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BackNumber〜2010新春座談会

新春特別企画 - ZDP座談会2010

2010/01/01 00:00

新春特別企画、ZDPメンバーが1年の活動を振り返る『ZDP座談会』。昨年は、WEM優勝と、GGC優勝が重なった当たり年!その舞台裏を含めた、ぶっちゃけトークを、余すことなくお伝えします。

ご意見・ご感想・苦情は、こちらからお寄せください。今年は、ご意見・ご感想・苦情をいただいた方から抽選で一名様に、GGCのお土産、大会公式Tシャツ(OZサイズでS)をプレゼントします。
締め切りは1/15必着。どしどしお寄せ下さい。

目次



池上 敦哉
ヤマハ発動機(株)勤務。ZDPチーフエンジニア。Tokai Challenger/でんちくんシリーズを設計。
【タイ】

S:政情不安の影響も有り、中止に。

佐川:空港が閉鎖。仲間内では、空港閉鎖しているんだったら、滑走路でやれば良いんじゃないかとか冗談を言っていましたが・・・。

木村:日本からの参加は抜きに、タイ国内限定でレースを開催したという噂を聞いたんだけど、知らない?

池上:知らない。

池田:やったかもしれないね。現地の人に聞いてみましょうか?

池上:そういえば特電モーターは、何台かタイに出荷されてましたよね。

木村:日本勢は強すぎるから、もう少しタイ勢が成長してからじゃないと、面白くないという事かも。


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【秋田】

BackNumber〜2009春2(WEM) http://www.zdp.co.jp/2009/2009spring2.html


木村 英樹
東海大学工学部 教授。工学博士。

木村:籾井君、優勝、おめでとう!

S:予選では東海大は4位、Tachyonは途中、ウインドウが曇って停車したので、記録は10周止まり。

池上:結局、事前にテスト走行って行ったんだっけ?

籾井:行けませんでした。

S:ぶつけ本番?

籾井:現地で練習走行で、5、6周は走ったかな。でも以前と違うのは、初めてデータロガーで、計測をした事。ロガーだけは何台も買いながら、今回、初めて計測ができました。

木村:そういえば忘れもしない、ヤフオクで知らないうちに、籾井君と同じデータロガーの入札で、競っていた事があったな。

佐川:あの時ちょうど先生の横にいましたが、電話で『もしかしてこのXXXXというアカウントは籾井さんですか?』とか、そんな会話をしてましたよね。

木村:決勝レース中の展開では、辻岡にだまされたよ。取り乱し方がただ事ではなくて、どうしたんだと聞いたら、手を横に振りながら、ダメですよとか言って。

佐川:確かに回生は使えなかったから、演技ではなかったんだけど。

池上:ダメだと言っている割には、顔はニコニコして・・・

木村:これ以上無いような、動揺と緊張ぶりだった。うちは2周目の折り返し地点でコースアウトして一回停車していたんだけど、あのロスが無かったら勝負は微妙でしたよ。

池上:止まったわりには、その後のラップは普通でしたね。

木村:ドライバーが動揺して、ものすごいスピードで加速して追いつこうとしてしまった。飛ばしすぎ。この分が無ければ、勝負は違った結果になっていたかも。
一応、コースレコードは、まだ東海大が持っています。 15年間の大会を振り返ってみたけど、11回はZDP系で取っていますからね。あのAISIN AWも未だ秋田では勝った事がない。籾井君には、今年もしっかりがんばってもらわないと。

S:ファラデーマジック3は作らないんですか?

木村:一応作る計画もあって、適当にSP.Evolution. Scuderia みたいな車体を作る事はできるんだけど、どうしよう?(笑)


籾井 基之
(株)本田技術研究所 勤務。
Tachyon/モスラを設計。

池上:Tachyonは全長3mよりも短い。粘性抵抗が意外と大きい事に気がついて、表面積を小さくする為に、短い全長にしたの?

籾井:そこまで深くはないけど、ファラデーマジック2が全長3mであのA(前面投影面積)で空力が良いのならば、もっとAの小さな車体は全長も比例して短くできる、という程度の考えです。

木村:早稲田のゼフィランサスも全長が短かったけど?

籾井:ゼフィランサスは、タイヤが20インチでAがそのままだから、空力的にはそれほど良くなかったはず。

池上:じゃあ、単純にファラデーマジック2を一回り小さくしたという程度か?

籾井:そうですね。ファラデーマジック2は、横幅600mmで全長3000mで比が1:5、Tachyonは同530mm/2600mmなので、ほぼ同比を維持しています。
余り話をしてしまうと、講習会のネタバレになってしまうので・・・(笑)

池上:ソーラーカー(Tokai Challenger)のCFD(数値流体力学)の解析結果で言うと、空気抵抗の割合は、圧力抵抗(形状抵抗)が3で、粘性抵抗4ぐらいある。粘性抵抗は、実は半分よりも大きいんだよね。

木村:その結果からフィードバックすると、少なくともエコノムーブは、粘性抵抗の比率はそのくらいあるという事かな。形状抵抗で言えば、タイヤやキャノピーのような突起物が多いソーラーカーよりも、形状がシンプルなエコノムーブの方が、より小さいはずですよね。

池上:そう、だから粘性抵抗はバカにならない。

木村:何となくエンジニアの感で、実はファラデーマジックの1号機は、少し短めにしていました。全長が短い方が、横風にも有利だろうし。とにかく全体が小さければ、空気抵抗も小さいだろうしね。

池上:おっと、よい子のみんなにヒントを与えちゃったかな?

