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 ZDPの歴史

 BackNumber〜2014WEM

2014WEM キムヒデレポート 2014/08/10 13:00

やぁ、みんな元気かい?
最近は、だいぶ忙しくなっちゃったのでレポートが書けませんでしたが、ワールド・エコノ・ムーブ20周年記念ということで、思いっきり振り返ってみましょう!

 

■WEM20年の歴史

1995年〜1996年=オープンホイール&減速チェーンでスタート

第1会大会の優勝を飾ったのは、初物に強いZDPの池上敦哉が製作した「でんちくん1号」。特殊電装の西村嘉孝が、トラック荷室のファン用ブラシレスDCモータをWEM用に変更し、チェーン減速して使用した。また、当時ガソリンエコランで使用されていた20インチのミシュラン・バイアスタイヤが装着された。この時、バッテリの化学反応を活性化して放電容量を伸ばす「バッテリ加温」という技術も導入された。鍋でバッテリを暖める光景は異様であったため周囲を驚かせたが、これらが間もなく業界のスタンダードになる。翌年には早稲田大学永田研究室に所属していた籾井基之が製作した「Ele-king Waseda」が、研究室の先輩である池上敦哉を破って初優勝。卒業後はZDPの一員としてフルカウル型の「モスラ」「スーパーモスラ」を開発し、優勝のチャンスをつかむものの、不遇な出来事が重なり、2009年まで13年間優勝から遠ざかることになる。当時は、前方投影面積Aを最小にするデザインが主流であった。

http://www.zdp.co.jp/inf/wem96/may5_j.html


1997年〜1998年=フルカウル型で優勝

後輩の籾井基之に敗れた池上敦哉は、フルカウル型の「スーパーでんちくん」を登場させた。フルカウル型はタイヤをメインカウル内に格納するためAが大きくなるが、空気抵抗係数(CD値)を小さくすることで空力特性を改善させる手法。ガソリンエコランでは最小トレッド幅が500mm以上と定められているが、EVエコランにはこの規定がないため、以後、フルカウル型が増加した。回転するタイヤの上側は、空気との相対速度がボディの2倍に達し、回転体による空気の乱れなども重なって、空気抵抗が著しく増加する。タイヤが中に収まっていると外から見て分かる、フロントに出っ張りがある形状のフルカウル型は、視界が広く、安全性にも優れていた。紀北工業高校など、スーパーでんちくんの影響を受けた車体を製作した。

http://www.zdp.co.jp/inf/wem97/may4_j.html
http://www.zdp.co.jp/inf/980504_j.html


1999年〜2002年=ミツバDDの旋風

 

自動車部品メーカーで、ワイパーやパワーウィンドウ用モータやホーンなどで有名なミツバは、社員クラブチームでWEMに参戦した。そして12Vで作動する「DDモータ」や、バッテリの直並列を切り替えて電圧を増やす「倍電」、「キャパシタ回生&上乗せ」、「可変進角」などの新技術を次々と投入し、70kmの記録をあっという間に突破した。モータの内山英和、ドライバーの齋藤勝彦、回路の柳原健也など業界を代表するエンジニアたちが登場した。空気抵抗係数(CD値)的に不利なオープンホイールでの優勝に対して、フルカウル型の優位性が疑問視されるほどの圧倒的強さを見せつけた。このような事態は「DDショック」と呼ばれ、「もはやDDモータなしでは優勝できない」と信じこまれるほどであった。

 

2001年には、富士重工業社員チームのスーパーエナジーが、足組スタイルで330mmという狭いトレッド幅を実現し、前面投影面積を減らすことで空力性能を向上させた「Super Energy Ver. 5.2」で参戦。ミツバDDを搭載して優勝を飾った。2002年には、ミツバがガソリンエコラン界のトップチームであるFancy Carolのボディ型を利用して製作した「Hyper USO800」をデビューさせ再び優勝した。この頃、ホンダエンジニアリングは横風に対して高い空力性能を発揮するといわれたSuperior、低Cd値を目指したAqua、そしてIRC特製16インチチューブレスタイヤを装着したOrcaを登場させ、大きな技術向上が進んでいった。

http://www.zdp.co.jp/inf/wem99/990503_j.html


2003年〜2008年=特電アモルファスの逆襲

 

