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やぁ、みんな元気かい? 今回の豊田の大会は、first step AISIN AWのつばさ52号がZDPのスーパーモスラを破りみごとに優勝しました。ファラデーマジック2はトラブル、いやスランプかもです。ミラクルでんちくんもレース中にぶつかって180°を決めて12位でした。 燃料電池と合わせて100台を超える大きな大会となった本大会ですが、1周760mの短いコースではさすがに手狭で、電気自動車のGP戦は1時間のレースを3グループに分けて行うなど、全体として、慌ただしかったですね。 そんな中で、今回大きくレギュレーションが変更されたのが、まず1時間レースとなること。そして、加温(電気製品やバーナーを使ったもの)が禁止。車両重量が80kg以上。この3点がどのようにレースに影響するかが気になるところだ。2時間だったレースが1時間になることで、バッテリーの放電レートは2倍に高くなり、バッテリーから取り出せるエネルギーは減少するものと予想。 しかし、5月に行われた神戸の大会で支給されたバッテリでテストしてみると、条件にもよるが2.5〜2.7A程度の放電が可能であることが、確認できました。これならば、2時間レースよりも若干ペースが落ちるだけで済みそう。2003年の豊田大会ではZDPのスーパーモスラが103周で優勝していることもあり、1時間で50周+α程度の周回数になると予想しました。 大会会場に設けられた充電スペースでは、バッテリを充電している様子が見られましたが、スタイロフォームで保温しながら充電していたり、電流を多めに流して充電していたりと、各チームでそれなりの対応が見られた。なお、ホカロンなどに代表される使い捨てカイロをレース中に使うことは、今回は認められていたようです。 次に、80kgという車両総重量制。自動車レース業界からの発想のようですけど、人間の体重よりも軽いエコランカー業界にまで持ってくるのはいかがなものでしょうか? 優秀なエコランカーは20〜25kgの間にだいたい収まります。ということは、55〜60kg以下のドライバーが運転すれば調整バラストがほぼゼロで、80kgになります。仮に45kgの計量なドライバーがいれば、35kgの車体でも同じ80kgになり、転がり抵抗は同じになります。つまり、軽量化という省エネ自動車に重要な要件が無視されてしまうことになります。35kgと22kgでは、雲泥の差です。省エネルギー技術を競うレースとしては根幹に関わる状況です。 一方、某K引さんや私のような大きめの人間(たとえば70kg以上)が運転すると、人間だけでほとんど終わってしまい、どうやって車を作れというのか?という状況になります。空気で作れというのか? したがって、エンジニア的には非常にモチベーションを高めにくいレギュレーションであるといえます。もちろん、安全性を考え、重たいバラストの搭載量を減らしたいという大会の意向も理解できなくはありません。それならば、いっそのこと菅生のようにバラスト無しとか、NATSのようにドライバー55kgとした方がわかりやすいといえます。 ただし、ワールドという看板を背負う以上は、小柄な日本人に有利すぎるレギュレーションは導入できませんので、JIS規格の55kgも意見が分かれるところかもしれません。その点、バラスト無しはわかりやすいかもしれませんが、小型軽量ドライバーを捜し求めすぎるので、それはそれで問題が生じてきそうです。とにかく、総重量を一定以上にする方式は、「ドライバーの省エネ運転技量を競う」という目的にはいいかもしれませんが、少なくとも「省エネ技術の追求」にはあまり貢献しないといえそうです。とくに豊田スタジアムのコースは、他車をよける技術は必要かもしれませんが、本格的なコーナリングとかが無いので運転技量にも差が付きにくい状況です。その点、幸田のようなコースであれば運転技量やセッティング技術の勝負という要素も出てくるかもしれません。 今回の、大会で注目されたのはMONO-1の2号車「はなもとくん」。それにしても、またまた変な名前を付けてきたチームが登場しましたね。。。