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北米最大のソーラーカーレース:American Solar Challenge (ASC) 2012が現在開催されている。公道レースとなる本大会は2年ごとに開催されており、今年のルートは総走行距離1650マイル(2655km)。北米大学の18チームがエントリーした。 競技は公道レースであるASCに先立ち、クローズドコースでの競技:Formula Sun Grand Prix (FSGP) 2012 が開催。FSGP自体は毎年開催されるが、ASC開催の年は、ASC出走への予選・スタビリティテストを兼ねる。FSGPの競技は Monticello Motor ClubのSouth Course(1周1.6マイル2.57km)にて、競技日は3日間、朝9時から6時までの間の周回数によって争われる。ASCに出場する車両は、原則このFSGPで1日に105ラップ以上の走行を行うか、2日の合計で160ラップの走行をクリアすることが求められる。 7月10-12日かけて行われたフォーミュラ・サン・グランプリ決勝に出走したチームは14台。そのうち12台が公道レースのASCへ駒を進めた。優勝は、昨年開催された豪大陸縦断レース:WSC2011で3位入賞のミシガン大(449周)。2位アイオワ州立大(426周)、3位にWestern Michigan大(366周)。MITは最終日に107ラップし、辛くもASCへの出場資格を手に入れた。 1日の展示日を挟んで公道レースのアメリカン・ソーラー・チャレンジは、7月14日にニューヨーク州のRochesterをスタート。ペンシルバニア州-オハイオ州-ミシガン州-インディアナ州-イリノイ州-ウィスコンシン州を経由。7月21日にミネソタ州第2の都市:セントポールに至る、8日間5区間(ステージ)の一般公道が競技区間となる。 現地時間7月20日、第4ステージ終了時点で、本大会4連覇通算7勝目がかかるミシガン大が39時間12分26秒のタイムで、後続と10時間以上のリードを築きトップ。2位争いではアイオワ州立大(50:05:21)、プリンシピア大(51:20:18)、カリフォルニア大学バークレー校(52:44:48) がそれぞれ1時間20分程度の差で並び、アクシデント次第では、まだ逆転の可能性も 残っている。最終第5ステージは、走行距離152マイル:245km。現在トップのミシガン大のゴール到着予定時刻は、現地時間21日午後1時30分頃、日本時間今晩深夜の予定。(s) 追記(2010/07/22):
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サウス・アフリカン・ソーラー・チャレンジ(SASC)は2008,2010年につづき、今回が3回目の開催。南アフリカの北東部に位置する首都:プレトリアを9月18日に出発。南アフリカを反時計回りに一周し、9月29日に再びプレトリアに戻る、全行程約5000km、高低差約2000mの一般公道で行われる。 東海大は、Pnasonic製HIT太陽電池・リチウムイオン蓄電池を搭載する2011年WSC優勝車:Tokai Challenger(2011)で参戦。大会3連覇を目指す。
本大会には、日本から前大会東海大ドライバーの篠塚氏が率いるチーム篠塚(シャーシは2008年出走のFALCONで東芝/Sunpower製セル搭載)や、本大会最大のライバルとなる事が予想される2011WSC2位入賞のオランダ Nuon Solar Team、南ア国内から7チーム、インド1チームのエントリーが確定。北米からも2チームの参加が現時点で調整中であり、これら予定通りの出走が実現した場合、これまで実質東海大1台のみの単独走行だった本大会で、初めての本格的な競技が行われることになる。(s)
