Zero to Darwin Project
NEWS
 ZDP SHOP
パーツ販売
 Wiki
BBS/LINK/EVENT
 メーリングリスト
SOLAR-PAL
 ZDPの歴史

 BackNumber〜2011鈴鹿3

鈴鹿2011 5耐レース直前レポート 2011/08/06 12:00

これまで行われてきた4時間×2ヒート制の8時間耐久レースが、2011年のソーラーカーレース鈴鹿から5時間×1ヒート制の5時間耐久レースに変更された。昔のソーラーカーレースは3時間×2ヒート+4時間×1ヒートの10時間耐久レースという時代もあり、このようなレース形態の変更はこれまでに度々あった。

新しい5時間耐久ソーラーカーレースが8月6日(土)12:00、DREAM、CHALLENGE、OLYMPIAクラスでスタートした。1ヒートとなることで、これまでレース後、および翌日のレース前に行われていた太陽光による充電(通称:甲羅干し)が無くなるなどのレースの運営にも大きな影響を与えている。一般的に、翌日のためにバッテリを使い果たすことは無かったため、その余力を+1時間に費やした場合、これまでの4時間耐久レースと同様なラップタイムが刻めるものと予想された。そのため、大きく異なってくるのはタイヤのマネジメントとなる。とくに3輪で高速走行を行うチームにとって、タイヤ交換を考えなくてはならなくなった。

このような状況を踏まえて、スタート前のチームメンバーにインタビューを行いました。


 

予選第1位となったのは、芦屋大学ソーラーカープロジェクトAチーム(写真左)。昨年の大会ではバックマーカーを追い越す際に他車に追突。その際にブレーキをロックさせたために、タイヤがバーストしその交換のためにエネルギーとタイムを大幅に失った結果、OSUに敗れることとなった。先発ドライバーを務めるのは三瀬剛さん(写真)。今年はそのリベンジのために、鈴鹿に舞い戻ってきた。後発ドライバーは野村圭佑さん。バックマーカーの追い越しのために高い集中力を要求される鈴鹿のレースに、体力的な限界を感じ、本レースで優勝することができたら、Sky Ace TIGAのドライバーを引退すると表明した。今回使用したリチウムイオンポリマー電池は特別仕様のもので、放電エネルギーを多く取り出すことができると噂されている。

これに対して昨年の覇者であるOSU(写真右)は、フロントローを確保。昨年は三浦兄妹がドライブしたが、今年は先発ドライバーを須藤隆(左)さん、後発ドライバーを三浦愛さん(右)が担当する。「いつもは僕が傘を持つんですが、今回は逆になってしまいました。」と語るのは須藤さん。今回も昨年に引き続きパナソニック製リチウムイオン電池NCR18650A(3.6V・3.1Ah)をモジューリングしたものを使用。こちらもエネルギー的には優秀な電池であるといえる。なお、OSUは乾電池40本を使用した電気自動車のレース=Ene-1 GPにも出場する予定である。


 

チャレンジクラスとしてはフリー走行でトップのラップライムをたたき出した堺市立堺高等学校科学部。今回はチャレンジクラスで唯一、ミツバ製DDモータM2096DUを使用する。この新型モータはマグネットと永久磁石の比率が8:9という構成でできており、コギングが少ないなどの特徴をもつ。「2010年の大会ではスローパンクしたかもということで、余計なピットインをしてしまったが、今年は万全の走行でTeam MAXSPEEDを打倒したい。」とエントラントの山田喜夫先生は話した。先発ドライバーは山岡文弥さんで、後発は大田健太郎さん。大田さんは持病のヘルニアで腰痛がひどく、運転には支障がないもののドライバー交代のときには手間取ることも予想されている。タイヤ交換は無しを予定。目標周回数は55〜56周とのこと。