もはや正攻法で勝負することに満足できなくなってしまったZDPの池上敦哉は、2003年にはベニア材でロワーカウルを製作し、アッパーは巨大アクリル板によるフリーブロー成形した「ミラクルでんちくん」を投入。カーボン素材に頼らなくても、簡単な?製作方法で、優秀な性能換の車体が作れることを世に示した。

また、特殊電装の西村嘉孝や東海大の木村英樹らとともに磁気変換効率に優れたアモルファス鉄材を採用したプロトタイプモータを開発し、その後、市販化されることになった。先頭を走っていた「スーパーモスラ」のパンク事故などもあって、文字通り奇跡的な優勝を飾った。また、この裏では渋谷秀樹が考案した「渋谷充電」の功績も大きかったといえる。ミラクルでんちくんの形状はプラスチック段ボール板(プラダン)や塩化ビニール板(塩ビ板)でも製作しやすいことから、スタンダードな形状となった。また、この2003年には燃料電池部門がはじまり、大同メタルの燃料電池ユニットを搭載したミツバのUSO800が初優勝した。2004年には、東海大から「ファラデーマジック2」がデビュー。大会初の80km越えを達成して初優勝した。このファラデーマジック2は、もはや同一グループとなったZDPの「スーパーモスラ」や「ミラクルでんちくん」などの空力デザインを参考に、超低CD値ボディをデザイン。当時東海大の学生であった菊田剛広が車両の設計・製作を行い自らハンドルを握った。アモルファス特電モータは様々な変更が加えられ、自作のマイコン制御コントローラや、ギヤ減速ドライブなどが組み合わされ、14インチボディへの移行が進む中で、20インチ勢として活躍を続け、2004年〜2008年にかけて5連覇を達成。前人未踏の90kmを超える記録を樹立して優勝した。長野工業高校なども類似したSP Evolution ver. 7などを製作した。

http://www.zdp.co.jp/2003/20030511.html
http://www.zdp.co.jp/2004/20040513.html
http://www.zdp.co.jp/2005/20050512.html
http://www.zdp.co.jp/2006/20060526.html
http://www.zdp.co.jp/2007/2007spring3.html
http://www.zdp.co.jp/2008/2008spring2.html


2009年〜2012年=14インチ時代への移行

様々なトラブルに悩まされ続けてきたZDPの籾井基之は、14インチタイヤを採用した新型車「Tachyon」をデビューさせた。これに、元々存在したアモルファスコアDDモータを組み合わせ、ファラデーマジック2を破って1996年の優勝以来、実に13年ぶりとなる悲願の優勝を達成。「人生をかけた闘い」をようやく制した。これにより、長年続いた20インチタイヤ勢の優勝にピリオドが打たれたことになる。自称カーボンマニアであった籾井基之は、CFRPボディだけでなく、アモルファスコアDDモータの自作やコアレスモータの製作などモータ開発の道を歩み、今日に至る。2012年まで4連覇を達成。

http://www.zdp.co.jp/2009/2009spring2.html
http://www.zdp.co.jp/2010/2010spring2.html


2013年〜2014年=first step AISIN AWの台頭

新しい優勝者の登場を拒むかのようなWEM秋田。業界では彗星のように現れ、数多くの大会で勝利したfirst step AISIN AW(以下AISIN AW)であったが、秋田大会では、なかなか優勝できずにいた。つばさ52号、53号、54号と進化を続け、ようやく2013年に初優勝を遂げる。中村昭彦は、「斜歯ギヤ」、「リアステアリング機構(3WS)」、絶縁型DC/DCコンバータを電池電圧に加えて速度を増す「ブースト」などの技を登場させるなどの功績を残している。