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アジアとヨーロッパにまたがるトルコは、面積がおよそ日本の2倍、人口約7500万人の国。ソーラーカーに関して言えば、Wikipedia英語版のソーラーカーチーム一覧でのチーム数は、アメリカ、日本について世界第3位のソーラーカー大国である。 その第3のソーラーカー大国:トルコの原動力とも言えるのが、夏に開催される本大会:Fomura-Gだ。Fomura-Gは2005年から開催されているトルコ国内のソーラーカーレースで、トルコ科学技術研究会議:TUBITAKが主催。トルコ国内の大学チームが出場し、今年の参加台数は40台。ソーラーカー部門の他に、水素燃料電池を使用した燃料電池車部門も同時開催されていて、今年のソーラーカー部門の競技は7月14日に予選、15日に決勝が行われた。 レース時の天候は両日ともほぼ快晴。14日の予選は20台ずつの2グループで開催。競技時間30分間の周回数によって争われ、グループ1,2を合算した上位20台が、翌日の決勝に進むことができる。予選トップはDokuz Eylul Univ(18周)、2位にWSC2011出場のアナドル大SANANATOLIA(18周)。2006-8年優勝のイスタンブール工科大のARIBA-5は17周で3位のポジション。2011WSC8位、本大会3連覇中のイスタンブール大は黄色いトラックレース専用の車両:SOCRAT'12で出走。急ブレーキでタイヤをロックし、フロント2輪をパンクさせてしまうがタイヤ交換を実施し、コースに復帰し予選通過。2011WSC出場経験のあるSAITEMサカリヤ大のSaguar2は、走行中にカウルが外れかかるトラブルと、他車接触のペナルティを受け、予選敗退となった。 15日決勝レースはコースを20周約60kmのタイムを競う形式。気温は40℃に迫る快晴。イズミットがあるコジャエリ州知事や科学産業大臣も観戦する中、トルコ標準時13時12分、競技開始。スタートからGaziantep大学のORETRON 2が飛び出し、序盤をリード。しかし、予選のトラブルで11番グリッドからスタートしたイスタンブール大のSOCRAT'12が、徐々に順位を上げ、5周目付近で首位に浮上。そのまま最後まで逃げ切り、34分51秒08、平均速度は67.145km/hの記録で大会4連覇を達成した。2位は、終始安定した走りをみせたオレンジ色の車体:アナドル大のSANANATOLIA(+35秒66)。3位イスタンブール工科大のARIBA-5(+59秒47)。 ソーラーカーレースに引き続き燃料電池車レースの決勝も開催された。レースは、容量5Lの水素ボンベに150MPaの圧力で充填したものを3本搭載し、2250L以内の水素ガスを使用することで20周のタイムを競うもの。多くのチームは、カナダのBallard社の燃料電池Nexa Power Moduleや、中国のHorizon社の燃料電池を搭載していた。優勝はイスタンブール工科大(47分7秒)、2位はGaziantep大(48分16秒)、3位はアンカラ大(49分54秒)。(s) 関連リンク:
次回2013年開催の豪大陸縦断ソーラーカーレース: 2013 World Solar Challenge の大会概要・テクニカルレギュレーションが、大会公式サイトにて発表された。 2013年大会は、2013年10月6日にDarwinをスタート。例年通りAdelaideまでの一般公道:スチュアートハイウェイ3000kmで、競技は開催される。 テクニカルレギュレーションでは大きな変更があり、従来のChallnegeクラスは、Challengerクラスに改められ、全長を4500mm以下に制限。従来可能だった3輪は禁止となり、前後2輪ずつの4輪が義務化。太陽電池や蓄電池の規定については大きな変更は無いが、シート・視界・ブレーキ制動距離・灯火器等の安全規定については、市販一般自動車を対象とした国際規格であるUNECE準拠が基本となり、より一般市販車に近いレベルが要求されている。 今回発表されたレギュレーションでは、より一般市販車に近い車両を想定し、二人分のシートを備える Cruiser Class、2011年以前の車両規定及び日本のオリンピアクラスが対象となる Adventure Class、外部エネルギーの使用に制限が無く、低公害車のデモンストレーションを目的とした Evolution Class が規定されている。 UNECEに基づいた安全規定の適用については、従来大会運営の実情を考慮すると、厳密な適用には疑問が残る。 関連リンク: |
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