最近絶好調のTeam MAXSPEEDは、1時間伸びたレース時間に対応するために、エアーツール用のタワーを用意。ピットストップ1回で、その際に全部のタイヤを交換する計画。ただし、前日の練習時には6分かかったようであり、練習によって交換時間を縮める必要があるとのこと。ミツバ製DDモータM2096Dを使用。今回は天候の崩れを予想し、昨年使った5%程度低速なモータを装着した。このような、細かなセッティングにも力を入れられるようになったことも近年のMAXSPEEDの躍進につながっていると考えられる。目標周回数は2億周といつもどおり参考にならない回答であった。


 

5番グリッドは和歌山県立紀北工業高等学校生産技術部が押さえた。今回はライバルチームから中古のミツバ製DDモータM1596Dを譲り受けてレースに挑む。これもTeam MAXSPEED包囲網の連係プレーか? それまで使用していたNGM製DDモータのSC-M150よりも惰性走行時や下り坂での転がりは若干悪くなったような気がするが、トータルではソーラーカーの性能アップつながると考えている。ドライバーでエントラントの中岡進先生は、「もう限界、もう限界といいながらここまでやってこられた。今は自転車で体力作りに励んでいる。」と語った。5時間耐久レースは高齢ドライバーにとってムチを打つことになるのかもしれない。

最近低迷が続いているTEAM SUNLAKEは9番グリッドからのスタート。これまでの不振の原因は取り除かれたのかどうかは不明であるが、ドライバーの平澤富士男さんは、「今年こそ表彰台に乗るつもりだ。」と語っていた。車体については変更点がほぼないため、厳しい戦いになると予想される。太陽能車考古学研究所というサイトを運営する前田郷司さんがエントラントを務める。


 

オリンピアクラスとしてフリー走行1位となった芦屋大学ソーラーカープロジェクトBチームは11番グリッドからのスタート。車体に大きな変更点はない。強いて挙げれば、オーストラリア縦断ソーラーカーレースの2011 World Solar Challengeに出場するための新型車を製作中であり、整備に手が回らなかったのではないかという懸念材料のみ。しかし、整備については十分なスタッフが存在するだけに、オリンピアクラスでは最有力の優勝候補となる。

Team MAXSPEEDの躍進の影で、優勝から遠ざかっている柏会。三島木電子製の昇圧型MPPT※を5台使用していたがそのうち2台が故障。「どうして壊れたんだか分からない。」急遽、太陽電池モジュールの配線を変更し、浪越エレクトロニクス製の降圧型MPPTに取り替えるなどの対応を迫られた。モータはミツバ製のM2060D改となっているが、このあたりの低電圧仕様に課題があるのかもしれない。
※MPPTはMaximum Power Point Trackerの略で太陽電池の最大電力点追従回路のこと。


 

これまで、芦屋大学チームのエントラントを務めてきた中川邦夫先生は、大阪工業大学に移られた。そこでソーラーカーチームが立ち上がり、芦屋大学との連携もあって、急速に実力を伸ばしつつある。大阪工業大学Team RAGALIAは20番グリッドからのスタート。2011 WSCにエントリーする計画もあったが、新車製作が時間切れのため断念したとのこと。その分、この鈴鹿でがんばって欲しい。

静岡ソーラーカークラブは東海大学付属翔洋高等学校のOBを主体とするチーム。通常のミツバDDモータM1596D型を2機も車体に搭載してきた。このソーラーカーは高橋尚子のスマイルアフリカプロジェクトで行ったマラソン大会の先導車も務めたことがある。ドライバーを務めるのはラリー界のプロドライバーの篠塚建次郎さん。ソーラーカー鈴鹿には初の参戦となる。オリンピアクラスは芦屋大学Bチームが圧倒的な強さを誇るが、2位争いはどんぐりの背比べ状態であるので、クラス入賞は狙える位置にいる。開発段階にあるヨコハマのソーラーカー用タイヤを装着していた。(k)


▲TOPへ戻る


Copyright © 1995-2011 Zero to Darwin Project All rights reserved.
当サイトに含まれる画像・PDF等の無断転用を禁止します。
当サイトに関するお問い合わせはこちらから。