以前から書いていたことですが、大会がスポンサーを集めるときに提出する資料や報告書などに、このような名前があるとスポンサーはどういう風に感じるのか?よーく考えてほしい気持ちです。スポーツ競技など一生懸命に取り組んでいる姿に対して、スポンサーはお金を出してくれるが、遊びにつきあってお金を出してくれるスポンサーなんて、そんなにはいませんよ。出場者側の論理では、楽しい名前を付けたい気持ちはわかるけど、運営側やスポンサー企業の窓口になっている担当者の立場になって考えないと、資金繰りが厳しくなって大会そのものが無くなってしまうかもしれませんよ!! いちおう花本町(花元町?)という地名が由来らしいけど、ひらがなでなくても読めるでしょ。ちびまるこにも出てきそうな名前だし・・・。 さて、気になる形の方ですが、豊橋創造大T-Worksの「しんがたMUGENくん」の雌型を借りてきて作った同型車。中の方はカーボンモノコック構造になっているので、いちおう差別化されている。本音で言うと、せっかくいろいろなチームの車体データと調べていたようなので、オリジナルデザインで来てほしかったなぁ・・・。まぁ、型とかを起こすのは大変なことは事実ですけど、こういう部分こそ、やりがいがある部分だと思います。今回は、トラブルなどで成績を残せなかったですが、今後の活躍に期待が持たれるでしょう。個人的にはスクリーンが狭いので、安全性を保つには目視で真横(から少し後ろくらいまで)が見えるようにするべきだろうと思います。 さて、路面が荒くパンクしやすいことで有名な豊田スタジアムの周りのコースですが、first step AISIN AWはパンクに備えてウレタンチューブを大量に準備。芦田さんもいろんな意味でにこやかな表情でした。 会場を歩いていると、どこのチームとはいいませんが、なんか補修をしているチームがありました。よーく眺めていると、あっち行けみたいな感じでした・・・。チームメンバーの話だと、どうやらリアタイヤがカウルと干渉してしてしまったようです。レギュレーションの件ではS藤さんも消化試合と嘆いていたようですが、やはりモチベーションが足りなかったのかもしれません。 東海大学木村研究室のファラデーマジック2は、前回の神戸大会で雨に痛い目にあったので、今回はリアタイヤカバーを装着。しかし、無情にもコントローラのトランジスタブリッジの1つがハイサイドからローサイドにかけてMOSFETが短絡モードで故障してしまいました。浪越コントローラによる昇圧ブースト中だったのですが、スロットは全開でしたのでなんでだろう・・・。他にも問題があるようなので、かなり深刻です。好調な時期を過ぎスランプへの突入を予感させなくはないです。反省点として一ついえることは、勝負に対してセッティングなどの姿勢に厳しさが足りなかったということでしょう。 よくよく考えてみると、今回の豊田の3位までの車両は、すべてキャンバー付きでした。雨が外側(進行方向左側)に流れるように傾斜しているところで、右に曲がっていく場合には、キャンバーが付いていた方が走行抵抗が小さくなるのかもしれませんね?? ちなみに、優勝記録の52周は想定はしていましたが、それにしてもよく走るなぁ・・・というのが実感です。バッテリがかなりがんばってくれたことと80kgという重量制限によって軽量化が進んだこともその背景にあるでしょう。また、路面もだいぶ時間が経って擦れて、中央より外側はだいぶ石の角が丸まっていたようにも感じました。この辺の影響で、転がり抵抗が低減されて走行距離が伸びたのかもしれませんね。 9月17日14:00時点で、私は実は静岡市の清水にいました。現在、ひかりで西に移動中です。このレポートは名古屋駅でのぞみに乗り換える際にアップする予定です。その後、岡山を経由して香川県に移動し9月18日11:00から香川県で講演が入っています。9月18日中には菅生サーキットに到着できるようがんばります。ZDPのモスラの二連覇がかかっているので、注目ですね。(k) |
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