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キムヒデの豊橋エコテクノレース&エコハイレポート 2006/06/07 22:00

2006年シーズンもいよいよ本格化してきました。今回は、ものづくり産業が盛んで、花火や祭りなどのイベントに熱くなりやすい、愛知県豊橋からのレポートです。豊橋エコテクノレースは、今年で第8回を数える日本で3番目に古いエコ電気自動車レースです。ZDPの池上さんとキムヒデは大会実況中継のために豊橋にやってきました。そんな中で、走り回っての取材となり、草の中のクイに気づかず、大転倒しながらの取材も敢行しましたので、紹介しましょう。

 

ちなみに、右上の写真は豊橋のマスコット「TOYOCKY(トヨッキー)」。市制100周年を記念して生み出された鬼型ロボット。おそらく私は中に収まりそうにない。

二輪車部門
ENDLESSのSUPER OTAMAは昨年のエコテクノレースで、Debut to Winという鮮烈な登場を果たしました。このSUPER OTAMAの特徴は、なんといってもすばらしい空力ボディ。二輪では立てないことから、地面に足を付かなくてはならないので、底面に穴が空いている構造の車が多い。そんな中で、ジェット旅客機がタイヤを格納するように、足を格納する機構を持っていたのがSUPER OTAMA。ボディからちょこんと足がはみ出している様子が、足の生えかけたオタマジャクシに似ていることから、SUPER OTAMAと名付けられている。いきなり、よい子の夢をくじくようで申し訳ないが、中で乗車姿勢を保つのは大変で、ガムテープでヘルメットを支えている。

 

しかし、いいものはすぐに模倣されるのがレース業界、いや人間界に共通する定めです。今年は、RACING GANGのふーるプるーふが仰向けに乗車するライディングポジションの新型車を投入してきた。仰向けというとリカベントタイプの自転車が思い起こされるが、運転するのはそんなに甘いものではない。おそらく、first step AISIN AWのつばさ53号に匹敵するほどの高い運転技術を要求されるのではないだろうか? けっきょく1本橋をわたるスタビリティーテストをパスできなかったようであり、13周を走行したにもかかわらず、1周減算のペナルティを受け、2位に留まった。来年に期待が持たれますね。

 

また、性能的にがんばれそうだったのは豊橋JCエコカーレーシングチームのBonito。SUPER OTAMAよりも居住性を犠牲にした設計で、顔の前にフロントタイヤが付いている。ドライバーの人権を無視したものすごい窮屈なコンセプト。ZUNDO RACINGのCHECKER FROG 2号も空力的にがんばったカウルを採用。

 

おもしろそうなメカニズムとして目にとまったのは、 自転車競技チーム天狗党の南風2006。モータがリアに収まりきらなかった?ことから、FF方式を採用。ギヤドライブ化でコンパクトまとめられていることから、参考になるのでは?

エコハイ部門
電気自動車レースのの高校生限定部門がエコハイ。パナソニックのLC-P127R2Jという鉛バッテリと、変換効率85%のECO-HIGH用DCブラシモータが支給され、同一バッテリ、同一モータという条件下で1時間を走行するというもの。

 

池上さんが測定したこの鉛バッテリの放電カーブはこんな感じ。(クリックすれば拡大されます。)5A放電で60分はもつだろう。

燃料電池車部門
燃料電池部門では、金匠ぷりんのあ・ら・もーど E02/FC仕様のがんばりが今ひとつ足りず?TEAMプーヤンとその仲間たちのYOSOJIMARU・T92EVが3連覇を達成した(写真左)。キムヒデ的に惹かれたたのはチーム猫の黒猫(写真右)。すべての車輪にDDモータを組み込んだ3WD=AWDシステムを採用。意味があるのか?とたずねられるとなんともいえないが、思い入れは大切です。

 

三・四輪車部門
WEM GP戦に近いのが、三・四輪車部門。ここでの注目はT-Works+の新型車BLucky。ちなみに、豊橋創造大学T-WorksのしんがたMugenくんの前の旧型車はBlacky。aがuに変わりLuckyが入ってきた。外観はしんがたMugenくん大きなと同じ型であるが、内部はアルミパイプフレームからCFRPモノコック構造に変更されている。とくに目を引いたのはフロントステアリング機構。リンクがいっぱいで、ごにょごにょっと動く感じ。コーナリング時のロスを減らす構造とのことであるが、キムヒデにはよくわからないので、池上さんに聞いておきます。

SHIMADAのSEV-501PHXは二連覇がかかっており、手をゆるめるわけにはいかない。よく見るとタイヤスパッツが全輪に装着されていた。私が聞くのもなんなんですが、これって効くんですか?

 

お次は名門、長野工業工の14インチ新型車のS.P.Evolution ver.8(左)とBig Wave ver.7(右)。なんかカラーリング的に東海大学チャレンジセンターのファラデーマジック2っぽい雰囲気を感じるなぁ・・・。こうなったら、いっそのこと卒業したらうちで車を作ってみない?! Big Wave ver.7はよく見るとテール部分がOrca的な逆R絞りが入っていてこの辺が特徴的ですね。

 

豊橋名物といえるのが豊橋JCエコカーレーシングチーム。昨年のダンボルギーニ(写真左)での実績をもとに、今年はPetrari P55(写真右)をデビューさせた。型を作り、PET樹脂板を真空成型したカウルで、かなりつやつやしています。最後にはオープンカーに変化して走行しました。

 

MONO-XになぜT-Works+が破れたのか? それは、T-Works+のピットが移動中に周回数を1周数え忘れる大失態に原因があり、エネルギーを余らせてしまったらしい。「そこんなことでは、いかんぜよ」と池上尊師はお説教モードでした。

WEM GP
豊橋大会がWEM GP戦に加わらなかった最大の要因は、同一バッテリでなくても出場できることであった。今回は大きく分けて、PanasonicとHAEKERが目立っていた。高速化したレースの安全性を高めるために、昨年に比べ、5/6程度にエネルギー量を削減したにもかかわらず、2006年は同等以上の走行距離をたたき出していたので、主催者側にとってはうれしい誤算。最終的にはどうなるかはわかりませんが、来年は同一バッテリを搭載することでWEM GP戦に組み込まれる可能性が高いとみました。GP戦に加わった場合、出場台数が増加することが考えられるため、NATSサーキットなどで採用されたグループ分けを行った本戦などの開催形態になるのではないかと予想されます。いやぁ・・・それにしても、ひさびさにいろんな車体を見ることができて楽しかったです。(k)

 

豊橋エコテクノレース&エコハイの結果はこちら

 

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