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キムヒデのEco Car Festa 2005レポート |
2005/05/26 20:00 |
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はじめに
WEM GPの第1戦となった秋田の大会から2週間ちょっとが経過したばかりですが、第2戦となるEco
Car Festa 2005が5月21、22日に開催されました。Eco Car Festaは2003年の舞洲からはじまり、2004年の湖東と続いてきました。今回の2005年は開港前の神戸空港が会場となりました。建設中の空港ターミナルの前が会場となったわけですが、携帯電話も繋がりにくい陸の孤島(いや、海の孤島の方が正しいのか?)。一波乱も二波乱もありそうな雰囲気です。この大会に、東海大学木村研究室からファラデーマジック2が出場しました。徹夜で移動し、神戸ポートアイランドには21日早朝に到着。さすがに眠いので歩道に銀マットを敷いて仮眠。オーストラリアに比べればもう楽勝、なんでもありです。さて、会場に着いてみて路面の見ると、いやーな感じがします。コースは、滑り止めのための筋が入ったコンクリート製で、タイヤへの負担が大きそうです。パンクが心配だなぁ・・・。
波乱を予想させる練習走行
21日のエコノムーブの走行練習はやってみてびっくり。ファラデーマジック2はさっそく左フロントタイヤをパンクさせてしまいます。2004 WEM用に作られた可動式スパッツはさっそく使い物にならなくなってしまいました。そして走行を終えてみると中からは大量の砂埃が・・・。海沿い(というよりも海の真ん中)の埋め立て地ということもあり、コース上には砂が多く積もっています。エコノムーブは「パリダカじゃないんだから・・・。」という声も聞こえました。
受難のしんがたMUGENくん
練習走行中には、しんがたMUGENくんとメカでんちくんが接触。しんがたMUGENくんは、二転三転と転がってしまったようです。その影響でアップライトが曲がったり、カウルが破けるなどの損傷を受けてしまいました。でも、予選には無事復帰することができました。ファラデーマジック2は、モータコントローラの故障?かと思われましたが、制御用電源のラインが繋がっていないだけでした。急遽、TGMY
Ashidaさんから特電秋田用ノーマルモータをお借りしましたが、ギヤ比が軽すぎて全く合わず最高速度が16km/hとなり、予選を走った中では最下位というみっともない結果になってしまいました。予選のタイムトライアルを制したのはトヨタテクノサービス社員チームであるPROJECT
MONOのMONO-1。2004年の8th EV Enjoy Trial in 白浜の第1ヒートも制しているだけに、この手のタイムトライアルには自信があるようです。名城大学NovaのNovaは、MAXONの6連モータを予選のために準備しました。鈴鹿のソーラーカーで紀北工業高校が見せてくれた「誉」と同様のしくみです。
発発禁止
さて、今回のEco
Car Festaではエンジン発電機(発動機発電機:発発)を使った作業&充電が禁止されていました。発電機はテントが飛ばないためのオモリにしかなりません。予選は走行距離の短いタイムトライアルであったので、今回の大会では電池を消耗させることができません。バッテリは何回か充放電を繰り返した後の方が放電容量が増加するため、我々は池上さんご自慢の自作バッテリ放電器を借りて、放電を行いました。バッテリからのセルフ電源で放電を行える優れものです。
バッテリ鍋復活
砂やパンクとの戦いとなった5月21日の練習走行&予選でしたが、翌日の本戦はあいにくの空模様。雨が心配です。そんなことはともかく、エコノムーブ恒例のバッテリ鍋を始めることにしました。我々は、神奈川は横浜名物のシュウマイの真空パックをこのレースのために用意し、おみやげの披露および士気向上を兼ねて、鍋のお湯で暖めることにしました。ちなみにキムヒデはこのシュウマイをつまみに新幹線でビールを飲むのが出張の際のささやかなお楽しみ。ガスコンロでせっかく暖めたお湯がもったいないので、ついでにバッテリも加温。エネルギーを有効に利用するよう??務めました。いちおう、念のためソーラーカーで使用していた古河電池の鉛バッテリFPX12240から、浪越コントローラを経由してFT-4LBSに充電をかけることにしました。さて、ちょっとぬるいシュウマイとなってしまいましたが、見事においしく仕上がりました。バッテリの方も、ほどよく仕上がりました。
コース攻略
