1987


記念すべき第1回大会は世界各地から25チームがエントリーし、世界屈指の大自動車メーカーGM社のGMサンレイサーが、2位以下を1000km以上引き離し、6日間平均時速66.92km/hの記録で初代チャンピオンに輝いた。

このGMサンレイサーは、空力/ソーラービークルの世界的権威Drポール・マクレディ率いるエアロヴァイロメント社が製作の中心となっていて、 太陽電池には当時としては驚異的な変換効率20%の人工衛星用ガリウム系を使用。空気抵抗を示すCd値は0.099(通常の乗用車は0.3〜0.4程度)。 アルミフレームを包み込むボディーには、デュポン社製のハイテク素材であるノーメックスハニカムが使用された。これらはどれも1987年の時点で他のチームを圧倒するスペックであった。 短いソーラーカーの歴史の中でもこれ以降登場するソーラーカー達に、多大な影響を与えたエポックメイキングな1台である。

2位には地元オーストラリアのフォード/Ford Model Sが8日間平均時速44.63km/h。3位は途中のアリススプリングス一般車との事故を起こしながらも、 6時間の大修理で復活したスイス ビール工科大学のSpirit of Bielが入賞。

この第1回大会に参加した日本勢は4台あったが、最高位は(株)ほくさん(現大同ほくさん)のPhoebusIIの12位。所要時間は18日。平均時速19.57km/h。 半導体エネルギー研究所/Southern Cross号はレース終了後もリタイヤせず、レギュレーションに従いスチュアートハイウェイを走り続け、実にレース開始1カ月後の12月2日夕方、アデレード市に到達。

Southern Cross号には他のチームが搭載した太陽電池に比べ、変換効率は劣るが量産がしやすく、電卓などにも使用されているアモルファス太陽電池を搭載していた。 そのチャレンジ精神はアデレード市で賞賛され、市長からも表彰を受けた。

 


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