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やぁ、みんな元気かい? 2005年の大会シーズンがさっそく始りました。最初となる「2005 World Econo Move」は、今回で11年目を迎える重要な大会です。各チームともこの大会で好結果を出すために、オフシーズン中に準備をしてきたはずです。ということで、今回は新型車や上位車にスポットを当ててみます。 まずは、燃料電池を軽く見ておきましょう。燃料電池部門は今年で3年目を迎え、過去2回はミツバさんが優勝を飾っています。ことしはホンダエンジニアリング社員を中心としたNEO-EVERのAqua(写真左)が気合い十分との情報がありましたが、ミツバもTesla800(写真右)なる新型車を投入。いったいどんな車体かと思っていると、なんかどっかで見たような形だなぁ・・・。どうやら長野工業高校の新型車S.P. Evolution ver.7の雌型を借りて作ったようである。おそらく、この2台が優勝争いをすることになるんだろうなぁと見ていました。
この新型Tesla800ですが、急造したと思われる金属フレームに新型DDモータを搭載しきた(写真左)。このDDモータは通常のリヤハブに偏平DDモータを付ける構造となっているので、ホイールの交換が容易で製造コスト的にも有利になるのでは? さらにコントロール基板もモータに内蔵されているので、配線ロスや軽量化の面でもメリットがありそうである。あと、ちょっと工夫するとスバルさんのDDモータで行っているようなコアの半抜きによる、弱め界磁もできそうな感じ? このモータはミツバのHyper USO800や、いくつかの高校チームでもテストされていたようです。次期市販タイプのプロトタイプという位置づけのようだ。このレースに東海大学木村研究室のファラデーマジック(写真右)も燃料電池を搭載して出場した。しかし、燃料電池搭載のための改造が間に合わず、公式練習では20分もスタートできず、ひさびさ(ちょうど2年ぶり)にグリッド上で作業する羽目に陥りました。この時点で、キムヒデの気力と体力はだいぶ失われてしまったのだった・・・。
けっきょく、燃料電池部門はAquaがTesla800を倒し、60kmを超える54周の記録を樹立して初優勝を飾りました。ミツバのTesla800も昨年の記録を更新したものの2位。ファラデーマジックは燃料電池の温度上昇を抑えきれずに出力を落として走行する状況に陥り、6位に留まりました。 さて、いよいよ鉛電池部門です。前評判が高かったのは、新開発IRC製14インチタイヤを搭載してきたスバル社員チームのスーパーエナジーGRIFFON(写真左)。14周超えをねらっているようでした。公式練習の結果からも、この14インチタイヤの出来はまずまずのようであり、IRCでは市販化も考えているようである。本戦では、タイヤとカウルが干渉してしまい、エネルギーをロスってしまったようです。一方、WEMを勝手に応援サイトの2005WEM秋田投票でも、Hyper USO800(写真右)の状態はミシュランラジアルタイヤを確保し、スペシャルDDの出来も最高でミツバ史上過去最強!?とか? 大会前に入ってくるのは悩ましい情報ばかりです。実物を見ると確かに、20インチサイズのタイヤが入るよう、タイヤカバーが再復活していました。本戦では14周を狙うペースでファラデーマジック2の背後にぴったりと付いてきました。
また、first step AISIN AWのつばさ53号も14周超えは楽勝?!との情報もあり、14.7周を狙えるとか、もう頭の痛い話ばかりです。(ドライバーの清水さんのスケジュール調整が出来なかったことから53号は今回は出場せず。)とにかく、中村さんは何かしら仕掛けそうな雰囲気を持っているので、つばさ52号も油断ならない・・・(写真左)。ZDP池上さんは20インチと14インチの2バージョンを考えていたようだが、本業が忙しくテスト走行もできなかったことから、品質が安定してきた14インチのミラクルでんちくんで勝負に出ることにしたようです(写真右)。今回は、2年間に20インチタイヤを装着して優勝したときの記録を14インチタイヤで更新することに成功した。さすが・・・。
