BackNumber〜2010春2
2010WEM 本戦 ZDP Tachyon、15周完走で連覇
2010/05/04 16:00
2010 ワールド・エコノ・ムーブ、決勝。昨夜のうちに、雨は降ったようだが、コース開放の頃には、路面は完全にドライ。天候は曇りだが、雲の中の霧雨のような湿り気を感じる。気温は昨日より低い14度、海よりの風4-6m/sと昨日より少し弱めのコンディションで、決勝レース開始の午前11時を迎えた。
うっすらと霧がかかる中、レースはスタート。1周目からZero to Darwin Project/Tachyonが飛び出す。
Tachyonは序盤、7分30秒に迫るラップを繰り返し、2位に1分30秒以上のリードを築く。これに続くのはチーム・ヨイッショット!ミツバ/Hyper TESLA 10、first step AISIN AWつばさ/つばさ54号。この2台もラップは決して遅いわけではなく、7分台の速いラップで周回を重ねる。
その3台の後を走っていた燃料電池の東海大は7周目、モータコントローラが停止してしまうトラブルに見舞われる。コントローラの再起動でレースに復帰するが、これで1分以上のタイムロス。
さらにその後ろは、チームスーパーエナジー/GRIFFON、Zero to Darwin Project/マジカルでんちくん、アヒルエコパレーシング東郷/Pursuiter、Team ENDLESS/リボンGo!、チームトシヤン/T・J。いずれも8分台のラップタイムで、周回を重ねる。
10周目、3位ミツバの30秒前を行き、トップのTachyonに1分30秒の差をつけられていたfirst step AISIN AWが、ペースをアップ。1周15秒詰めるペースで、Tachyonとの差を詰めにかかる。しかし1分差まで近づいた所で、放電末期のペースダウンとなり、14周完了のコントロールラインでは、逆にTachyon1分48秒の差をつけられてしまう。
2時間のレース終了直前、Tachyonが姿を見せる。レース終了4秒前、Tachyonは15周目完了のコントロールラインを通過。昨年の自己記録を上回る90km超を走破し、本大会2連覇を達成した。(s)
2010 WEM 本戦結果 (モータとタイヤはZDP独自調査結果による)
順位
部門
No.
Team名
車名
周回数
走行距離(m)
モータ
タイヤ
1
鉛
1
Zero to Darwin Project
Tachyon
15
90,047.27
独自DD
14インチIRC
2
鉛
20
first step AISIN AW
つばさ54号
14
88,492.60
特電アモルファス
14インチIRC
3
鉛
28
チーム・ヨイッショット!ミツバ
Hyper TESLA 10
14
87,057.40
ミツバDD
14インチIRC
4
FC
200
東海大学チャレンジセンター
ファラデーマジック2
14
86,535.23※
特電アモルファス
20インチミシュランラジアル
5
鉛
8
アヒルエコパレーシング東郷
Pursuiter
13
83,894.46
ミツバDD
14インチIRC
6
鉛
7
チームトシヤン
T・J
13
83.716.00
ミツバDD
20インチIRC
7
鉛
21
Zero to Darwin Project
マジカルでんちくん
13
83,096.60
特電アモルファス
14インチIRC
8
鉛
3
Team ENDLESS
リボンGo!
13
82,864.17
特電アモルファス
14インチIRC
9
鉛
2
チームスーパーエナジー
GRIFFON
13
82,553.30
ミツバDD
14インチIRC
10
鉛
101
仙台工業高等学校定時制
不撓不屈03
13
79,930.50
ミツバDD
14インチIRC
※No.200東海大 水素超過使用により-2,231.51m減算
2010 WEM 本戦コントロールライン通過順位推移
注:本計測結果はZDP独自の計測結果の為公式記録ではありません
2010 WEM 本戦ラップタイム推移
注:本計測結果はZDP独自の計測結果の為公式記録ではありません
Zero to Darwin Project 籾井
『やったー!!! 去年はいろいろ言いたかったけど、今年はもうこの一言だけ。最後はバックミラー見て冷や冷やだったけど、コントロールラインで2分差だったの?』
first step AISIN AW 中村さん
『1周目少し遅れてしまったのは、予定どおりです。前半、少し飛ばしすぎてしまいました。しかし、また今回も2位か・・・』
チーム”ヨイショット!”ミツバ 齋藤さん
『スタート前のグリッド上で、DC-DCコンバータの故障が発覚。これを外して、キャパシタは、ただの並列接続で何とか走れただけ良かったかな。』
東海大 木村
『もう少しで、ミツバやアイシンを倒せたのに! 昨日よりもギヤ比を落として、積算計も余裕を見たのに、また今日も使いすぎてしまった。いやー、燃料電池は難しいね。』
アヒルエコパレーシング東郷 仲岡さん
『最後、追いつかれるんじゃないかと冷や冷やでしたよ。あともう少しで14周ですね。次はタイヤカバーとか空力パーツで記録をのばしますよ。』
チームトシヤン 佐藤さん
『昨日よりは、記録伸びたかな。』
Zero to Darwin Project 池上
『昨日壊れたモータコントローラは直せず、特電ノーマルコントローラに戻しました。あとは、タイヤ周りの穴を少しうめたぐらいかなぁ・・・・一応これで自己記録更新か。
それより、下ちゃん、今日の夕飯、何頼む?』
Team ENDLESS 本田さん
『昨年から600gの軽量化と、タイヤのシャッターで空力向上。これでうちは、バッテリーも全部使い切りましたよ。』
