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2002 World Econo Move Grand Prixの第4戦となる「6thEV Enjoy Trial in 白浜」が、10月26, 27日に和歌山県の旧南紀白浜空港滑走路上で行われた。ZDP勢は、池上&海ペアのスーパーでんちくんが第1ヒート12位、第2ヒート6位、そして籾井&スズポンのスーパーモスラが第1ヒート11位、第2ヒートも11位となった。今回は、キムヒデが見た白浜の大会模様ということで簡単にレポートしちゃいます。 いざ南紀白浜へ
前日の練習走行 第1ヒートはダッシュが決め手
スーパーでんちくんのゴールシーン。よーく見ると、意外と坂がきついのがわかるかな? 第1ヒートを制したのはヨイショット!ミツバのHyper USO800。ミツバは第1ヒート用にハイパワーモーター(左下写真)を搭載し、これに大型の鉛バッテリーを搭載してイケイケ仕様にしていた。2位は芦田さんのキャッチャーが入る。こちらは、ソーラーカーハーフサイズ用と同等の耐圧性能である48Vまで対応できるコントローラを搭載していた模様(右下写真)。第1ヒートは48Vの高い電圧を利用し、一気に加速して走りきった。
第2ヒートの伏兵は風?、坂?、・・・じつはペース配分
スタートと同時に本命と思われるHyper USO800が飛び出し、これまた本命のfirst stepのつばさ52号が追走する。しかし、2周目に入ったところで、first stepはステアリング系統のトラブルが発生しコースアウトして止まってしまった。
確固たる信念を持って走っているかのように見えるHyper USO800に対して、スーパーモスラは、紀北TECK EVとともにに追走する。しかし、これが間違いの始まりであった。ミツバの斉藤さんは、ユアサの補充電なしバッテリを、秋田で使用する古河電池のバッテリと同程度のエネルギーが出ると判断してしまったようで、使用可能なエネルギーを多めに見積もってしまったようだ。勝負をしなくてはならない、スーパーモスラの籾井くんは、斉藤さんの実績と勘、そしてWEMのポイント争いから勝負に持ち込まなくてはならないという立場から、Hyper USO800に追走してしまった(と思われる)。スーパーでんちくんに池上さんは、少し後方でペースを刻むが、それでも速すぎでバッテリーがもたない。
淡々と、好位置をキープしていたのは伏兵となり優勝した新美氏率いるアヒルエコパレーシングのPURSUITERや2位となった名城大学のNovaであった。アヒルエコパレーシングはガソリンエコランには出場していたが、EVエコランには今回が初めての参戦となる。この車体を設計したのは、やはり名城大学OBの中岡さんだ(左下写真の右側)。マクソンの24Vブラシモーターをギヤで減速し、さらにチェーン駆動するという2段減速は名城大学と共通している。モーターコントローラーは浪越エレクトロニクス製であった。アルミフレームにプラダンカウルというオーソドックスな仕様でありながら、優勝してしまうところは驚異的である。
3位には地元である紀北工業高校のSpirit of 紀北がおさまった。(ごめんなさい、黄色い方が3位ですが写真がないので赤い方で許して・・・。)前半に飛ばしすぎたミツバは4位に転落し、5位には平塚工業高校の白澤先生のプライベートチームであるチームうにゃにゃん亀吉のエコノ亀吉2号が入賞した。
スーパーでんちくんの池上さんによると、最初から「アウトオブ眼中」なので、マイペースで行ったらしいですが、それでも速すぎでバッテリーが早くへたってしまったらしいです。ドライビングを担当していた海ちゃんによると、2〜3周目までに電池電圧の減り方からオーバーペースに気づいて省エネモードに切り替えたらしい。いずれにしても、傷口を大きくは広げずに6位入賞を果たす。WEMの合計ポイントも20となり3位となった。「高校に負けちゃうとねぇー・・・。」と池上さんは不満そう。東海大学木村研究室のファラデー・マジックは、他車の動きにつられることなく序盤からマイペースを維持し、最後の2周で順位を躍進させた。スーパーでんちくんまであと88mにまで迫ったものの7位に留まった。
スーパーモスラの籾井くんは、今回は11位という不本意な成績に留まった。「齋藤さんを信じて、Hyper USO800について行ってしまったのが敗因です。スピードは出し過ぎだとは感じていたけど、まさか斉藤さんが計算をミスってスローダウンするとは思いもしなかった・・・。」この前半の飛ばしすぎが傷口を広げ、順位を落としてしまった。さらに付け加えると、籾井くんが使用した秋田用の自作DDモーターは、巡航速度が40km/h程度以上を得意とする高速仕様であるので、このコースとの相性はあまり良くなかったことも不利な材料であった。 レースの技術レポート
東海大はやむを得ず、日本ケミコン製電気二重層キャパシタを大量に使う作戦を採用し、400F(定格13.5V)と巨大な静電容量のコンデンサをバッテリーに並列に接続し、放電レートを少しでも緩和できるようにした。
レース終了後には技術交流会として、チーム・カンダによる燃料電池の実演および燃料電池車のデモ走行が行われた。左下写真は燃料電池のデモ実験の様子である。青いケースに入っているのは水素吸蔵合金ボンベであり、この中に水素ガスが蓄えられている。その上にあるのが、出力200Wの燃料電池であり、電球を3個点灯することができたようである。この燃料電池をエコランカーに実際に搭載して走行する様子が披露された。外から見る限りは、モーター音だけであるので、通常のバッテリーによる走行とまったく一緒である。燃料電池とバッテリーの区別はつきにくい。これでは、一般の人に違いがわかってもらいにくいので、もう少しわかりやすくする演出が必要であるように思えた。
今回の白浜はZDP陣営としては、不完全燃焼に終わってしまった。キムヒデは残念ながら仕事で行けませんが、最終戦となる豊田のレースでは、池上さん、籾井くんたちは、精一杯戦ってくれることでしょう!? (k) |
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