本戦に臨むにあたってまず問題となったのは、ギヤ比のセッティング。なにしろ初めてのコースだけに、データが少ない。とくに白浜のような感じで、コースを折り返すため、コーナリングの際のロスが気になるところです。折り返しの幅は30m以上はあるので、減速しないで通過できるかどうか微妙な感じ。とりあえず、走ってみないことにはよく分からないので、前日の走行練習では秋田用のセッティングのままで走り出し、データロガーで測定を行ってみました。ドライバーのきっくうが言ってたメーター読みの平均値だと、だいぶ走行エネルギーが多そうです。おそらく荒い路面のせいで転がり抵抗も多くなっているのでしょう。やはり秋田用のギヤ比では厳しいようです。ギヤ比を変えて測定を繰り返し、データロガーの測定データを分析しました。折り返し後の加速で電流消費が多くなるものの、印象よりはエネルギー消費は多くないようでした。しかし、雨で路面が濡れるとさらに転がり抵抗が悪化することも予想されたため、軽めのギヤ比を選択しました。ということで本戦スタート。序盤ですが安定した走りを見て、豊橋創造大T-Works隊長小林先生、first
step AISIN AWの中村さん、そしてキムヒデの3人で記念写真。スタート直後は余裕の3人です。しかしこの後に彼らのチームを襲う悲劇がどんなものかは、この時点では誰ひとり予想していなかったのです。
大苦戦したfirst step AISIN AWのつばさ52号
いろんなことがいっぱい起こったので、順序は適当です。まず、順調に走行していたつばさ52号ですが、3WSシステムまわりの異常があってか?、リヤタイヤがパンクしたようです。もしかするとパンクが先でリアまわりがおかしくなった(と感じた)のかもしれません。荒い路面ということもあり、パンクするチームが続出しました。タイヤ交換で大きくタイムロス。
TGMY Asida & 亀吉もパンク
グリップがよいことで定評があるTGMY Ashidaのタイヤを装着したTGMY 2005もパンク。うにゃにゃん亀吉のエコノ亀吉2.5号のドライバーは、エコラン界のコーナリング女王と呼ばれ、コーナリング速度が速いのが特徴。しかし、タイヤへの負担も大きいのか、両車揃ってパンク。よーく見ると池上さんは両方のチームでパンク修理を手伝っているじゃないですか?
大活躍ですね。
しんがたMUGENくん、2度目の転倒
雨で前が見えなくなる車体が続出。せっかく作ったスクリーンに穴を空けて視界を確保しています。しんがたMUGENくんも、ピットインしてスクリーンをカット。練習走行中にメカでんちくんと接触して転倒したしんがたMUGENくんでしたが、なんと本戦でも接触して転倒!!
この事故の影響でレッドフラッグが振られて、レースは中断になりました。
ファラデーマジック2もトラブル発生!!
ちょうどその頃、ファラデーマジック2の消費電力が増加し始めるという症状が出始めました。最初はパンクが疑われましたが、今から思うと浸水して車体重量が増えたからかもしれません。パンクではなかったたのですが、カウルを開けて水を抜いて再スタート。しかし、モータの回転がおかしい。そこで、またストップ。ちょうどこの時にレッドフラッグが振られる。この間に原因を考えてみるが、おそらくホールICまわりの信号がうまく拾えなくなったようだ・・・。雨水対策を施して、レース再開を待つ。再スタート直後はときどきモータの回転が不安定になるものの、なんとか回復。しかし、ストップしている間にPROJECT
MONOのMONO-1に2周の差を広げられてしまった。
MONO-1を追走するもおよばず・・・
モータの不調によりエネルギーロスも増え、ファラデーマジック2も余裕がない。残ったエネルギーを振り絞って先行するMONO-1を走行する。MONO-1も視界が悪いらしく、何かにぶつかったようで、車体先端が割れたり、カウルが半開きになって走行していました。しかし、2周の差を1周に縮めるのが精一杯で、MONO-1がエコノムーブ初優勝を飾った。ファラデーマジック2は2位。大きく調子を崩したチームが多い中ではうまくまとめた方なのかもしれない。
KUROUNE健闘
名城大Novaも安定した走りを見せて3位。愛犬の鶴丸が見守る亀吉2.5号も、パンク修理とレッドフラッグが重なり被害を抑えられ4位。SHIMADAのSEV-501
PHXは順当に5位となった。そんな中で大躍進したのは横須賀工業高校機会研究部のKUROFUNE(写真右)。見事6位に入賞しました。
ドロドロの車体
レースを終えたきっくう。泥がしたたっています。おしりも背中もびしょ濡れ。モータコントローラ内部にもだいぶ泥水が進入。完走できただけでも良かったという感じでした。まるで、洪水でもあったんじゃないか?という状況です。これからは、キムヒデの雨への強さでも見習いたまえっ!!
というわけで、なんだかんだいいながらもWEM
GPポイントではファラデーマジック2が47ポイントでトップ。つづいてつばさ52号が31ポイントで2位。エコノ亀吉が27ポイントで3位。MONO-1は26ポイントで4位となっています。さて、今週末の5月28、29日は豊橋エコテクノレース。ZDP & 東海大は出場しませんが、池上さん&キムヒデは会場に行きます。またまた取材しますので、いろいろな情報を教えてくださいね。(k)
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