木村:Tachyonは、籾井君が乗る事になっていなければ、もっと小さな車体に出来ただろうに。

池上:レース前、秋田でヘルメットを小さくしたり、大変だったよね。

籾井:あれは、小さすぎて、殆ど乗り物になっていない。

木村:前は見えるの?

籾井:見えてはいるけど振動がひどくて。パッドを当てる余裕も無い、隙間が無いんだから。

S:ゴム1枚分も無いの?

籾井:無い。体が少し縮んで、馴染んでくるのを待つしかない。

池上:朝起きたては、体が長いから入らないとか?(笑)

S:まるで競泳用水着のようですね。

木村:後は見栄え。次回のレースは、スコッチカル貼って、お化粧するの?

籾井:それしないといけないですね。とりあえず途中まで銀色張ったので、そのまま銀色張ります。


池田 信
本職は『流しのレーシングカーデザイナー』。現在は(株)デコに勤務し編集業の傍らZDP事務局を担当。

S:去年のレースは、パテが丸出しだったもんね。

籾井:予選の時は、パテを隠す為に黒いガムテープを貼っていたんだけど、途中剥がれて、ひらひらして空力が悪くなりそうだから、本戦は全部それをはいだ。
そしたら、秋田朝日放送の人がはっきりとは言わないけど、若干渋い顔をしていた。

S:絵的にねぇ、修理途中みたいに見えるし・・・

木村:カーグラフィックの記事を書くときにも、つらかった。

籾井:一見、とても速い雰囲気ではないですからね。

木村:いや、速い雰囲気ではあるんだけど、某静岡のソーラーカーチームに似たツギハギな雰囲気が・・・。

佐川:私の母校の?

S:その某チームは、昨年FIAの表彰式でモナコに行ったそうですよ。バトンやローブと並んで写っている写真が、JAFのサイトに上がっていましたよ。
http://www.jaf.or.jp/profile/news/file/2009_37.htm

木村:FIA的には、オリンピアクラス優勝はすばらしい事らしいので。 Nunaも特別賞か何かで呼ばれたらしい。
http://www.nuonsolarteam.nl/2009/12/nuna5-bij-fia-awards-giving-gala/

籾井:車体制作は2年がかかりで、一昨年はボディで昨年は電気系の製作が中心だった。
車体製作の時は佐川君が東海大の学生を集めてくれたから、作業場で身動きができないくらいだった。

佐川:でも、木村先生には何も言うなと箝口令がしかれていて・・・

木村:そう、研究室の学生達も何も教えてくれないし、僕自身は籾井家の作業場出入り禁止。池上さんも、そうだったでしょ?

池上:そうそう、やっと去年の座談会の頃に、作業場に入れて初めて実物が見られた。


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【豊橋】

BackNumber〜2009夏1 http://www.zdp.co.jp/2009/2009summer1.html#a20090602


佐川 耕平
富士重工業(株) 勤務。東海大、東海翔洋高OB。Tokai Challengerドライバー。

木村:東海大は、出ましたよ。

池上:私が会社で一人寂しく泣きながら、Tokai Challengerの設計をしていたのに・・・。

木村:だから私は、ちゃんと池上さんの分まで・・・、

池上:鰻を食べてきた?

木村:おいしかったです。いや、それだけじゃなくて、ちゃんと放送席で解説もしました。
ただ一番残念なのは、昨年が最後で、今年は大会が無い。池上さんは、鰻だけでも食べに来るのかと思っていたのに。

池上:だって、そんな余裕無いもの!

籾井:丁度その頃は、CFDの計算が終わって、僕と池上さんの間で型のデータを全開でやりとりしていた頃。僕が切れたメールを送った頃ですね。

木村:いや、ソーラーカーのプロジェクトと、エコノムーブの木村研は別物ですから。

池上:そんな事言っていると、また籾井が切れますよ。(笑)

籾井:外から見たら、ソーラーカープロジェクトも木村研も、一緒じゃないですか!

佐川:一緒ですね。

木村:いや、木村研は木村研で、卒論を書かなければいけないんですよ。早稲田の永田研とエコランクラブが、それぞれ活動をしているようなもんですよ。

籾井:そうは言っても・・・

池上:その頃、私は籾井と電話しながら愚痴っていたんですよ、『東海大の車なのに、何で早稲田のメンバーが作っているんだ?オカシイ!』と。

佐川:あの頃は、まだ図面をCADで書いている最中で、製作の作業は無かった頃ですよね。電気系は一応やっていましたが、私も豊橋で鰻食べました。

木村:レースでは、会社から活動資金が出ずに秋田に来られなかったAISIN AWが、地元で出走し、優勝。東海大は4位で表彰台に登れず。

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【千葉NATS等】

BackNumber〜2009夏1 http://www.zdp.co.jp/2009/2009autumn1.html

籾井:新型モータコントローラが動いた事ぐらいかな。後はメータが全滅。バッテリー接続したら煙。電圧計、電流計死亡。動いていたのは、キャットアイのみ。ドライバーの須藤君、後はよろしくって感じ。

木村:で、何位になったの?

籾井:4位。

池上:そんな状態でも走っているんだ?

佐川:辻さんは、辻さん作の新型コントローラが動いたので、喜んでいましたよ。

池上:NATSは、結構GP戦上位チームがそろっていたようだね。

S:あの〜・・・、時系列的には、その前にWEM GP戦の菅生とEco car festaがあるんですが・・・

池上:これも誰も行っていない。

籾井:菅生は、バッテリー持ち込み有りという時点で、行く気が完全に失せた。まあ、それ以前にソーラーカーの製作でそれどころじゃなかったけど。
NATSは、もう少し大きなキャパシタを積めば良かったかな。みんな菅生並みに平滑用として搭載してきていたから。
モータのセッティングも、秋田用そのままだったからPWMで60%ぐらいに絞って使っていた。

池上:それで4位なら、まあまあじゃないか?