WEM秋田優勝チームの主な仕様

チーム ボディ タイヤ モータ 減速 CAP 特記
1995 ZDP OW 20 特電 チェーン  
1996 早稲田 OW 20 マクソン G+C  
1997 ZDP FC 20 特電 チェーン  
1998 ZDP FC 20 特電 チェーン  
1999 ミツバ FC 20 ミツバ DD DDショック 
2000 ミツバ FC 20 ミツバ DD  
2001 エナジ FC 20 ミツバ DD 足組狭トレッド 
2002 ミツバ FC 20 ミツバ DD  
2003 ZDP FC 20 特電改A チェーン アモルファスコア 
2004 東海大 FC 20 特電改A チェーン 低CD値ボディ 
2005 東海大 FC 20 特電改A ギヤ  
2006 東海大 FC 20 特電改A ギヤ  
2007 東海大 FC 20 特電改A ギヤ  
2008 東海大 FC 20 特電改A ギヤ  
2009 ZDP FC 14 自作A DD 14インチ初勝利 
2010 ZDP FC 14 自作A DD  
2011 ZDP FC 14 自作A DD  
2012 ZDP FC 14 自作A DD  
2013 AAW FC 14 特電改A ギヤ  
2014 AAW FC 14 特電改A ギヤ  
OW: オープンホイール、FC: フルカウル、DD: ダイレクトドライブ、CAP: キャパシタ、
G+C: ギヤ+チェーンによる2段減速、A: 鉄系アモルファスコア

 

■WEM秋田で優勝できなかった注目車

ZDP モスラ (1998)

空力的なチャレンジを行った車両であったが、前方投影面積が大きく、フロア下の空気の流れが不明であることから、注目されたもののめぼしい結果は出ていない。48Vの高回転数マクソンモータをギヤ+チェーンで減速する機構など、今から考えると駆動系には無理があった。


ZDP スーパーモスラ (2003)

 

スーパーエナジーVer. 5の足組狭小トレッドのコンセプトをモスラに採り入れたモデル。低重心化の必要性から、フロア面も下げられた。2003年、デビュー時の決勝終盤で、トップの位置にいながらパンク。これ以降、ファラデーマジック2の黄金期に突入し、秋田では勝利の機会を得ることができなかった。しかしながら、アモルファスDDモータやコアレスDDモータなどの意欲的な開発は、今日にTachyonに生かされている。


ホンダエンジニアリング Superior

横風に最適化した幅広カウルをまとった車体は、「これが正しいのか?」という混乱を与え、渋川工業高校などが類似の車体を製作した。横風が当たれば、空気抵抗が小さいというコンセプトであったが、その後、このような意匠の車体は登場していない。写真は右からSuperior、Aqua、Super Mosra。


ホンダエンジニアリング Aqua

Superiorでの空力コンセプトを改め、横幅を狭めてきたモデル。とはいえ、前面投影面積Aは大きめであり、CD値低減を狙ったものであると思われる。2003年の秋田大会ではミラクルでんちくんに敗れたものの2位。その後、FC部門で優勝した。


ホンダエンジニアリング Orca

20インチの低転がり性能が良いのか、14インチの低空力性能が勝るのか議論が分かれていた。このレースのためだけに、これらの間を採った16インチチューブレスタイヤをIRCとともに開発しデビューさせた。しかしながら、路面状況が完全ではない大潟のコースでは、パンクしやすい状況に陥り完走が困難な状況であった。


first step AISIN AW つばさ52号

つばさ52号は、前方投影面積Aを縮小するためにキャンバー付きのフロントタイヤを採用。転がり抵抗の増加が懸念されたが、それを問題にすることなく好成績を上げた。同じくAを小さくするために、フロントタイヤの切れ角を抑え、リアタイヤに操舵機構(3WS)を設けた。東海大のファラデーマジック2と同様に20インチタイヤ+減速ギヤ&モータで、ミツバ勢と対極となる存在であった。


first step AISIN AW つばさ53号

戦績的には、つばさ52号の方が上であり、名車とも呼べるのであるが、WEM秋田のために投入された2輪のEVエコランカー。寝た姿勢で操作するため、自立は容易ではないが、好記録で完走した。しかしながら、安定性に課題はあり間もなく引退した。
20インチの2輪車は、2輪部門がある豊橋大会に向けて開発されたものであるが、秋田でも走行可能であることから出場した。2時間という走行時間を走りきることは、ドライバーの忍耐力が必要であるが見事に完走した。


Team Endless リボンGo!

