池を取り扱っているんですよ。皆さんにも、セールスのメールが来ませんでしたか?

http://www.solarcarsupply.com/

池田:メール来ましたね。さらに、あのショップでSunpower買ってみましたよ。

佐川:これは、アメリカ版野村商会ですか?

池田:運営母体は、UAV(無人航空機)の開発をやっている会社で、おそらく自分達でいい奴を選別して余ったモノを売っていると思われるんだけど、Sunpowerのセルなんかは、パッケージを見ると、フィリピンの工場で作ったものそのままが来る。

木村:うちにもメールがきました。見ると、Sunpowerのセルが1枚\1,000-ぐらいで買える。Panasonicのリチウムイオン電池も最新スペックのNCR18650Bが買えちゃう。それにしても、的確なところに、ダイレクトメールを打つものですね。

池田:たぶんus-Yahoo!のWSC MLあたりでアドレスを得ているんでしょう。
ちなみに、某社で直接取引ができないとかで、あのショップで売っているセルを、ZDP SHOPで輸入代行しようとしています。

S:今ならSunpowerは20% offで、ポチッとできますよ。

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今年も、よろしくお願い致します。(ZDP一同)

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