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鈴鹿2010 8耐第1ヒートを振り返る

2010/07/31 23:00

7月31日(土)17:00、8時間耐久レース第1ヒートが終了しました。このレースを振り返ってみましょう。


 

今回のDreamクラスで激震を走らせたのは、パナソニックがデルフト工科大学と大阪産業大学に高容量リチウムイオン電池を提供というプレスリリースであった。この電池を提供したのはパナソニック株式会社エナジー社で、Evolta乾電池やLet'sノート用のリチウムイオン電池を製造し、この手の電池では世界トップレベルのシェアを持つ。とくにノートPC用に開発された円筒型リチウムイオン電池NCR18600Aは3.1Ahの放電容量をもつ。エネルギー密度に換算して240Wh/kg程度と業界トップ(ZDP調べ)の容量を持つ。この前のタイプのNCR18650は、2009年のGlobal Green Challengeで、東海大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)が搭載したものと同じタイプのもので、このGGCで電池性能を知ったデルフト工科大学と大阪産業大学が提供と求めたものと考えられる。そのため、戦力を上げたOSUがレースを引っ張るのではないかと予想されていた。


 
ところが、OSU model S'とオランダNuon Solar TeamのNuna5よりも芦屋大学のSky Ace TIGAがレースでは先行している。芦屋大学は中国のAA Portable Powe社のリチウムイオンポリマー電池を使っていると大会パンフレットには書かれているが、容量はおそらく15%程度の差がついているのでは無いかと思われる。芦屋大学メンバーは「OSUらは大きいお弁当箱なので有利」と話していた。100周程度走って1周の差を競うDreamクラスでは、このバッテリのエネルギー差は、相当なプレッシャーを芦屋大学に与えていた。芦屋大学は三瀬剛、野村圭佑の2名のドライビングテクニックでアドバンテージを稼ぐべく、リードを広げていく。オランダのデルフト工科大学も初出場なら、鈴鹿を攻略し3位のポジションで追走する。化合物半導体太陽電池を搭載する3台に対し、発電量でハンデを負うオーストラリアのAuroraも、4位と健闘。

 

Challegeクラスは、Team MAXSPEEDのFlat Outが終始リードし、クラストップで第1ヒートを終える。ただし、スタート前に故障した積算電流計の動きが安定せず、バッテリ残量は正確にはわからない。同時に搭載したデータロガーなどで、レース後に残量を推定する作業に入る。ピットには、2画面表示が可能な地デジ対応テレビを持ち込みHDDレコーダでレースを記録していた。2009年のサーキット改装後は、デジタルとアナログの両方でピットに映像が提供されているので、今後レースマネジメントを行う上では、デジタル化を推進する方がいいだろう。ハイビジョンで提供される映像は、車体の異変を察知するための強力なツールとなる。


 

チャレンジクラスは、柏会の武蔵、堺市立高等学校のSCIENCE 710、バカボンズのスカラバイウスが続く。紀北工業高校のKIHOKU SOLARは、第1ヒートではバッテリを温存し、第2ヒートで勝負する作戦に出たため、クラス5位にとどまった。この作戦が吉と出るか凶と出るかは、今後の展開次第となる。



 

ENJOYUクラスは、OLYMPUS RSが他車から追突を受け転倒しストップしたこともあり、超ベテランのパンダサンが久々に優勝。2004年にドリームクラスで優勝したときに次ぐ快挙となった。エントラントでドライバーの細川信明氏は「2004年のときもそうだったけど、3週間前に優勝する夢を見たんだよ。ZDPの予想を裏切ってゴメンね。」とひさびさの勝利の喜びを語った。一方、Sky Ace TIGAの後半を運転した野村氏。レース直後は体力を消耗し、自力でコックピットから脱出できないほどであったが、第1ヒートをトップで折り返しガッツポーズ。第2ヒートに向けた手応えも感じているようであった。


 

キムヒデ予想ではチャレンジクラストップになる予定であった堺市立高校。トップのMAXSPEEDと同じ44周回の3位で、第2ヒートでの巻き返しを狙うぞといった表情を見せる。(写真の雰囲気からそんな感じが読み取れます。さて、注目のDreamクラスですが、終盤にはOSUが芦屋大学を追い上げ55周の同一周回数で第1ヒートを終えた。ここで気になるのは、バッテリ残量(消費量)とタイヤの摩耗状況。


 

左は芦屋大のSky Ace TIGA、右はOSUのmodel S'ですが、写真では判定が難しいですが微妙にOSUの方が溝の痕跡が残っているので、摩耗度に対してはやはりOSUの方が少なくて済んでいるようである。ということで、コーナーでスピードをもう少し乗せるといった方法でエネルギー消費を抑えるなど、タイヤの消耗を犠牲にした作戦がOSUには残されている。8月2日の第2ヒートはさらに気温が上昇するという天気予報なので、OSUにも逆転の余地は残されていると考えられる。ドライバーの三浦純氏などの慣れなどもあれば、第2ヒートも熱い戦いが見られることになると期待できる。(k)


ここから先は、レース中の写真を集めた、おまけです。

 

レース終盤に1コーナーから見た鈴鹿サーキット。だいぶ陽が傾いている。右は、いつもおちゃめなMAXSPEEDのサインボード。もう来年の年賀状の仕込みを開始しているの?


レース終了後の車両保管・・・?!


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