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【鈴鹿/秋田】

BackNumber〜2009夏1 http://www.zdp.co.jp/2009/2009summer1.html#a20090802



ZDP編集長。

S:鈴鹿も秋田も、今日のメンバーは、誰も行っていませんね。
あれ?秋田は、うちのサイトに結果ものせていなかったか!

池上:秋田のYさんが、Sがアップしてくれていないなーって思っているよ。

S:夏は副業が忙しくて、350時間/月ぐらい働いていたくらいなので・・・・ゴメンナサイ。大会公式サイトによると、優勝はオンディーヌ/燃料電池車ですね。3位はU-1、これ、どこだ?

池上:ユウイチ君、再輝の高崎さんとこだね。

木村:2位の呉港高等学校/夢創心は、ここで自信をつけて、オーストラリアに出場。

佐川:秋田は何台くらい走っていたんですか?

S:21台ですね。減ったなぁ。

木村:殆ど入賞ですね。秋田とオーストラリアと北米のサンレースは、世界3大ソーラーカーレースと言われていた時代もあったのに。

佐川:今や中東やトルコあたりで開催しているレースの方が、エントリー台数は多いですよ。

池上:結果を見ても、悲しくなってしまう台数だ。昔はずらーっとテントが並んでいて、賑やかだったのにね。

S:日程もお盆だったりして、余り良い時期ではないね。

池上:鈴鹿は、試走会には行ったかな。

木村:伝え聞く話によると、決勝両日は雨で、発電しない電気自動車レースとなり、それはそれで大変だったらしい。

S:OSUが、最後の1周で芦屋大を引き離して優勝。

木村:リチウムイオンポリマー電池で容量の勝ったOSUを、Team BIZONでエコノムーブのレース経験がある田村君がエネマネをして、勝利。
その電池でオーストラリアに行ったら、ところがPanasonic製のリチウムイオン電池の方が、もっと容量が多かった。

S:どこ製のリチウムイオンポリマーですか?

木村:それが、わからないんですよ。僕は未だ行き着いていません。Kokam社製では無いらしいけど。

佐川:Kokamの今入手可能な最新のタイプは、軍事用らしいですね。

池上:バッテリーの情報は、自動車業界的には極秘情報で、社内でも絶対に教えてくれない。
そして、チャレンジクラスでは、MAXSPEEDが、ダークホースから本当のホースになって、優勝。

S:でも、誰も見に行っていないんですよね?(笑)うちのサイトも写真をMAXSPEEDに、もらったくらいだし。

池上:なので今年、太陽エネルギー学会製作講習会として、MAXSPEEDがデビューです。

佐川:鈴鹿の大会も縮小傾向ですか?

木村:エントリー台数は余り変わっていない。前年との違いはENJOYクラスがIとIIで分かれたぐらいかな。

池上:ホンダが大会スポンサーとなるのは、今年までですね。

佐川:読売は、ZDPにメディアのオファーとか無かったんですか?

木村:特に何も無かったね。仮にオファー来ても、どっちみち行けなかっただろうし。

池上:関西講習会の討論会は、誰かが仕組んだんですか?

木村:・・・予定していた大学チームに講師を引き受けてもらえなくて、一人枠が余っちゃったから、まー、討論会でもやろうかと。

池田:誰か、まな板に上りに来る人がいるの?

木村:いやいや、建設的な話をしようという趣旨です。

佐川:木村先生、オーストラリアで、オリンピアクラスの事、オーロラのデービッドと話をしていませんでした?

木村:デービッド曰く『オリンピアクラス?良いんじゃないの、俺はやらないけど。』(笑)

池上:オーロラはシートアングルもごまかし放題だしね。

木村:オーストラリアは、チャレンジクラスで十分だと、デービッドは言っていたよ。

池上:オーストラリアのチャレンジクラスね!

木村:あっ?やべ! MAXSPEEDもチャレンジクラス優勝だよ。

池上:そのチャレンジクラスの違いは、講習会で、よーく、言っておかないとね。(笑)


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【オーストラリア(Global Green Challenge) 】

BackNumber〜2009GGC2 http://www.zdp.co.jp/2009/2009wsc2.html
BackNumber〜2009GGC1 http://www.zdp.co.jp/2009/2009wsc.html

佐川:結果から言えば、良かったんですが。

木村:結果が良かったから、もういいよ。

池上:結果が悪かったら、どんな雰囲気になっていたんだろうな。『木村さんが暢気だから、ダメなんですよ!』とか、罵りあったりとか・・・

籾井:口をきかないとか・・・。

佐川:まず、今日の座談会が無くなっていたんじゃないですか?(笑)

木村:去年の籾井君のように『この場をお借りして、皆様には、お礼とお詫びを申し上げたい』とか言ってみたり。

佐川:池上さんが設計を始めたのは、いつ頃ですか?