チームスーパーエナジー 田中さん
『うーん、全部ダメ・・・・』
仙台工業高等学校定時制 佐藤さん
『この車で最後のつもりだったけど、もう一台作りたくなってきました。次はタイヤ周りの空力改善をやってみたい。』
関連リンク:
WEM Live !!!(会場からのストリーミング中継) http://wem.jonasun.com/
2010WEM 大会公式サイト http://www2.ogata.or.jp/wem/10wem/10wem.htm
AABニュース:ワールドエコノムーブ 全国の技術者が競うエコカー
ワールド・エコノ・ムーブ開幕 大潟村|さきがけonTheWeb http://www.sakigake.jp/p/akita/topics.jsp?kc=20100504f
ZDP、鉛蓄電池クラス連覇 ワールド・エコノ・ムーブ|さきがけonTheWeb http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20100505c
TTDC でんきエコラン日記 http://ttdc.blog91.fc2.com/
zaikou's photostream:
練習 http://www.flickr.com/photos/27819301@N04/sets/72157623995018260/
予選 http://www.flickr.com/photos/27819301@N04/sets/72157623995095194/
決勝 http://www.flickr.com/photos/27819301@N04/sets/72157623995818132/
※本大会を取り扱ったblog、サイト等ありましたら、お知らせ下さい。(s)
2010WEM 公式練習 first step AISIN AWがTachyonを逆転
2010/05/03 18:30
2010 ワールド・エコノ・ムーブ、公式練習。
午後1時1分に、予定より1分遅れでスタート。上位勢はおおむね順調にスタートするが、燃料電池(FC)クラスで参戦の東海大は、コントローラがうまく起動せず出遅れてしまう。スタート時の天候は晴れ。気温17度。南西4-5m/s。レース中、空は徐々に雲が覆い始め、若干風が強くなる事はあったが、レース終了まで、雨に降られる事は無かった。
トップ集団にて1周目2周目とレースをリードしたのは、チームスーパーエナジー/GRIFFON。しかし、その後カウルが外れかかった為、2度のピットインで修理をした為、大きく順位を落としてしまう。
3周目にトップに立ったのは、Zero to Darwin Project/Tachyonだったが、4周目は後方からスタートしたミツバが、Tachyonより先にコントロールラインを通過。レース終盤まで、この2台がレースをリードする。Zero to Darwin Project/マジカルでんちくんは、レース序盤4位を走行していたが、コントローラのトラブルにより、早々と停止し、本日のレースを終えてしまう。
序盤若干出遅れたfirst step AISIN AW/つばさ54号は、トップ集団と変わらないペースを重ね、13周目には2位まで浮上。
本日は公式練習の為、バッテリーを温存し、ピット前で車を止めてしまうチームもでる中、レース終了まで10分を切り、Tachyonが14周目に入る。それに遅れる事1分50秒で、つばさ54号も最終周に入る。コントロールラインでのスピード差はそれほど見受けられなかったが、結局この差をつばさ54号が逆転。15周目の折り返し地点を過ぎた87.4kmの記録で、Tachyonに約500mの差をつけて、本日の公式練習トップを記録した。
燃料電池部門で出走した東海大/ファラデーマジック2は、走行距離では総合3位につけたが、公式通知で指定のあった、水素使用量を上回った為、減算のペナルティを受け、総合5位にとどまった。6位チーム・ヨイッショット!ミツバと7位アヒルエコパレーシング東郷は、共にピット前に車を停止しての順位。(s)
2010 WEM 公式練習結果 (モータとタイヤはZDP独自調査結果による)
順位
部門
No.
Team名
車名
周回数
走行距離(m)
モータ
タイヤ
1
鉛
20
first step AISIN AW
つばさ54号
14
87,441.70
特電アモルファス
14インチIRC
2
鉛
1
Zero to Darwin Project
Tachyon
14
86,808.10
独自DD
14インチIRC
3
鉛
7
チームトシヤン
T・J
13
83.043.15
ミツバDD
20インチIRC
4
鉛
3
Team ENDLESS
リボンGo!
13
81,057.60
特電アモルファス
14インチIRC
5
FC
200
東海大学チャレンジセンター
ファラデーマジック2
14
79,046.69※
特電アモルファス
20インチミシュランバイアス
6
鉛
28
チーム・ヨイッショット!ミツバ
Hyper TESLA 10
13
78,530.70
ミツバDD
14インチIRC
7
鉛
8
アヒルエコパレーシング東郷
Pursuiter
13
78,363.90
ミツバDD
14インチIRC
8
鉛
25
PROJECT MONO◇TTDC
MONO-XX
12
77,395.71
ミツバDD
14インチIRC
9
鉛
9
チーム スリップ ストリーム
SPACE CRAFT
12
77,071.50
特電筑波用
14インチIRC
10
鉛
101
仙台工業高等学校定時制
不撓不屈03
12
77,048.63
ミツバDD
14インチIRC
...