やはり、マークしなくてはならないのは、ZDP籾井くんのスーパーモスラ。2年前の筑波サーキットでデビューした、コアレスDDを搭載してきた(写真左)。菅生用DDでの経験を生かし、センサ用マグネットを搭載したり、インダクタンス調整用に日本ケミコン製微結晶鉄コアチョークコイルを搭載するなど準備に余念がない。今回は、大会直前にイギリス出張が入った影響もあり、車体を準備する時間が十分に無く遅れが出てしまったようだ・・・。走行中は、キーンという飛行機のような独特のかん高い音を奏でていました。しかし、調整時間も足りなかったことなどから、昨年まで使っていたアモルファスDDを超える性能は出せなかったようであり、記録も伸ばすことができなかった。
さらに、やってきたのが房間さん率いるE・P・Aのスーパーラモス。ZDP籾井君のスーパーモスラの雌型を借用して作ったクローン車体である。スーパーモスラがトップレベルの空力性能であるので、スーパーラモスもトップレベルであることは間違いない。ドライバーも籾井君より軽量な小堀義明くんが運転するので、調整バラストによる低重心化が進む。これに、もしミツバスペシャルDDが搭載されたら・・・と思うと、枕を高くして眠ることもできない。低重心バラストのおかげで、キャンバーも少ないので転がり抵抗も少なくなるだろう・・・。公式練習ではトラブルがあったGRIFFONを破り、堂々の2位。本戦では、惜しくも4位と表彰台に一歩及ばなかった。
さらに、ファラデーマジック2が絶対に負けられない車体が登場!! 長野工業高校のS.P. Evolution ver.7。どこかで見たような・・・、というかかなりファラデーマジック2に似ている。大会終了後にファラデーマジック2にアッパーカウルを載せてみるとリヤ側はほぼ同一。わずかにS.P. Evolution ver.7の方が、最大車幅が広いくらいの違いでした。長野工業高の関係者からは「まだ違ったか・・・。」というコメントも聞かれ、ファラデーマジック2を相当意識して作られたようである。さらに、長野工業は手巻き職人もいるそうで、スペシャルなDDモータを保有していることでも有名です。となると強敵になりそうだ。この車体は、デビューと同時に見事にジュニアクラスで見事に優勝した。そういえば、今回の大会では、スーパーラモスを始めとして、なんとなくボディーの新しい集約化が進んだような印象を持ちました。そう回りを見渡すと・・・、盛岡工業高のF-UNA TYPE CCにもファラデーマジック2のDNAが伝わったように感じる・・・。
エコノムーブの世界でも生き残りを賭けた、戦いが始まったようだ。池上さんのDNAも、2004幸田で紹介したメカでんちくん以外にもフジシマのFuji2には相当引き継がれている感じだ。今市工業高校や宇都宮工業高のプラ段(プラスチック段ボール)車にも、設計コンセプトが伝わり最大勢力を築きつつあるようだ。
SHMADAのダンディーな山田さんは新車「SEV-501PHX」を投入。PHXの意味は不明なので、今度会ったら聞いておきましょう。山田さんによれば、「上はファラデーマジック2、下はミラクルでんちくんを参考にしました。」とのこと。そんな中で、新しい芽を見せてくれたのが豊橋創造大学T-Worksの新型車「しんがたMugenくん」(写真右)。ひらがなじゃなくても読めるぞ!! そして、来年になっても「しんがたMugenくん」のままなのだろうか?とふと気になってしまう。まぁ、そんなことは置いておいて、デザインコンセプトを分析してみよう。キムヒデ的にはずばり!!「金魚くん」。格納が難しいリアタイヤであるが、この部分尾ビレの中に格納している。前方の部分は理想的な流線型を意識し、後方まで無理して引っ張っていない。Cd値的にはメリットがあるかも。風が進行方向の場合は問題は少ないが、強い横風が吹くと、尾ビレの部分の影響が気になるかも? この尾ビレの発想は、DNA的には今大会の燃料電池部門で優勝したAquaにルーツがあるかも。でも、今大会も横風がだいぶ強かったのですが、このような状況でも好結果を出しているので、まずまずなのでしょう。今後も、活躍を期待します。
さて、多くの競合がひしめく中で東海大学木村研究室のファラデーマジック2は、なんとか二連覇を飾ることができました。これもライバルチームに対抗するできるよう、改良?を行った成果が実ったのかもしれません。二連覇達成までの道のりについても神戸の大会が近づいているんですが・・・、近日中に公開できるよう準備中(というかこれから作ります)です。お楽しみに。(k) |
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