池上:3月下旬頃。その頃から、シャープからすごい太陽電池が提供されるという話に。

S:そこから始まったんですね。

木村:篠塚さんは、シャープから太陽電池を提供してもらうというところまで話をつけてくれたんですよ。
最初はシリコンの変換効率20%程度の話だったんだけど、諸々の情勢から、衛星グレードの太陽電池を提供してもらえる事になった。
6m^2で1.8kW定格の変換効率30%の太陽電池パネル。

S:すごい太陽電池だけど、事前に公表された他チームのスペックだと、変換効率34%とか30%以上がいたから、順当に行ったら、順位的には表彰台がぎりぎりかなと、予想していた。

池上:そう、だから他のチームのスペックを聞いた時は、無駄働きで無駄死にかよと、かなり気分が落ち込んだ。

木村:優勝は難しいけど、そこそこ戦えない事は無いかなと思っていた。少なくとも、背水の陣で望めば、ダンマラまではついて行けるかなと。
そして、ここから大変な事が始まるんですよ。

池上:太陽電池は決まったから、学生に、ところで車体の設計はどうなっているんだと聞いたら、

『ハイ、これです!』

と、私が2008年12月にダメだしをしたスケッチ画が、そのまんま出てきた。 3ヶ月の間、いったい何をしていたのか? 12月頃に立てていたスケジュールや担当分けの状況を確認したら、

『全部忘れていもらっていいです!』

とか言うんだ!(笑)なんだよそれ!

S:池上さんは、車体の設計について単に指導をする事になっていたんですか?それとも、全てやる事になっていたんですか?

池上:本来は指導だったけど、しょうがないから、全部その時点で巻き取った。

木村:実際に図面を引き出したのは5月で、最初は、学生の設計に赤ペンを3回入れて修正するという話だったが、いきなり赤ペンで設計が始まったというような状況。

S:5月に引き出して、良く間に合いましたね。

木村:間に合わなくなるリスクはわかっていたんだけど、良いセルも空力が悪いと死んでしまうので、空力解析にぎりぎりの時間を費やした。

池上:空力解析は、結局5月の終わりぐらいまでやっていたかな。

籾井:型を作る直前までやっていましたよね。

池上:セルを配置したり両端のRをとったりした設計の最終段階で、両幅をあと25mm削ってくれとか無茶言って、籾井には、本当に申し訳ない事をした。(笑)

S:CAD上のボディー設計作業で、二人の分担は、どんな感じだったんですか?

籾井:ボディ全体の骨格と大まかな設計は池上さんで、それにあわせて最終的なきれいな面を張り直したり、型にする為の型割とかをするのが、僕の作業。

佐川:それで25mm変更とか簡単に言うけど、これが大変な作業なんですよ。

木村:太陽電池の仕様が決まって、電気系もだいたい内容が決まってきて、MPPTがとんでもない数になるのがわかったのもその頃。

S:24チャンネル?

木村:まあホンダもそんな数でしたね。MPPTは小山高専/産総研の新開発で、あれも結構ぎりぎりでしたね。

池上:MPPTについては、プロにお任せすれば、大丈夫だと思っていました。レース中は、FETが剥がれかかりましたが、一系統壊れても被害が全体の1/24で助かった。

木村:Nunaは、初日1/3が発電しなかったらしいですね。Nunaのセルのモジューリングはよく見るとすごいですよ。一つのモジュールがデカイの。
モーターのスピード設定は大変でした。だって、根拠無いんだから。池上さんのCFDによるCdA値が0.13m^2で、2000W投入で、計算上は、時速96km/hにしかならないんだ。
で、ミツバさんにセッティングが95km/hモータを作ってもらった。でも、もしかしたらもう少し出ちゃうかもと思って、100km/hのモータも作った。

S:プレスリリースには、『100km/hで走る』と、書いていませんでしたか?

木村:いや『目指す』と書いていたんですよ。心の中では100km/hと言わなければいけないと思っていたんだけど、計算上は95km/hしか出ない。だから最初のプレスリリースには、太陽での巡航速度が95km/hとした。

池上:少し控えめに公表していたんですね。

木村:だって、あの計算上のCdA値しか、心のよりどころが無いんだもの。プレスリリース出すときには、秋田で試走すらしていないんだから。
皆に、インパクトがあるから100km/hで走行と言えないのか?と、いわれたけど、計算上はああだから、『100km/hを目指す』と言ったんです。(笑)

池上:今にしてみれば、NunaもUmicoreも、大嘘つきですよね。

木村:大嘘つきだよ!だいたい、変換効率34%が大嘘だよ!

池上:車体にしても、前大会の車体がCdAで0.1m^2で、2チームとも今回の車体は、さらに25%改善しているとか言っていて、どうやって改善しているんだよ!?と、いいたい。

木村:Tokai ChallengerのCdAは、実測で約0.11m^2で優秀ですよ。これで空気抵抗が計算よりもぐっと減って、巡航速度110km/hで、平均速度100km/h。
結論から言うと、100km/hモーターを作っておいて、本当に良かった。

佐川:いやー、でも、走るまでが辛かった・・・。先生ともケンカしましたね、メーター系の数字が正しい値を表示しないとかで。

木村:あー、そう?僕はあんまり腹立っていなかったけどね。

佐川:僕は、腹立ちましたよ!

木村:ほら、ケンカって、両方が腹立っていないとできないものだから。(笑)
だから、あれはケンカではなく、佐川君の一方的な言いがかりだよ。

佐川:僕の、一方的な言いがかりですか・・・?