52
鉛
21
Zero to Darwin Project
マジカルでんちくん
6
39,260.50
特電アモルファス
14インチIRC
※No.200東海大 水素超過使用により6,231.51m減算
2010 WEM コントロールライン通過順位推移
注:本計測結果はZDP独自の計測結果の為公式記録ではありません
2010 WEM 公式練習ラップタイム推移
注:本計測結果はZDP独自の計測結果の為公式記録ではありません
first step AISIN AW 中村さん
『ギヤ比の選択を間違って、スピードが上げられなかった。500m差?明日は雨が良いな。』
Zero to Darwin Project 籾井
『ペースがめちゃくちゃで、走り方がダメ。最後は電圧が下がってきていたのとスクリーンも曇ってしまっていたので、レース終了2分前に車を止めました。明日の雨、どうなんでしょうね?』
チームトシヤン 佐藤さん
『今回はパンクせず、去年の記録を上回れたかな。車は去年と殆ど違いはないけど、ガムテのタイヤシャッターが効いたのかも。』
東海大 木村
『モーターや電池と違って、燃料電池の気持ちがわからない。水素の使用量は走行中はわからないから積算電流値で取り出す電流を目安に水素の使用量を推測して指示をしていたが、合わなかった。明日は今日よりも取り出す電力を押さえて、ペナルティを回避して記録向上を目指しますよ。
もうこうなったら、やけくそで、ミシュランラジアルタイヤも投入だぁ!』
チーム”ヨイショット!”ミツバ 齋藤さん
『今日はこんなもんかな。競技中、側道を走る車がいて、砂埃が多くて、まいったよ。』
アヒルエコパレーシング東郷 仲岡さん
『少し飛ばしすぎました。』
Zero to Darwin Project 池上
『明日の為、バッテリーを温存しました(嘘)。』
関連リンク:
WEM Live !!!(会場からのストリーミング中継) http://wem.jonasun.com/
2010WEM 大会公式サイト http://www2.ogata.or.jp/wem/10wem/10wem.htm
2010WEM フリー走行/大会事前情報
2010/05/02 19:00
2010 ワールド・エコノ・ムーブ(秋田県大潟村ソーラースポーツライン)。明日からの公式プログラムに先立ち、本日コースでは、一足先に大潟村に到着したチームによる、フリー走行が行われた。
本日の大潟村ソーラースポーツラインの天候は、朝の晴天から徐々に雲が多くなる空の下、終日6-8m/sの冷たい南西の強い風。地元の米農家の方によると、ここ数日、ようやく暖かくなってきたとは言うが、例年WEMの時期には見頃を過ぎていた村のソメイヨシノも、今年は今になってようやく満開になろうか、という状況。今年は休日の並びが良い事もあり、多数のチームが早めに大潟村に入り、車体の整備や試験走行を行っていた。
昨年優勝のZero to Darwin Project/Tachhyonは今年、改良型のモータコントローラを投入し、二連覇とさらなる記録向上を狙う。前大会でTachyonに敗れはしたが、それまで大会5連覇でコースレコードを持つ東海大チャレンジセンター/ファラデーマジック2は、鉛電池部門から燃料電池部門にスイッチ。鉛電池よりも多くのエネルギーを燃料電池から引き出す事で、両部門総合での優勝という予想外の目標を掲げ、ライバルとの直接対決を放棄。ところが、今日の時点で燃料電池での試走がトラブルにより、全くできず。同車は、エントリー上鉛電池部門にも登録がある事から、最悪明日の車検前に、鉛電池部門に再スイッチする可能性もある。
昨年3位のチーム”ヨイショット!”ミツバは、ライバル達に比べて劣るボディー性能を、モーター屋の意地の効率97%アモルファスコアDDWで、どこまでひっくり返せるのか注目。 2年ぶりに大潟村に登場の first step AISIN AW/つばさ54号は、ラップタイムの安定とモータの性能向上で、自己最高の90km突破15.5周走破を達成して、秋田での初優勝を目指す。 昨年2台体制で上位争いに食い込んできたTeam BIZONは今年、監督:房間氏のガレージが立て直しのため、活動休止中でエントリーは無い。
注目の新車として、アヒルエコパレーシング東郷 /Pursuiter 。14インチ+ミツバDDWのパッケージングで、仕上がりも非常に美しい。OSU大阪産業大学/九十九 は、前14インチ後20インチの変則的なレイアウトに特電アモルファス。設計者曰く、フロント形状はTachyon、リアはTeamBIZONにインスパイアされたとの事。
明日の公式練習は、本日と同じような天候が予想されている。しかし、明後日は今日の時点で予報によっては、雨も予想されており、降水確率も50%前後と比較的高く、微妙な状況。(s)
関連リンク:
WEM Live !!!(会場からのストリーミング中継) http://wem.jonasun.com/
2010WEM 大会公式サイト http://www2.ogata.or.jp/wem/10wem/10wem.htm
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