フロント14インチ+リア20インチという構成で設計されたリボンGo!は、視界に優れ、安全に運転できる。そのため、雨天時に強いという特徴ももつ。好成績を残すものの、秋田では表彰台に上ることができていない。


火の車 円盤

エコノムーブ史上、最初で最後?のフライホイール搭載車。正確には主大会に出場していないので、出場記録は残っていない。東京工業大学Meisterに所属していた市川氏が製作した車体。機構的には面白かったが、レースカーとしては良好な結果が得られなかった。

 

■WEM秋田優勝の高いステータス

WEM 2014で優勝した中村昭彦によれば、「1周6kmのほぼ平坦な大潟村のコースは、初心者には走りやすく、ベテランにはごまかしが効かないコース。」ということで、間口が広いにもかかわらず、奥行きが深い、まさにエンジニア育成のためのコースであるといえる。100以上のチームが存在する中で、過去20年間に優勝できたのは、ZDP、東海大、ミツバ、スーパーエナジー、AISIN AWのみ。EVエコラン業界の中では、長い歴史をもち参加台数も多い「『秋田』で勝たなければWEMの頂点を極めたといえない」とされるほどである。大潟村ソーラースポーツラインは、高校生や大学生の育成から、企業の現場で活躍するベテランエンジニアまでをも育てる貴重な経験の場となっている。

■WEMの教育効果

高校時代にWEMに触れ、スーパーエンジニアたちに憧れて育ち、社会に羽ばたいていった事例は多く存在し、優れた技術者育成の場としてWEMは位置づけられる。多くの場合、多様なスキルをもったメンバーが一同に集まり、問題発見、問題解決をチームワーク力で克服し、成果を得るというプロセスをたどることになる。この過程は、Project/Problem Based Learning (PBL)教育としての側面をもち、古くはマサチューセッツ工科大学のロボットコンテストなどに遡ることができる。このような活動を続けることで、専門的な知識や技術を実践の場で学ぶことができる。さらに、経済産業省などが提唱する社会人基礎力、あるいは中央教育審議会答申が定義する学士力といった、いわゆるジェネリックスキルが身につくとされている。企業においても自己開発プログラム、あるいは研究開発の場として位置づけられることもあるようだ。また、大会自体が多くのボランティアによって支えられており、そのような体験を行える場にもなっている。WEMはソーラーカー大会と合わせて製作講習会が企画され、現在は日本太陽エネルギー学会に引き継がれて「電気自動車・燃料電池自動車・ソーラーカー製作講習会」が毎年、東日本と西日本の2カ所で開催され、年間400〜500名が受講する規模に達している。WEM秋田の優勝者は、大会のレベルアップのために、翌年の製作講習会の講師を担当することが慣例となっている。

■WEMの波及効果

特殊電装のWEM用ブラシレスDCモータにはじまり、ミツバからもソーラーカー用DDモータに続き、WEM用DDモータが市販化された。そして、特殊電装からはアモルファスコアモータも販売されるようになった。このような高効率モータは、原油価格高騰や地球温暖化が懸念される中にあって、省エネルギー技術を学ぶ機会を与えてくれている。ここで磨かれた技術は、世界最高峰のソーラーカーレース「World Solar Challenge」の日本勢のモータにも応用され、2009年以降の東海大の活躍にもつながっている。
また、回生エネルギー利用が推奨される中で、フライホイールや電気二重層キャパシタ(Electric Double Layer Capacitor: EDLC)といった新しいエネルギー貯蔵デバイスも早くから導入され、実力を高めていった。とくにキャパシタは、今日のWEM秋田大会の上位陣には無くてはならないデバイスとなっている。2012年にはマツダがi-ELOOPを登場させ、オルタネータとキャパシタを組み合わせることで、比較的簡易なシステムで燃費向上を達成した。同様に2013年に発売されたホンダのフィットにおいてもキャパシタが搭載れた。このような先行的な取り組みは、極秘裏に企業内部で行われることが多く、情報交換の場が限られているのが通例であるが、WEMはエンジニア同士が議論を交わすことができる有意義な場となっている。

※2006年には、WEMで蓄積された知識や経験をまとめた、日本太陽エネルギー学会編『エコ電気自動車のしくみと製作』がオーム社より発行されている。

 