木村:でたらめな数字が出るって、事実をいったら、怒っちゃうんだからさぁ。

S:まあまあ。

木村:蓄電池は、学生だけでPanasonicから、提供してもらいましたよ。

佐川:たまたま、Panasonicでリチウムイオン電池を作っているおじさんがいる子が、たまたま東海大に入学し、たまたまチャレンジセンターに入ってきた。
で、同時期に、たまたまMITがリチウムイオン電池を提供してもらう交渉をしていて、じゃあ東海大にも出そうということになったみたい。
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn090731-1/jn090731-1.html

池上:その運が、すごいですね。

木村:メル・ギブソンが出ているサインという映画のようでしたね。

池上:映画の内容を良く覚えていないのですが・・・

木村:グローバル・グリーン・チャレンジ優勝の為に、様々な奇跡が起こったような感じです。

池上:映画は、最後は期待はずれだったような・・・

木村:まあいいです。とにかく、今まで日本でリチウムイオン電池をレース用に調達する事は本当に大変だったけど、とにかく調達できてよかった。

佐川:一時は台湾からの調達も考えていましたよね。

池上:バッテリーモジューリングでは、和歌山紀北の藪下先生にお世話になりました。鈴鹿が終わった後の夏休み、スポット溶接機持参で東海大に来て、バッテリーのモジューリングの指導をしてくれた。

木村:Panasonicのリチウムイオン電池のスペックは、今回使ったのは2.9Ahの仕様ですが、すでに3.1Ahが発売されていて、ロードマップでは3.4Ahも予定されている。2年後はそれが使えたらうれしいな。
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn091218-1/jn091218-1.html
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn091225-1/jn091225-1.html

S:太陽電池は、シャープさんが35.8%を発表していたから、2年後は、あれが欲しいですね。
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/091022-a.html

木村:あの発表は、嘘つき34%に腹立を立てたわけでもないんだろうけど、発表したタイミングが、オーストラリアの直前だった。
ソーラーカーに張る場合、面積が広くなるから35.8%は無いだろうけど、それこそ34%を目指したいですね。

池上:バッテリーもトラブらなくてよかった。燃える夢を何度も見たんですよ。

木村:私もバッテリーが壊れる夢を見ましたよ。バッテリーを過充電すると甘い臭いがするんだけど、夢の中でもその臭いがした。夢の中でも、臭いは感じるんだね。

S:結局、東海大のシャープ製太陽電池は、チャレンジクラスの発電量トップだったんですよね?

木村:そうだと思います。というのは、うちはレース中1800W発電したんだけど?と、ゴール地点で話をしたら、NunaもUmicoreもミシガン大もみんな、自分達より発電していると言っていたから。
でもみんな、『変換効率30%以上』とか、言っていたのにね。

池上:嘘ばっかりだ。

木村:他チームのモータの効率も、97%って書いてあるんだけど。

池上:これも嘘っぱち?

木村:CSIROだから、ここは余り嘘は無いと思っているんだけど。

S:レース中のエネルギーマネージメント的にはどうでしたか?

佐川:3日目の朝は余らせちゃって、パネルを水平にして充電をやめているところをNunaの偵察隊に見られた。
『おまえら、なんで充電していないんだ?』って、だから、『We need shadow』とか言って・・・。

木村:初日はまだ良かったんだけど、だんだんずれて来ちゃって。
積算計自体の動作は問題なかったんだけど、モータコントローラが起動すると、どうも発電量が少なめに記録される現象が出て、それがずれの原因に。

池上:今度の講習会では、その値は補正されて出てくるんですか?

木村:はい。だから、確かに余りますね・・・という話になる予定。
結果論から言えば、2日目の砂嵐で減速する必要はなかったかな。
2日目午後、アリススプリングスでの充電が良く入った。そして夕方も、気持ちイイくらい入ったんですよ。
あの夕方の段階で、明日晴れたら困るかなと思ったら、やっぱり晴れちゃった。

池上:あとはサウス・オーストラリア州に入って制限速度が110km/hとなるから、もう使い切れない。

木村:アデレードにゴールしたときは、なんせバッテリーが40%以上残っているんだから。
そういえば、Nunaとミシガンがデッドヒートしていた時、Nunaは110km/hを超えて追い抜いていったと、ミシガン大が言っていたな。

20091028 - 2009 GGC Day4

池上:じゃあ、ペナルティじゃないか。

S:そうだよね。サウスオーストラリアの110km/h制限のところで、平均時速が100km/hに近いソーラーカー同士が良くバトルできたなと、思っていた。特にポートオーガスタ以南なんて、交通量も多いし。

木村:それをまた、ミシガン大が抜き返すんですよ。

S:それも110km/h以上かな?

木村:それは110km/h出したとは、ミシガン大は言っていなかった。(笑)

佐川:東海大は、法定速度厳守でしたよ。

木村:ところがデータロガーによるとSZドライバーが、出しちゃったんですよ、パンクの後とかに。

池上:制限速度を超えていましたっけ?

木村:我々が乗っている司令車が追いつくまでのちょっとの間ですけど。少しでも挽回しようと思ったんですかね。

池上:SZさんは、自分では記録は狙っちゃダメだとか、言っていたのに。

籾井:俺様は良いんだと。池上さん以上ですね。

池上:どういう事?

籾井:俺様っぷりが(笑)

木村:俺様といえば、ZDPのゴールのインタビュービデオを、GGCのトップページに張るのはやめようよ。(笑)

S:別に積極的に映像を提供したわけではなく、大会本部がYouTubeからダウンロードして、勝手に掲載しているから、うちではどうしようもない。

佐川:このまま次の大会の2年後ぐらいまで、変わらないんじゃないですか?

S:映像だけを見る限り、走行しているソーラーカーやゴールシーン、大会主催者に勝利者インタビューが写っているから使っているんだろうけど、誰か『オレ様』を翻訳して、英語の字幕をつけてみてくれないかな。あのインタビュー見た仕事場の人とかに、何か言われませんでしたか?

