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オーストラリア大陸を縦断した探検家の名前のついた公道:スチュアートハイウェイ約3000kmで競われるソーラーカーレス:ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ2017開催まで、残り1ヶ月を切った。14回目の開催となる今回は、 30年目の記念大会となり、世界29の国から45チームがエントリーしている。 大会の車両規定(レギュレーション)は、技術の進歩により、年々速度を抑え安全性を高める方向へ改定されつづけているが、2017年では、太陽電池の面積が2015年までの最大6平米から4平米に縮小(シリコン単結晶の場合。化合物の場合3平米から2.64平米。)。その一方で、車体のサイズついては全長全幅とも拡大された為、車体形状の設計の自由度が高まることになった。 車輪の数については4輪が継承されたが、必要な面積の太陽電池をどのように配置するかにより、過去の上位勢でも従来のカタマラン(双胴)型と、モノハル(単胴)型の選択が分かれた。※ ※東海大学木村研究室の参戦ページが非常に詳しい。http://www.ei.u-tokai.ac.jp/kimura/kimura-lab/solarcar/2017bwsc.html また太陽電池の種類も、昨年までの主流の単結晶シリコン系(変換効率22-24%)4m2と、主に宇宙用の高効率な多接合化合物系(変換効率30-32%)2.64m2での総発電量での性能差が少なくなり、これも第2の選択項目となった。また、一般的に多接合化合物太陽電池は非常に高価だが、単結晶シリコン系と比較して、セル温度の高温下での変換効率低下が少なく、炎天下でセルの温度が高くなりやすいソーラーカーレースでは、有利に働くとも言われている。さらに絶対的な発電量だけではなく、太陽電池の面積を減らし車体全体を小型化することで、粘性抵抗的にも空力面で有利なボディーの設計が期待できる。 既に各チーム共SNS等で新車の発表を済ませている為、ここからは、競技の中心となるチャレンジャークラス参加各チームがどのような選択をしたのか、見ていこうとにしよう。
■カタマラン型-多接合化合物太陽電池派 2013,2015年と連覇を果たしているオランダNuna9 (Nuon Solar Team)は、手堅くこの形状を選択。 前回大会では、上位につけながらもペナルティで上位争いから脱落してしまったベルギーPUNCH2 (Punch Powertrain Solar Team)も、この形状。
■カタマラン型-シリコン系太陽電池派 チャレンジャークラスの全体としては、大多数のチームはこの形状-セルを選択。 Sunpowerと由来の深いスタンフォードも、シリコン系。 今回が2回目の参加となるHorizon 17(名工大ソーラーカー部)も、今回はカタマラン型の新車を作成。
■モノハル型-多接合化合物太陽電池派 ソーラーカーレース業界の老舗は、35%の変換効率の太陽電池を搭載し、ミシガン大史上最も小さく、高効率な14代目、Novum(ミシガン大)。やはり、さすがそうきたかという印象。
■モノハル型-シリコン系太陽電池派 エコノムーブやソーラーカーレース鈴鹿が開催されていて、モノハル型への抵抗は少ないと思われる日本からは、2017 Tokai Challenger(東海大学ソーラーカーチーム)。スポンサーの関係で、シリコン系しか選択できない東海大は、なんと開発段階の裏面電極型、HIT太陽電池を採用。 WING (工学院大学ソーラーチーム) 今回の最適解はいったいどれか? レースは10月8日、ダーウィンをスタートする。
■参考サイト 残念ながら筆者は今年、諸般の事情により、現地に行くことは叶わぬ夢となりそうだが、大会本部や各チームのSNSによる中継で、WSCを楽しみたい。(s) 2017 WORLD SOLAR CHALLENGE 大会公式サイト 2017 Bridgestone World Solar Challenge (ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ) Scientific Gems - World Solar Challenge 2017 Team List MostDece アデレードソーラーカー研究所
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