■WEM 2014のトピック=コアレスDDの逆襲

それでは、2014年のトピックスを集めることにしよう。今回最大の注目ポイントは、ZDPのTachyonのために開発された新型コアレスDDモータだろう。これまでにも、籾井基之はコアレスDDモータを製作したことがあるが、以前の作品は不発に終わっていた。今回は、開発に数年をかけ、WEM秋田のために用意した。コアレスモータというのは、まさに物理の教科書に出てくるような原理で動くモータであり、フレミング左手の法則による回転力を発生している。実は、EVエコラン、掃除機、洗濯機などの家電製品に使われているモータの多くは、永久磁石と電磁石による吸引&反発力を回転力にしているので、フレミング左手の法則とは、イメージがだいぶ異なる。なぜ、このような電磁石を使うようになったかといえば、電線を巻いただけの空芯コイルでは、磁束(=電磁石の強さ)を高めることが難しいからである。そのため、鉄クギにエナメル線を巻いた電磁石が使われることは小学校の理科で習ったのではないだろうか?

しかし、この鉄クギは、コイル状のエナメル線に電流を流して磁化されると、若干であるが永久磁石としての性質(=残留磁束)が残り、これを打ち消けして、反対側の極性に変えるためにはエネルギーが必要となるのだ。これをヒステリシス損と呼んでいる。さらに、鉄の中を通る磁束が変化すると、鉄クギの中に、磁束の変化を打ち消そうとする向きに、渦(うず)状の誘導電流が流れる。この電流はジュール熱になり、これを渦電流損という。これらの鉄クギ=鉄芯で発生する損失は、「鉄損」と呼んでいる。この鉄損を減らすために、電磁鋼板として鉄に数%程度のシリコン(=ケイ素)を添加したケイ素鋼板が用いられている。このケイ素鋼板の性能を高めるために、シリコンの表面濃度が6.5%に高められたものや、薄厚化したものなどが存在し、これらは鉄損の低減に成功しる。EVエコラン業界では、さらに鉄損が少ない鉄系アモルファスコアを使用したモータが使用されているが、鉄損がゼロになるわけではない。

近年になって、強力なネオジム磁石などが開発され、高回転型であればコアレスモータが実用化されている。たとえば、ロボコンなどに用いられるマクソンのDCモータはコアレスだ。しかしながら、高価な永久磁石を用いるため、コストが高くなりやすい状況である。また、とくに高トルクが必要となるインホイールDDモータでは、高い磁束を得るためにハルバッハ配列を用いるなどの工夫が必要とされている。さらに、磁界の極性が変化する際に、渦電流が銅線の中に発生するといった課題も克服しなければならない。しかし、上手く設計すると、モータの軽量化や高効率化が達成できることもあり、ここに着目したのが今回のコアレスDDモータなのである。


残念ながら、詳細な情報はヒ・ミ・ツということなのでわかりません。でも、それでは悔しいので外側から推測だけでもやってみよう。「見えなくても見えるようになる。」空気の流れでも、電気の流れでも、想像力があればなんとなく見えるようになるのだ。関係あるかはわかりませんが、剣豪は殺気を感じるそうである。
オーストラリアのCSIROが開発したコアレスDDモータはアキシャルギャップであったが、おそらくラジアルギャップではないかと想像します。明確な根拠はないのですが、リム付近のモータの膨らみが大きいので。軽量化には有効なハルバッハ配列の対向配列(バックヨークに頼らずに永久磁石だけで強い磁束を得る配置方法)を採用しているのか?http://en.wikipedia.org/wiki/Halbach_array

当然、手に入る中では最高グレードのネオジム磁石を選んでいることでしょう。その中をリッツ線(表面が絶縁された細いマグネットワイヤーが束ねられたもので、IHクッキングヒータなどにも使用されています)が並べられている状況ではないだろうか?このコアレスモータは風がそよぐだけでもホイールが回転するほど、コギングも鉄損も発生しない。ミツバDD陣営ではコア抜きという手法で下り坂における鉄損をなくしているが、コアレスDDでは元からこの状態。やはり課題といえるのは、銅損がどこまで抑えられているか?実際のモータの特性が気になるところである。

今回は、残念ながらタイヤチューブの破裂でリタイヤしてしまったTachyonであるが、来年にはコアレスDDモータの実力が明らかにされるであろう。 (k)


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