木村:周りの人は何か言いたそうだけど、一応知らないふりをしてくれている。

池上:うちもそんな感じ。あぁ、でも、一人だけ『レース、楽勝だったんですか?』って言ってきた人がいたかな。
大したトラブルが無くて、本当に良かった。幸いうちは、パンク1回しか無かったから良かったけど、
あのミシュランの新しいタイヤはパンクしやすいんじゃないかな。

木村:前のと変わらないんじゃないの?

池上:単純に言うと、幅が広いからパンクのリスクが大きい。ゴムは厚いけど、前より決して強くなさそうですよ。

木村:じゃあダンロップの方が強いかというと、そうでもないでしょう?

池上:いや、ダンロップはバイアスで異物がはじかれるから、意外にパンクしない。でも、幅の広いミシュランラジアルは異物を乗り越えてしまうので、パンクしてしまう。

木村:そういえば、ミシュランのプレスリリースにOSUがミシュランを使っている事になっているけど、新しいタイヤは太くなっているので、同じホイールハウスにはそのままでは入らないはずだけど、本当に履いていたのかな?

■エンジニアは神様がお好き?

S:秋田でTachyonに張ったお守りが、東郷神社。そしてTachyonが優勝。
東郷神社は、日露戦争当時、世界最強と呼ばれたバルチック艦隊を、奇抜な戦術で破った東郷平八郎が、まつられている神社ですね。

池上:東郷神社って、どこにあるんだっけ?

木村:原宿ですね。竹下通りの裏ぐらい。初詣に行った方が良いですかね。

池上:私今回オーストラリア行く前に、神田明神の賽銭箱に1万円を放り込んできましたよ。

籾井:東郷様は、秋田で何か破壊しましたっけ?

木村:うちがコースアウトしたし、BIZONやミツバのモーターコントローラ壊した。
あとはAISIN AWが資金不足で秋田に来られなかったのも、元を正せば、サブプライム問題で世界経済を破壊させた事によるから・・・。

籾井:それはまたずいぶんと、大がかりですね。ずいぶんと、やってくれたもんだ。

木村:そして10月、GGC出発直前。籾井君のお母さんが大安吉日に東郷神社に行って、なんと遠征メンバー人数分のお守りを買ってきていただきました。

S:その買った日が10/4。その日遠く離れたオーストラリアで・・・

籾井:Nunaがクラッシュ。

木村:実際は大会に間に合ったから、大ダメージはなかったかもしれないけどね。

池上:クラッシュした割には、綺麗でしたね。修復した跡が、殆ど無かったし。ステッカーの類も継ぎ目無かったですよ。
ステッカーは、全部張った後、空力を考慮してクリアを一回吹いていますね。

木村:Nunaはデザインいいですよね、アート的に。車体もそうだし、ロゴとか、ホームページとかも。

S:レース中にYouTubeに上げていたビデオも、ハイビジョン撮影ですよ。あんなの編集できる機材、良く持ち歩いているな。

木村:NHK取材班曰く『NunaはNHKよりも新しいカメラを使っている。』プロ用機材でXDCAMだっけ?

S:XDCAMなら安いので100万とか200万円ぐらいしますよ。うちのカメラなんて2万5千円ですよ。

池上:やっぱりNunaのプロジェクト費用10億円は、ガセではなく、本当だったのか?

木村:アデレードのベルギービール屋で、Nunaは貸し切ってパーティーやっていましたからね。
しかもその時、『明日はおまえらが主催でやれ。金無かったらうちが出してやる。』とか言っていた。
本当にそれぐらい予算があるのかも。だってAzur Spaceの34%セルにGochermanモジューリングを買うくらいですからね。

佐川:話をお守りに、戻しますか。

籾井:結局Nunaは、クラッシュの影響は無かったんですかね?

木村:Nunaは、車体の修復は間に合ったけど、走り込みができなかったから、電気系のトラブルが出てしまった。

佐川:初日、ダーウィン市内で、まずNunaが止まって、さらにオーロラが止まっていた。

池上:スタートして30分たっていないですよね。

佐川:あれよあれよといううちに、東海大はトップに立ってしまった。

池上:正直、練習走行みたいで、余り盛り上がりは無かったな。

木村:NunaやAuroraを抜いたとき、これは一時的なものだと思っていなかった?

池上:まあね、でもそう簡単に追いつけないから、抜き返されるのは夕方ぐらいかと思っていた。

木村:そうですか?私はもっと早いと思っていました。ダーウィン-キャサリンの間でも、後ろからUmicoreとミシガンが110km/h以上で追い上げてきていた。
そんな状況だったので、キャサリンまでは何とか逃げ切れても、ダンマラまでは逃げ切れまいと思っていた。

S:そこでまた、奇跡が・・・(笑)。

木村:何の効果かわかりませんが、Umicore Inspireがクラッシュ。

S:あのビデオすごいですね!真横に林につっこんでいく。

池上:Umicoreのブログによると、レース後に彼らは、風洞試験で横風の影響を検証したみたいけど、これ、風じゃないですよ。どこかが先にひん曲がって、ステアリングが切れた状態になって、すっ飛んでいったんでしょう。

池田:何かモノコックから剥がれたんじゃないの?それか、何か折れたとか。

木村:たしかに風で流されたとかいう話じゃないね、これは。

池上:設計がダメですね。
サーキットでの予選の時、壊れかけていて応急処置をしたらしいけど、ガメラよりも足回りが華奢に見えます。

木村:(写真を見ながら)どこが最初にイッタんでしょうね。

池田:どれがイッテも不思議ではないな。

池上:もしかすると、予選で壊さなかったら、最後まで走り切れたかもしれないけど・・・。こんな攻めた設計しているのなら、サーキットで攻めちゃダメだよ。

池田:ハニカム構造モノコックのF1が出始めた頃なんか、1コーナーでブレーキングするとロアアームが根本からズボッと抜けて、胴体着陸状態で止まるなんてことがあったそうだけど(笑)。

木村:何となく2001年のTokai Spiritを思い出すな。あの車も剛性無くて走りにくい車でしたよ。Umicoreは、おそらく、スタートのダーウィンからキャサリンまではエースドライバーで走行し、その後、キャサリンにてセカンドドライバーに交代。慣れないセカンドドライバーは想定以上の110km/hで東海大を追い上げる事になって、あんな事になったんじゃないかな?

