左はNo66熊本大学工学部のアップライトで、アルミ角パイプの溶接構造で製作されています。アップライトはサスペンションの取り付け点、ブレーキキャリパの取り付け点の精度を確保するために、アルミの削り出しで製作されることが多いですが、軽量にするためには肉抜き加工に手間がかかります。軽量構造の基本は、外形をなるべく大きく取って断面性能を確保しつつ薄肉化することですので、角パイプを上手に使うことで軽く、強い構造を比較的安価に製作することができます。たとえば35mm角アルミブロックを削って板厚8mmのコの字を作るより、肉厚3mmの40mm角パイプの方が剛性強度は20%増しでなおかつ40%の軽量化が可能です。
ただし、もし溶接に欠陥があって走行中にアップライトが破損すると自分がリタイヤするだけではなく他車を巻き込んだ事故になる可能性もありますので、最新の注意をもって製作してください。また、使用するアルミの材質も注意してください。
チャレンジクラスやエンジョイクラス上位のフレームは、マウンテンバイクやオートバイのアルミフレームに使われるアルミ溶接構造用のA7N01という材質を使っています。これは溶接しても強度低下がありませんが、No66の車体はアルミサッシ等に使われるA6063を使用していると思われます。これは溶接すると熱の影響で強度が1/3に低下しますのでその点を理解して設計してください。
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