池上:がんばり過ぎちゃったんだろうね、Umicoreは。

S:でも、あれだけのクラッシュで、ドライバーは特に怪我が無く済んで、本当に良かった。

■www.zdp.co.jpのGGC裏話

S:今回、東海大の取材陣は充実していましたね。テレビはNHKと山梨放送がついているは、大学の広報も来ていて、即日にWebの記事をアップしていた。
うちはとにかく今を伝える事を最優先でやったけど、写真とビデオ撮影/編集、記事執筆も全部一人でというのは、無理がありますね。 良いシーンは一度きりだけど、それを写真で撮るべきかビデオで撮るべきか、いつも迷っていた。

佐川:メガネは飛んでいくし。

S:そうだ、それがあった。俺のメガネ、スチュアートハイウェイに散る。レース2日目、併走してのビデオ撮影中に、風圧でメガネが飛んでいった。今回の取材で最大のピンチ。後から修正がきかない動画中の字幕はこれであきらめた。
でも、冷静に考えたら、時速100km/hで顔を出したら、そりゃメガネぐらい飛ぶよなぁ。

池上:でもあれ、制限速度いっぱいでソーラーカーが走っているから、合法的には取材は難しいですよね。

木村:そうだね、路肩に車を止めてソーラーカーの写真をとったら、理論上はコントロールストップまでは、追いつけない。

S:だからますます撮影のチャンスが限られてくる。写真や動画をアップするタイミングも、携帯電話が常に入るわけではないので動画のサイズやツールを工夫して、コントロールストップ等のサービス圏内に入ったら、一気に上げられるようにしていました。制限速度+αで走っても、一度置いて行かれたら、追いつくのが大変ですから。

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【その他の話題】

■シャープのテレビコマーシャル

木村:正月に放映される、シャープのコマーシャルで、Tokai Challengerが出るらしい。全国で流されるようで、東京キー局では、以下の番組のCM枠で放映される。

日本テレビ
1/ 1 00:00-00:30 ダウンタウンのガキの使い年末SP3部
    20:50-21:00 TOKIO元旦SPとはじめてのおつかいの番組の間
1/ 2 20:55-21:05 日本人の教科書 開始前
1/ 3 18:00-20:54 イッテQ!SP

東京放送(TBS)
1/ 1 00:00-01:00 CDTV 年越しプレミアムライブ2009-2010
    17:45-22:54 SASUKE2010新春スペシャル
1/ 2 18:30-22:54 ザ・ドリームマッチ2010新春SP
1/ 3 18:30-20:54 あんたの夢をかなえたろかSP

フジテレビ
1/ 1 00:00-00:45 ジャニーズカウントダウン2009-2010
    17:50-21:00 第47回新春かくし芸大会2010
    21:00-23:30 新春レッドカーペットSP
1/ 2 19:00-20:54 新春ネプリーグSP
1/ 3 21:15-23:15 救命病棟24時SP

テレビ朝日
1/ 1 00:00-01:30 年越し雑学王
    21:00-23:30 相棒元旦SP
1/ 2 18:30-23:30 とんねるずのスポーツ王決定戦SP

佐川:一種類ですか?

木村:見ていないからどんなCMが流れるのか、よくわからない。上記番組の前後に流れるケースもあるようです。

追記:http://www.sharp.co.jp/products/cm/tv/cm100101_2/tv170.html

■今年のソーラーカーレース大会

木村:調べてみましたが、今年の北米大陸のレースは、スポンサーがGMの影響か、大会も縮小傾向みたいです。
以前は4000kmぐらい走行する大会が、1800kmぐらいしか走らない。なのに開催期間は変わらず1ヶ月ぐらい。
うち3日はサーキットで走る事になっている。

池上:ひどいなあ、ドサ回りみたいですね。

籾井:オーストラリアと同じペースで走ったら、2日で走りきれます。

木村:大学的にも6月は日程的にNGなので、不参加になりそうです。
もう一つ、南アフリカは開催されるらしいです。アフリカは治安も悪いしどうしようかと・・・
今回はNunaは行くみたい。オーストラリアからの帰りがけに、Nunaが、『お前らアフリカ来るのか?来たら負かしてやる!』って言っていたから。

池上:じゃあ、教えてあげないと。アフリカのレースで今日止まるポイントは、当日にならないとわからないぞ!って。
ところで、今、WSC/GGCの優勝カップって、どこに置いてあるんですか?

木村:大学に展示してありますよ

佐川:あの場所、置いてあった液晶テレビ(シャープ アクオス)が盗まれた場所ですよね。

池上:あのトロフィー盗まれたら、えらい事ですよ。

佐川:あの場所は、石油ストーブも盗まれていますからね。

S:そんな治安の悪い場所なんですか?気をつけてくださいね。
今年、東海大は、鈴鹿に出ないんですか?出られるのならば、ラストチャンスですよ、きっと。

木村:ドリームクラスは、製造年とかで出られないんじゃないの?

池上:オリンピアクラスで、出場すれば良いんじゃないですか?
FIAシートを、どーんと車体の真ん中に設置。リアタイヤをダブルタイヤにして4輪だと言い張って。
ドライバーは上半身が殆どカウルの上に出ているような姿勢で運転すれば・・・(笑)

木村:それ、いやだぁ・・・。重心高くて危ないじゃないですか。
それに、たとえ出られたとしても8m^2勢の餌食になりますよ。うちが1.8kW発電しても、芦屋やOSUは2kWの発電ですからね。
軽さも負けているし、コーナーリングは重視した設計になっていないし・・・。
かといって、秋田はエネルギーが使い切れないから、それはそれで危険すぎる。

池上:近寄らないでね〜。

木村:芦屋大とOSUは、ドライバー育成の為に、今年は秋田に出場するらしいですよ。

 

■エコ電気自動車増刷

木村:そういえば、エコ電気自動車がついに第4刷になるそうです。某自動車メーカーが社内のテキストとして買ってくれてるらしいですよ。
そして、待望の中国語版が間もなく発売されるとか。翻訳に苦戦しているらしい。

池上:確かに専門用語が多いからね。

佐川:先日台湾に行ったら、現地の学生が、日本語版のエコ電気自動車のしくみと製作で勉強している、と言われた。

木村:そうそう、これはまだレポートしていなかったけど、昨年12月に台湾の燃料電池の大会に行ってきたんですよ。
会場ではキムヒデに、女子学生がエコ電気自動車の本を持って『サイン下さい!』って、て来るんですよ!

池上:すごい、すごい!(笑)

木村:でしょ!ただし国立高雄応用科技大と南台科技大の学生限定なんだけど。顔は本に出ていないけど、名前は漢字だから読めるらしい。ちなみに、マジカル燃料電池君の台湾での表記は『神奇的燃料電池君』。

佐川:会場で隣チームの南台科大は、特電のモータがついていましたよ。

池田:それは山田先生が仲介してくれたものだね。でも、台湾からは直接ZDP SHOPに問い合わせも来ているよ。

佐川:台湾でも、ZDPのページを見ていると言っていましたね。

 

■業界うわさ話

木村:最近インターネットで、すごい記事見つけたんですよ。
ソラえもんが発展したのが、OSU ModelS'だという、GGCの記事があったんですよ。(笑)

池上:だいぶ色も変わっちゃって・・・

木村:ほほー、そうだったのかー、と。S'はソラえもんのSの事だったらしいですよ

池田:それ、この記事じゃないですか?
http://www.gizmodo.jp/2009/12/2009_21.html

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

池上:team BIZONの房間サンは、去年で引退ですよね?

木村:引退といいつつ、実は陰で新車を作っているんじゃないですか。
スバルの内田さんも、自称:隠居の身ですし、私も2008 WEM番組で引退と言いながら、2009年大会にも出てしまいましたから。

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

木村:亀吉さんがEco Car Festaで優勝したので、講習会のテキスト執筆をお願いしたんですよ。
その時、失礼ですが少人数でも、基本に忠実にやっていれば、勝てるという話でお願いできませんかと
依頼したんですよ。そしたら出てきた原稿のタイトルが、

『二人だけのエコノムーブ』

なんかもう、最後にハートマークがつきそうでしょう?
ちょっとこれはタイトルがやばそうだったので、適当に変えちゃいましたが。

S:トシヤンさんに依頼したら、『ひとりぼっちのエコノムーブ』になりますね。

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

木村:台湾は元気良いね。とにかく、人に活気があるよ。こりゃ負けますよ。

佐川:これで政治と経済がうまく動いていたら、日本は負けますね。

木村:こっちが疲れるくらい、どんどん質問とかしてくるし。
佐川君なんか調子に乗っていろいろ教えているけど、この技術流出で日本が将来負けるかもしれないな。

S:うちの親父、油圧のエンジニアなんだけど、定年退職した後、今中国に油圧技術を教えに行っていますよ。
最初は日本の会社に勤めて、日本で若者に技術を教えていたらしいけど、学ぶ姿勢とかが全然違うから、向こうの方が良いんだって。

池上:元ブリヂストンの高瀬さんは、今インドのタイヤメーカーに行っているらしいね。

木村:それは、日本の教育界が、ヤバイという事ですよ。根っこはどこかというと、ゆとり教育とか体罰禁止とかその辺りですね。
もう一つ言うと、これは佐川君にも言いたい事なんだけど、教員の威厳というものが無くなって、友達感覚になってしまった事があるんですよ。(笑)

池上:そりゃイカン。佐川君が、イカン。

佐川:ずいぶん、ちっちゃいところにきましたね。

木村:いやいや、全般的に学生が先生に対する口の利き方がおかしくなっているんですよ。

佐川:僕は、一応先生には、敬語を使っていますよ。

S:一応?

木村:わきまえてやっていれば良いんだけど、本当にそう思ってしまう人がいるんですよ。
学級崩壊とかモンスターペアレントとか、教育界では、あり得ない状況が起きている。
そして今、大学は、中学高校化していますから。学校に来ないと、家一軒一軒に電話しないといけないんですよ。

池田:今時の大学の先生も、大変だなぁ・・・・


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座談会収録の後は、二つの優勝を祝って、くす玉割と乾杯!

 

今年も、よろしくお願い致します。(ZDP一同)

2010/1/3追記:初詣に行ってきました。

東郷神社
神田明神

 

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